店主の呟き

蕎麦酒房　てらさわ店主の私、寺沢仁志が不定期に呟きます。
日ごろ私が思ったり感じた事、体験談、意見等を呟く予定です。
これを読んで、あるいは、お店にて感じたことなど、なんでも結構です。
ご意見を頂けたら幸いです。

2016/12/27 サトシ会の誇り

私の名前はサトシであります。
信心深かった祖父の影響を受け、悟りの諭すから、サトシと父親がつけてくれました。僕自身も仏教が好きなことから、気に入っております。それだけに、妻夫木君しかり、橋本さんしかり、全国のサトシさんの活躍は大いにうれしいことであります（決してサトシ会のようなものがあるわけではないのですが）。
逆に、障害者施設の惨劇の容疑者のようなサトシが出てくると胸が痛くなりますな。

今回観た映画は誇れるサトシの物語、聖の青春です。
僕よりちょっと年上の、実在した棋士、村山聖さんの話です。子供の頃にかかった、腎臓のネフローゼという病に苦しみながら、最後は膀胱ガンで20代で亡くなるまで、体のむくみ、高熱などの体調不良と闘いながら、将棋に打ち込んだ生涯でした。以前に、林先生の番組で紹介されていたく感動したため、映画化になったら観てみたいと思っていた方でしたが、とてもよかった。将棋なので、激しいアクションなどないのですが、でもそこには、命を削るような激しい戦いがあります。特に東の羽生、西の村山と評された時の二人のライバル対決など、常人ならそこにいることすらできないほどの張り詰めた空気がありました。演じた若き俳優たちもまたすごい熱演でしたよ。そして、この作品は、動きが少ない分、余計なものが少なくて、逆に言葉がの一つ一つが重く印象的でした。

余命宣告を受けた後、紙幣を破りながら、こんなものに何の意味があるというシーンや、本当の命がけとはこういうことだというところ、特に印象的だったのは、僕がこんな体でなかったら、素敵な恋愛をして、結婚したかった。一度でいいから女性を抱きたかったと言った場面ですね。青春という言葉の意味合いからすると、僕の印象では、若い間の甘酸っぱい思い出のような感じですが、この作品は、青春というより、生涯というタイトルでも良かったような、生き様があります。もし健康な体だったら、長生きでき、普通に幸せな生活があったかもしれませんが、ここまでの棋士にはならなかったかもしれません。劇中で、羽生さんが、戻って来れないような深いところまでに、村山さんとなら行けるかもしれないと言った、それほどのライバルの一生です。是非御鑑賞あれ。

2016/12/18 早さが事を導く

新聞に日本の工事の速さと正確さが称賛されてました。
10日間でやり遂げるとはスゴイだの、夜を徹してやり遂げる勤勉さが日本らしいだの、中にはこれからの道路は日本に頼むのがいいとも言った人もいました。

博多駅周辺での陥没事故の事故処理です。確かに早かったです。逆に早すぎて大丈夫かとさえ思いますが、さすがに2度はないでしょうから、これでいいんでしょうね。でも、こんなことが、世界に見られ、褒められると思いませんでした。世間の評価はどこにあるのかわかりませんね。一方、阿部首相のトランプ氏への訪問も早かった。どちらも忙しい日程の中で、よく調整がついたと思いますが、あの迅速な行動は素晴らしかったと思います。会談後の、あのトランプさんの笑顔に表れていたように、きっとうれしかったことでしょう。こんなに通信が発達した時代でも、人の心をこじ開けるのは、訪問だと思います。

僕もかつて、営業マンをしていた時に、取引先を激怒させるようなトラブルに何度もあいました。そんな時は、誰でも会いたくはありませんよ。でも、そこは、あえて火の中に飛び込んでいく。実際足を運び、頭を下げることで、意外と早く解決し、それどころか、先の博多の陥没事故ではありませんが、謝る姿勢を褒められたりするもんです。時間を置いて、クールダウンさせることも必要ですが、経験の少なかった僕では、無策のこの方法が一番でした。（今でもやばいと思ったら即謝っていますが…。）麻雀でいえば、１周遅れたため、当たり杯となることがあるように、早さとは状況を打開する時間の策かもしれませんね。ここで本題は終わりですけど、蛇足かもしれませんが、そもそも博多の事故は、人災ともいえるミスが原因で穴が開きました。リカバリーをほめられたことで評価が上がる以前に、そうならないことが最善でしょうね。

2016/12/11 年寄りの矜持

我が母はつい何年か前、6回目の年女を終えた午年のであります。
この12月で74になるのですが、身内のひいき目でも老けたなと思います。こき使った私に責任はあるでしょうが、それでも元気でいられるのは、仕事のおかげでもあるのでしょうね。
体は曲がり、体力の持続力が年々減り、気力も続かない時がある。それでも大病を患うどころか、風邪もめったにひかない丈夫さは自慢です。
今の仕事の現状維持が困難ですが、続けられるよう努力してくれています。

70代とはそういうものだと思っていましたが、世間を見渡せば、元気な年寄りはたくさんいるもんですね。

アメリカの次期大統領は、70歳。
しかももともと政治家としての基盤がなく、新たな大きな仕事にチャレンジをしていくというのですから、驚きです。そんなふうに見ると、憎たらしかったあの顔も、立派な人に見えてくる。年寄りにもプライドと、果たすべき仕事があるといったところでしょうか。

医療の発達で、元気な年寄りが増え、日本でも100歳以上の人口が6万人を超えたというニュースがありました。その一方で、少子化によりついに人口が減り始めたという話も。若い人が年寄りを支えるという、これまでの社会の常識が崩れようとしています。これからの人々に、いくら負担を増やしてもらうにも限界があるでしょう。ならば、できるだけ頑張ってもらうしかない。自分でできることはやってもらい、働ける者は働き、生産性をあげてもらう。今ではいつまでも働くことが、長寿の証だったり、ほほえましい話題だったりしますが、それもスタンダードになる時が来るのでしょうね。そうなった時、このトランプさんの挑戦は、あれが、時代に切り替わりの時期だったといわれるのかもしれませんし、年寄りたちの心の支えになるのかも。70で大国を動かす。対岸の話ではなさそうです。

2016/12/4 タイマン

予告映像と様々な映画紹介ではグロい猟奇殺人でしたが、実際観てみるとそこは下敷きとなっているものの、対決ムービーでした。

ミュージアム。
刑事の小栗さんと、犯人の妻夫木さんの1対1の対決は、なかなか見応えのあるものでした。前半は、ひどい殺し方の連続殺人で、なぜ雨の日ばかり起こるのか？という謎解きで始まるのですが、中盤には、あっさり犯人が特定され、あとは、バトルとなります。カーチェイスありの、格闘ありの、心理戦ありの盛りだくさんです。日本の若い俳優も,これだけ力があって、飽きさせない見事な演技でしたよ。

場面変われば、スタローンとスナイプスのデモリッションマンのような、もう少しポップな感じになるでしょうし、デニーロとアル・パチーノのヒートのような渋い対決にもなりうる、それに引けを取らない作品でした。ただ死体がグロクひどいので、一般向けではありませんが、この作品は、そこは本質ではないです。今後の日本の作品を担う若き才能のぶつかり合いと思えば、観る価値ありの作品でした。

2016/11/27 震災の残したもの

ここの所ワイドショーを賑わせている話題で、福島から横浜に避難した生徒が壮絶ないじめを受けていたことを記した手記が、公開されたニュースがあります。

放射能やら、支援金といった、当時のキーワードがそのままいじめの材料となったようで、殴る蹴るはもちろんのこと、お金の要求までされたようだ。しかもその金額は150万に上るとのこと。転向した小学生2年生からいじめは始まり、5年生の頃には金銭の要求があったというのだから、驚きだ。何度も死のうと思ったけど、震災で多くの人の死を見た被害生徒は、歯を食いしばったらしい。今は、フリースクールに通ってるとのことだが、その心の傷は計り知れないでしょう。

150万て？
怒りを飛び越し、冷静になって考えれば、これ恐喝罪じゃないの？小学生とはいえ、度を越した要求は、十分刑事責任を取るべきではと思います。そしてこういう時いつも思うのは、学校も、加害生徒の親御さんもどうしていたのかということです。どうも先生は知っていたようなので、今後は大変なことになるおと思いますが…。被害生徒が、今後強く立ち直ってくれればと願う一方で、こんなことが公表となった今、加害生徒の将来は絶望だなと思いますね。このまま罪に問われなければ、償うこともできず、当然地元ではだれがやったかわかってるでしょうから、一生そういう目で見られるでしょうし、今はこういう世の中ですから、隠したところで、ネット上に暴かれる事でしょう。全国の多くの人達からの非難にさらされることとなれば、立場は逆転し、自殺願望まで、バトンタッチされることでしょうね。その時にどんなケアーをするのか。放置していたその親御さんたちに、それができるのか？いささか疑問ではありますが、この子たちもまた、強く生きてほしいものです。

2016/11/20 にくさ余って、勝利拡大。

谷沢永一さんの人間通の中で、人間にとって最も力を発揮する魅力とは可愛げなんだそうだ。
どんな能力も姿勢もこの能力の前にはひれ伏すらしく、もしかすると本能に直結するのかもしれないですね。

かつての新聞のコラムに、小泉元総理と阿部首相を例題に取り上げ、阿部首相の誠実で真面目さがあっても、小泉さんの時にむきになる可愛げには敵わないそうだ。

先日、ついに次期アメリカ大統領が決まった。
予想を大きく覆し、異端児とも言われたトランプ氏になりました。でも、選挙期間中の討論会で思ったことがあります。中学生の喧嘩のような最低の討論でしたが、勝ち誇ったような上から目線のヒラリー氏に対し、顔を真っ赤にしてつたない言葉で立ち向かっていくトランプ氏の姿は、可愛げがあるように思えました。

どこか冷たい彼女より、とても人間味があるように思えた。
ただこの印象程度で、大統領になるとは、思いもしませんでしたが・・・。振り返れば、彼の暴言は、今のアメリカの庶民の言葉の代弁だったとも言えなくもないし、嫌われキャラになることで、マスコミを一気に向けさせたとも言えます。政治家たちによる政権のリレーの繰り返しで、培った流れに、次のレーンには、実業家もバトンを待っていた。この人に渡したらどんなレースをするのか？変化を期待した国民の声なのかもしれませんね。選挙用のアピールと実際の政治活動は当然開きがあり、どんな政治をしていくのかわかりませんが、もしかすると日本にとってもこれはチャンスかもしれません。

戦後、日本は、敗戦国として、常に、アメリカの下にありました。
今、政治家ではない新しいリーダーがアメリカに新たなスタンダードを作ろうというなら、日米関係も見直され、卑屈にならなくてもいい時代が来るかも・・・です。怖さもありますが、希望もあります。来年からの4年間は、どんな時代になるのでしょうね？（先日、阿部首相と会談後に写真が新聞に載っていましたが、普段と違う満面の笑みで写るトランプ氏がいました。その姿は、彼の持つ純粋さが前面に出た、可愛げあふれるものでした。彼のそんな姿が有権者を魅了したのかもしれませんね）

2016/11/13 ゆるい地盤の上に家を建てる。

”今日ほめて　明日悪くいう人の口　泣くも嗤うも　ウソの世の中”。

　この一休さんの歌のように、人の心は分からないものです。
就職活動という人生の転機をきっかけに、自分を見つめ、他人を見つめた人の心の物語。
映画”何者”はそんな映画でした。
ちょっとつらかったですが、面白かったです。

人は表面に出している部分が自分のすべてではないはずです。誰しも感じている人間関係の微妙さや、これまでに何度も己の力の無さを教えられた経験を持つ人なら、きっと共感できることと思いました。単なる人生の分岐点の青春群像劇ではなく、今のあなたはどうなのと聞かれているようでした。そういう意味では、何者というタイトルは絶妙です。テーマとして、就職活動を選んだのも秀逸でした。学生時代は、自分の能力を過大評価したり、過小評価したり。夢や目標を持つことが素晴らしく、社会の歯車となってることをバカにしたり。自分自身の能力や、人間性をわからずに、根拠のない自信や、評価を与えていました。でも社会に触れてわかるのです。自分は何者でもないと。そして、僕らの時代は特にそうでしたが、社会の歯車になることさえ、難しかった。その時になって、凡人である自分を見つめ、きちんと努力をして、積み上げなければいけない。今の自分は、ゆるい地盤の上にしかたっていない、ここを踏み固めて、まずは強い地盤を作らなかったら、今後どんな家を建てても、それは砂上の楼閣にすぎないんだと思わされましたね。あきらめること、開き直ること、何のために自分は働いているのか？その答えを自分なりに持つこと。でもその先にあるのは乾いた大地ではなく、厳しくも、小さく本当の夢や目標の持てる世界であるように思います。この作品を観た若者に、現実を知り、きちんと自分を見るという意味では、いい薬になるでしょうが、学生時代が終わったら、社会をつまらないと思わないでほしいですね。作ってきた自分から、等身大の自分に戻って、立派な家を建てて欲しいものです。内容は暗めかもしれませんが、僕はこの作品の先に、明るい未来があるように思いました。とてもいい映画でした。

2016/11/6 因果関係

小説も絵画も、その作品は作者の脳の中にあったもので、それは作者の才能であり、容姿とは関係ないと分かってはいるのですが、すごい作品を見るにつけ、どんな人が作ったのだろうと想像を働かせ、普通の見た目の人だと失望したりするもんです。

湊かなえさんもぼくの中ではそんな人の一人。
あんな穏やかそうな人がなぜ、松本清張ばりの人の内面をえぐるようなすごい作品を作れるのか、不思議でしょうがありませんが…。少女も間多産な作品の一つでした。全体を包む暗い空気。無表情のヒロインたちと、陰湿な女子高の世界。すべてが闇のようでしたが、そこにもまた一縷の光。その光が当たる時、すべての世界が一転し、散りばめられた、様々な人物が、フィクションならではの連鎖によってつながり、キレイに収まっていく。

最初は後悔しましたが、最後は拍手喝采でした。そして、この涙は何の涙か説明のつかない涙が流れましたね。（ぼくの感情は何に動いたのだろうか？）地方な小さな町の一つの女子高のわずかな人物たちの小さな世界。でも、その世界は大きく広がっていきました。

もう一本ジェイソンボーンを観たのですが、こちらは世界を舞台とした、アクションとカーチェイスのがてんこ盛りの映画でしたが、僕的には、何故か少女の世界のほうが大きくみえましたね。なぜなんだろうか、不思議な作品でした。全編で、繰り返し使われた因果という言葉とおり、次に起こる結果がもともとの原因と結びつき、因果応報を表現しています。良いことをすれば良い結果に、その逆もしかり。そんな道徳的な現象が、作品のバックボーンとなっていました。これは見事です。

横溝作品にしろ、東野作品にしろ、その他の多くの作品がそうであるように、映画でもドラマでも映像化すると、短縮したり、解釈の違いにより、原作より色あせるものです。それ故、面白いと思う作品は原作とセットにするのですが、湊さんは、未だ原作を読んだことがありません。映像で十分な感じがあるがゆえに、それ以上の原作が待っているかと思うと、恐ろしくて近づけないというのが本音です。またこの作品の予告編にも騙されたのかな？予告編は、本編のダイジェスト版と考えていますが、どうもあの予告編から、想像した作品の流れは、全然違うものでした。（ぼくの解釈違いともいえますが…。）主演の本田さんの、いつもと違う笑顔がほとんどない演技も新鮮です。暗いですが、いい映画でした。

2016/10/30 鯉は、再び池の中に潜っていった

神ってると散々言われた。逆転がチームの持ち味となった。
地元の広島をはじめ、久々の優勝を期待するブームが起こり、黒田投手の引退も合わさって、優勝への大義名分も整った。

舞台はできたが、舞台に上がったのは、北の勇者でした。ここまで来て、優勝できないのが広島らしいといえば広島らしい。ファンの間では、残念でありながら、これで、年棒が少しでも抑えられ、選手の流出はないかなと安心した人も多いはず。それが広島なのだ。振り返れば、日ハムのうまさが際立った日本シリーズであったように思います。広島は、逆転がトレードマークでありましたが、それは最後まであきらめない打線という見方と、簡単に締めきれない救援陣のもろさの表れでもありました。シーズン中同様、先発の3本柱はきちんと仕事をしましたが、いずれも後半のばたばたで、ひっくり返された。ここで、これまでなら、さらにひっくり返すこともあったのですが、接戦むなしくという試合が敵地で続きましたね。振り返れば、広島での、最初の2戦の敗退は、相手をよく見て、分析した試合であり、弱点を突き、一気に追い上げるための布石だったのかなとも思いました。新聞での評価もそうですが、それだけ、今回の栗山監督の手腕は、広島を凌駕していた。エースを温存する余裕もあった、ところにも表れていましたね。僕として、敗れるとしても、最終戦までもちこんで、大谷対黒田の新旧エース対決となり、黒田選手の引退を飾るというより、大谷選手による引導という筋書きができていたのですが、そこまで息が続きませんでした。広島としては、これをばねに、来年も頑張ってほしいですが、勢いだけのチームでなく、実力となっているでしょうか？日ハムとしては、いつでも栗山監督が降りれることとなりましたし、大谷選手としても、これで、いつでもメジャーに行くことができるでしょう。野球の将来を考えれば、この方がよかったのかもしれませんね。広島ファンでありますが、実を言うとパリーグでは日ハムを応援している僕としては、複雑なシリーズでした。思ったのは、去年同様、リーグとしてのレベルの違いの差を感じた、シリーズでした。（勢いで、速攻で決めればセリーグにも目があるけれど、がっぷりよつになったら、実力では敵わない気がしました）

2016/10/23 体つくり

役者という仕事は本当にすごいと思います。
与えられた役を精いっぱい演じ切るのは分かるのですが、すごい人は姿かたちから入っていく。役に応じて、体重を変えたり、筋肉質になったりと、どうしてそんなことができるのかとさえ思いますね。ロバート・デ・ニーロさんが、カポネ役でふとったり、ナタリー・ポートマンさんが、ブラックスワンでは見事にバレリーナの体形になったり、最近では、オデッセイで、マット・デイモンさんがみるみる痩せていったり、僕は観ていませんが、サウスポーではジェイク・ギレンホールさんが、ボクサーらしい肉体になったりと、例を挙げればきりがありません。日本でも鈴木亮平さんはすごいですね。20キロ痩せたり30キロ太ったりと、役にかける情熱のすごさにプロ意識を感じます。でも、それだけ役に入りこむゆえに、役と本当の自分自身が同化してしまったりしないものなのでしょうか。様々な役を演じ、様々な人間性やその人の人生を取り込むことによって、自分自身が分からなくなったり、また自分自身も演じているのかもしれないといった、ぐらついた気持ちになったりしないのかなと思います。どの仕事にも職業病というのがりますが、役者にはそんな病気もあるのでは？でも映画好きの人間としては、自分を削ったような、ぎりぎりの演技は、楽しみであり、これこそ醍醐味だと思うところもありますね。どの仕事も、健康で長く付き合えてこそ天職です。素晴らしい役者さんたちの、末永い活躍を祈るばかりです。

2016/10/8 ここにもチャイナ。

先日観たスーサイドスクワッドで気になったのが、カタナというキャラクター。
日本人を元にしてるようですが、なぜ日本人を使わなかったんだと思うほど、違和感のある日本語でした。昔、ライジングサンという作品がありましたが、その時のかわされる日本語、日本人のイメージは、未だにこうなのかというほど、日本人から見れば、不快を飛び越して笑えるほどでした。ラストサムライあたりから徐々にまともになってきて、日本人も、ようやく正しく理解され始めたのかなと思っていたのですが、残念でしたね。その一方で、中国の力は映画にも及んでいます。グランドイリュージョンでは、アメリカ、イギリスなどが舞台となるのですがその一つに、マカオが入っていました。また、オデッセイでは、取り残された宇宙飛行士を助けに行った船は、中国の宇宙船でしたね。映画関係者によると、近年、ハリウッドなどに多額の投資をしているのは中国人が多いらく、そのため、気を使ってる部分があるようで、結果、興業的にも、中国人の動員につながるようだ。なんとなあ、わかりやすい話ですな。漫画やアニメに代表される文化の交流やら、輸出が行われ、それが盛り上がっている一方で、理解や認識は、別の方向でも進むもんなんですね。日本もバブルの時代、アメリカの建物や、会社を次々と買ったことがありました。それ故ジャパンバッシングを受けたこともありました。今ではクールジャパンと言われるほどになったのですが、それは印象の違いで、認識の深さとは違うのかな？難しいですね。

2016/10/2 満腹作品

大概、映画館に言ったら2本は観るのが普通で、4本も観る時がある僕ですが、映画も食事と一緒で、内容の重さ次第によっては、1本で満腹になることもあります。”怒り”はそんな映画でした。映画の手法として、次々と画面が入れ替わるザッピングというのがあります。1話ずつ完結していくオムニバスと比べ、同時並行で、いくつもの話が進んでいったり、時空を超えていくつかの過去に飛んでいったりと、観ていてややこしくなって僕としては苦手なんですが、それが今回は違った。（スパイ映画で、飛行機に乗るシーンなしに、世界のあちらこちらに飛ぶのも苦手です。せめて、ここはどことか、何年前とかインデックスを付けてくれると助かるんだよね～）一つの事件が起き、その後、3か所で、素性の知れない3人の人物が現れ、物語が同時進行で展開します。幸い、なじみのある日本の俳優だったから、顔の認証ができたため、変わったことにすぐ気が付いたのかもしれませんが、交じり合う割には、すっきりしていた印象です。何より、若い俳優さんたちの熱演がすごかった。いずれ日本を代表する名優となるであろう人たちが結集して作られていましたので、20年後とかに、こんな作品で共演してましたよと、紹介される作品だったと思います。でも重かった。人の心は、誰にもわからない。物の善悪とは何なのか、前作の悪人に続いて、観る者に考えさえる映画でした。その中でも、鈴ちゃんはよかった。事前のインタビューで、今回は、かなり絞られたといっていましたが、とてもよかった。また一つ女優の階段を上った印象でした。観終わってみれば、犯人は誰なのかといったミステリーだったのか、人を信じることの難しさを伝えた純愛ものだったのか、はたまた、社会の1部分を切り取った社会ものだったのかよくわからなかったけど、それは全部当てはまるともいえる作品でした。　もう一つは、エル・クラン。アルゼンチンの実際の話を元にした作品でしたが。家族で取り組む仕事は誘拐というとんでもない話でした。最後、捕まった後に、すべて父親の責任とすれば、他の家族は減刑するとの提案に、なぜ俺だけひどい目にあうんだといい放った、父親の姿に、民族性かなと思いました。日本人なら、そうですと言いそうだけど…。人生スイッチが面白かったので、アルゼンチンの作品に期待しましたが、ややとほほでした。

2016/9/25 日本で生まれたものは日本製がいい。

茨城県近くまで足を運び、9時前から4時過ぎまで、途中10分の休憩だけで4本の映画を観るというのは、趣味というより拷問に近かったですが、でも楽しかった。

こうなったのも、食事時間にあてようと思っていた時間にもう1本観たからで、そのきっかけとなったのが超映画日記のコメント。

その言葉に従って良かったのがシン・ゴジラ。
子供の時に観たゴジラは、怪獣との戦いが好きで、たくさん出れば出るほど魅力的でした。大人になって、海外でも作られましたが、いまいちでした。だから、今回も見逃すつもりでしたが、ここは監督がよかった。庵野監督の描き方が、どこかリアルで、映像も斬新で素晴らしかったです。ゴジラの出現による首都の混乱としていますが、このまま、これが大地震だったらと思うと、混乱時のシュミレーションともいえるような作品で、怪獣映画でありながら、大人向けの作品でしたね。政府の対応から、自衛隊の扱い、米国の協力など、架空の世界の話でありながら、リアルでした。この夏のお勧め筆頭です。(あとで知ったことですが、ゴジラの動きは、モーションキャプチャーを使った野村萬斎さんだったんですね）アンフレンテッドは、すべてパソコン画面で展開する新感覚のホラーで、これも面白かったですし、ロストバケーションは、サメとのサバイバルというシンプルな設定ながら、ドキドキしました。最も期待したターザンが、もうちょっと迫力がほしかったなと思いましたが、蔦で進んでくシーンはスピード感ありましたね。今回は、動物中心の映画でしたが、楽しかったです。どれもお勧めですが、なんといってもゴジラです。

2016/9/17 う～～ん、アメリカ。

ウルトラマンの光線を受けた怪獣たちは、爆発するか絶命します。中には逃げるのもいますが。ライダーキックを受けた怪人たちも同じような最期を遂げますね。

しかし、アメリカのバットマンなどのシリーズでも悪役たちをヴィランというらしいのですが、彼らは何と特別な収容所みたいなところで捕まっているのだ。
スーパーマンが街で戦ったことにより破壊された建物を、どう賠償するかなんて考えるアメリカらしいい、ヒーローものに入るちょっとのリアルなのですが、今回は悪を持って悪を倒すという特殊部隊を組んで彼らを戦わすストーリー、スーサイドスクワッドです。

発想は素晴らしい、キャラも魅力的だが、いまいち展開が悪かった。
おそらくアメリカの人たちはなじみのあるキャラなのかもしれない。人物像が、濃いのだが、日本人からすると説明不足だし、ハーレクインがとてもかわいかったが、それ以外は、それほどでもなかった。もっとハチャメチャでもよかったかもしれないですね。何となくアイデアだけで終わってしまった、退屈な映画でした。

もう一つは、キングオブエジプト。
こっちは、映像の素晴らしさと、召喚や変身のかっこよさで、なかなか楽しめました。ただ、エジプトの神話や、神々に詳しくないので、もうちょっと事前に調べておいてもよかったかなと思います。ギリシャ神話を扱った、タイタンの戦いでも思いましたが、向こうの神様は、元気で、好戦的で、欲が強いですね。お釈迦さまが剣を取り、軍隊を率いて戦うなんて映画はきっとできないと思うと、神の姿は、それぞれの民族の性格の表れであり、多様ですね。
面白かったです。

2016/9/10 それは侍だ。

今回のオリンピックは、開催が危ぶまれるほどでしたが、いざやってみれば日本人もこんなに世界に通用するのかと思うほどのいい大会でしたね。
会場外では強盗やらいろんな被害が出ているようですが・・・

戦う姿は美しい。
でもそれ以上に、スポーツマンシップと言いましょうか、その心持が素晴らしいと思うことがあります。先日、体操の個人総合で、内村選手が2連覇を果たしました。王者の貫禄と言いうよりは、最後追い上げての勝利でした。ジャッジによる得点で左右されるので、その採点には、個人の見解が入る余地があるのですが、内村選手に対して、ある記者から”あなたは審判に好かれてるのでは”と、ちょっと意地悪な質問がありました。でもその質問に”判定は正しい。そんな質問に意味がない”とやり返したのは、なんと内村選手の隣に座っていた、最後まで優勝争いをした、ウクライナのオレグ選手でした。まだ22歳の若き選手が、堂々とあの試合の正当性を言い放ったのです。素晴らしいことだと思いました。途中まで、優勝の芽もありました。判定の如何によっては、彼が表彰台の中央に立っていたかもしれない。悔しさもあるでしょう。言い訳もあるでしょう。でも、彼はすっぱり言い切った。なんと、潔いことか。これこそ、真剣に戦った人間同士でなければわからない世界であり、スポーツマンシップなのでしょうが、僕的には、日本人風に、侍だなと思ったわけです。

内村選手の年齢からあとどれくらいできるのかわかりませんが、きっと良きライバルとなり、次の世代のトップとして、バトンを渡させる選手になるのかもしれません。異国の選手とはいえ、未来にとても希望が持てる出来事でした。

2016/9/3 人一色

小説家という仕事は強烈なストレスの連続なんだとエッセイに書かれていたことがあります。
作品を作るということは、己の身を削ることに外ならないからなんだとか。

そういう意味では、芸能人も人をさらして売り込む仕事で、プライベートはあってないようなのも、それゆえの病気や奇行もうなずけるように思います。

自分を売るために、どんなイメージ、キャラクター設定にするかをしっかりとプロデュースできて、売れるということなんでしょうね。

タレントのベッキーさんが、不倫問題から復活するようですが、僕の意見ではもうだめかもしれませんね。もともとあまり好きではなく、なんか違和感を感じる人だったのですが、この一件で違和感の正体がつかめました。

画面で見せる明るく爽やかな印象と裏腹に裏では、性格が悪い（噂です）とか、こんなことをやってしまう。要は、あれは、TV用の仮の姿であったわけです。しかも、今回の一件で炎上させたもう一つのきっかけに、不倫が発覚し、週刊誌に載った後のメールでのふざけたやり取り。本人は、結構調子に乗っていた。見た目より傲慢な人だったのだなと思いました。さらにもっと悪いことに、年齢が彼女のほうが上で、年下の妻子ある男性を年増がたぶらかして、家庭を崩壊させたという図式が出来上がってしまった。これらの一連の行動は、すべて、彼女がこれまで作ったキャラクターの真逆の行為であり、それは視聴者への裏切り以外何物でもないわけですね。それなのに、ちょっと間をおいて復活しようといっても世間が許さないのではないでしょうか？正直言って、致命的だと思います。なら、一層のこと、彼との愛を貫いて、何を言われようと、立派な家庭を築くか、超悪女キャラに変貌し、略奪なんて朝飯前ぐらいのとんでもない人間になってしまっては…。どっちに転んでも、まだ芸能界に未練がるなら、これまでのキャラはもう死んでしまった、その認識からのスタートかもしれませんね。

今度は、女優の高畑さんの息子が強姦で捕まりました。
ちょっととぼけた、ピュアな印象がありましたが、この一件は最悪です。彼はもちろんのこと、お母さんにまで、干される可能性が出てきました。まったくもって残念です。芸能人こそ、イメージを大切にした自売りなのに、このような軽率な裏切りをしてしまうのか？未熟では片づけられない問題ですね。

2016/8/28 人一色

麻雀の役で、字牌だけで作る役を字一色（ツーイーソー）と言います。同じように同じ系列の牌で作るのを清一色（チンイーソー）といいますな。

オリンピックが終わって落ち着いた世間ですが、振り返れば、卓球女子団体戦の準決勝は、手に汗握る激闘でした。追い込まれながらま跳ね返す姿勢に、何とか勝たせてあげたかったですね。相手はドイツでしたが、このとき多くの人が、ん？と思ったに違いない。白人、いやドイツ人と思われる人がいないのだ。3人の代表のうち、ドイツ人は1人だけ。あとは中国人らしい。その疑問を持ったのはきっと僕だけではなかったようで、たまたま、準決勝の顔ぶれを全員出してくれたら、なんと、4チーム12人のうち、8人が中国人。シンガポールに至っては、3人とも中国人なのだ。中国のように、強い選手がたくさんいる国では、代表になるのは至難の業で、こういう形で、国を移り、出場することはあるようだ。（日本でもお笑い芸人がカンボジアのマラソン選手になったっけ。）しかも、世界選手権となると出場条件が厳しいらしく、ある年齢以上での国籍の移動をした選手は出れないとかあるようなのだが、オリンピックは参加することに意義があるという精神からくるものなのか、その辺は大分ゆるく、こういう世界選手権に出れない選手が次々と出てくるらしい。結果、見渡せば中国人ばかりの試合となって、いったいどこの国の戦いなんだか訳が分からなくなることが起きるようだ。出場機会を求めて、様々な手を尽くすのは、仕方ないとしても、こういう傾向が広がれば、それこそ、決勝トーナメントに進んだら、自国以外全部同じ国出身ということも起こりかねないよね。応援するにも気持ちの入りにくい選手が、活躍してもどうなのだろう。なんか気持ち悪い気がしてきました。陸上や水泳の強いアメリカから選手が流れて、日本に住んだこともない、日の丸を付けた黒人が、9秒台で、100メートルを走り抜けたとして、それが何なのか。字一色は役満です。でも、競技が人一色に染まるのは厄害のような気がします。

2016/8/21 Yイズム

眠れない夜というのがありまして、それは不眠症ではなく、眠いのに、眠ってはいけない夜のことであります。この日の夜はすごかった。女子レスリングは強いと言われていましたが、なんと一晩で3人の金メダル。伊調選手に至っては、4連覇ですからね。あの柔道の野村選手も少しは静かになるかな・・・です。(と言っても、僕は伊調選手の準決勝前で、瞑想に入りましたが）3選手とも偉業をなしえたのですがそこの背景には、Yの力。そう吉田選手の影響があるのですな。今回初めての金メダルに輝いた登坂、土性選手はどちらも、小さいころに、泣き虫だったのに、アテネで活躍する吉田選手の影響を受け、彼女を目標に頑張ってきたようです。登坂選手は、今では、吉田選手にも影響を与えるような妹分で、土性選手のタックルは吉田選手のお父さんの指導によるものなのだそうですよ。一人の選手、それを支えた家族の力が、今や国のスポーツの幹となってるのですからね。すごいことです。プロレスの世界では、猪木選手に憧れて門を叩いた選手がたくさんいました。そんなとき猪木イズムの継承者などど言われましたが、ここは吉田イズムとでも言いましょうかね。伊調選手も含めてそろそろ引退の文字がちらついてきましたけれども、もう次の世代に引き継がれているのですね。東京五輪も楽しみであります。　　レスリングの応援は、アニマルさんの影響か、家族総出で、熱狂的な方が多いですね。それはそれで、なんかとても暖かい気がしました。（結果を知ってから、ハイライトで、三人の決勝を見ましたが、みんなぎりぎりの逆転だったんですね。これはライブで観ていたら興奮で眠れなかったでしょう。勝ったとはいえ、世界でトップに立つのは大変なんですね）実は、この原稿を書いた翌日は、吉田選手の惜敗の日でした。残念でしたが、それでもここまでレスリング界を牽引してきた彼女の功績は、誰にも文句を言わせないものだと思います。悔しくて号泣する彼女の姿に、僕は女性としての優しさや脆さを見ることができたし、何より、それを見ていた吉田イズムの継承者たちも泣いているのを見て、きっと吉田選手の無念を彼女たちが引き継いで、もっと大きなステップになっていくのでは、この敗北は未来への踏み台となったのではと思っています。これは、僕の考えですが、もし吉田選手が順当に、金メダルを取ったら、女子選手6人のうち、5人が金メダリストとなりました。取れなかった選手は、さぞかし苦しんだ事でしょう。吉田選手が負けたことが、救いになったとは思いませんが、あの吉田選手の敗北ということもあって、世間の目はすべて彼女のほうに向いたでしょう。未来ある若い選手がここで、潰されなかったと考えれば、レスリングの神様の意地悪な配慮ともいえなくもないのかなと思いましたね。記録を残した伊調選手。記憶に残った吉田選手。今後の動向が注目ですが、今回の大会は、本当にお疲れ様でした。

2016/8/14 マル一日アニマル

なんだか中途半端な日に決まった山の日だったので、どうしようと思い、山と言えば動物かなと思って、3本のアニマル映画。

ルドルフとイッパイアッテナ、ジャングルブック、ペット。
人間との良き関係や、人間を投影したかのような、動物の世界。肩を張らずに観れる楽しい映画でした。日本作品ということもあって、一番感動したのはルドルフかな。小さき少年のような猫が、一つのトラブルから、都会に来てしまいます。様々な猫との出会いや、経験を繰り返し、なんと故郷の岐阜まで、車を乗り継いで帰るのです。（結局は、下町に戻ってくるのですが・・・）最後はご都合主義のハッピーエンドですが、僕はずいぶん泣いた。ルドルフが健気で仕方なかったですね。ペットは、アメリカらしい、愛らしく、大きな表現のキャラクターたちが、とんでもない冒険を繰り広げる娯楽映画でした。誰でも笑える楽しい作品でしたね。ジャンぐえうぶっくは、今やここまで映像が作れるのかと驚かされる作品でしたが、僕的には、退屈でした。不覚にも何度も瞑想に入り、ラストシーンも見逃すという大失態をしてしまいました。夏休みなので、子供と楽しめる作品たちでした。

2016/8/7 ついに竜になるのか

登竜門と言いう門をくぐり、登り続ければ鯉は竜になるんだそうです。

野球というのは、本当にわからないもんですね。
今年の広島はエースのメジャー挑戦により、大幅な戦力ダウンで、今年は次のステップの準備の年と思っていましたが、鯉は登っているのですよ。エースのに受けた穴を助っ人のジョンソン選手に期待するか、ベテランの黒田選手かと思っていましたが、期待の3本柱の、福井、大瀬良、野村の3投手の中から、柱が出ました。今ではJNKですからね。野村様様です。前に、黒田選手が渡米した際に、次なるエースとしてマエケンをチーム全体で支え、エースに育て上げた時期がありました。今年は、野村選手がそうなんでしょうな。もともと素質があるといわれて、丁寧なピッチングが持ち味でしたが、福井、大瀬良両選手が戦線離脱した穴も埋めて頑張っていますね。そしてその他の選手もここがチャンスと思うのか、岡田、横山、オスカルの新人選手から、九里、中村、戸田の中堅どころまで頑張ってますね。これであと薮田選手もここに加わればと思っています。

野手のほうでも、鈴木選手がすごい。
神懸かり的な活躍ですものね。まだ20代前半の若き力が、チームを引っ張ることで、小窪、田中、松山、下水流の中堅からベテランの選手も頑張ってます。鈴木選手同様、能力が高いと評価されている野間選手も出てこないかな～です。問題はこれからの暑い夏です。もともとカープは夏が強かったですが、今年は、前半の疲れで、ばてないよう頑張ってほしいものですね。今年はその日の試合結果を見るたびにビールがうまい。楽しい日々は、続いてもらいたいですね。

これまで2勝1敗ペースで来ましたが、ここに来て連敗です。広島のもろさが出てますな。
やはり夢は夢のままでしょうか

2016/7/24 真面目な者が損をするのは世の常だ。

悪貨は良貨を駆逐する。
世の中は、一部の悪のために動かされるというのが世の常ですね。

僕の嫌いなことに、元ヤンキーがあります。
元ヤンキー教師に元ヤンキー弁護士など、昔悪をやっていた人間が今更生し、まともな職についていることを称賛しているようですが、なんか変だと思いますね。

もちろん自分で、そのことを売りにしているわけでなく、マスコミがそういう売り込みをしているのですが、昔、悪をやってさんざん迷惑かけたことを反省し、今の仕事を罪滅ぼしのように頑張ってるというなら僕は大歓迎で、とても素晴らしいことだ思います。
でも、道を外れたことが人の気持ちをより知るというなら、それは違うのように思うんですな。

もちろん、普通の家庭に育った僕よりもはるかに苦労されたんだろうとは思うのですが、それでも行き場のない気持ちを物や人にぶつけたことは、迷惑であります。本当にすごいのは、そういう環境な中にあっても、感情に流されず、歯を食いしばって、まっとうに生きた人たちこそ称賛されるべきではと思うのです。

人が生きていれば他人の世話になったり、助けてもらうことは多々あります。でも、その大小で、他人に与えるダメージは変わってくる。大きいものを悪と呼ばなかったら、まともに生きている人間は浮かばれないでしょう。

もうすぐ、オリンピックが始まります。
今世間では、ロシアのドーピング問題が持ち上がっています。本人の知ってか知らずかはともかく、やった人は仕方ないと思いますが、真面目にやってきた人たちまで、ひとくくりで仕分けられることが、とてもつらいことと思うのです。ここでも、悪に善が駆逐されるそんな感じですね。大多数の人間は良識のある善です。（いや多くの人が持った考えや行動を正しいことと位置付けてるのかもしれません）その多くの善によって安定した社会が生まれ、維持されています。でも、悪は強い。ほんの少しでも、影響を与えるだけの力がある。悪のない世の中はあり得ないけれど、できれば他に自分の生活は邪魔されたくはない。なんか、人に迷惑をかけながら生きてるやつのほうが、注目されたり、得してるようにも思いますが、それは間違ってるといえる自分でありたいですかね。

2016/7/17 シネコントロール

僕は松竹系のムービックスの会員のため、ほとんどが、このシネコンの系列で済ましています。バスの始発で終点という交通の便もありまして、亀有が主ですが、それ以外に川口とさいたま新都心が中心でした。（電車もバスも一番前が好きなんです。運転に興味がないのに、なんか運転してる気分だけ味わえるので）

ここ何年かで、柏の葉にも行動範囲を広がったのですが、今年は、さらに広げ、三郷や今まで知らなかった、ピカデリーの丸の内や新宿も選択の範囲に入れています。どの映画館に行くのが、効率よくたくさん観れるのか？一通りの上映スケジュールを書き出して、予定を組んでいくのが、一苦労ですが楽しい。最近では、一つの映画館にとどまらず、アクセスも考えて、移動してのはしごも組み始めました。さらにここが最も大事なのですが、シネコンでも、映画の選択にやや個性があり、もっと言うと、いつ観るかによって、観れなくなる場合もあります。多くの作品を扱うから仕方ないのですが、人が集まらない作品は、どんどん回数が減り、辺鄙な時間に追いやられます。行くタイミングが遅れたために、深夜の1回しか上映されず、観れなかったことが何度あったことか。それは、麻雀でいう切るタイミングが一手遅れたための振込に,よく似ております。ですので、下調べは必要で、試写会での評判も参考にしています。欲を言えば、観たい順番も、その時の気分もあるのですけど、そこは、自分の気持ちを合わせるしかないのですよ。DVDなら、問題ないのにね。それでも映画は僕にとって心の運動です。警察官や消防士がいざという時のために体を鍛えて備えるのと一緒で、僕もまた、心を動かすことで、備えています。（感情が動くと書いて感動とはよく言ったものです）夏休みが来ます。いい映画が予定されていて楽しみですが、天敵ともいえる子供たちと観るのかと思うと、ちょっとげんなりでもあります。

2016/7/10 これは娯楽かしら？

連日の消防団の練習が、6月末の大会で終わり、久々の終日休みとなりました。
やりたかったことを列挙して、優先順位を付ければ、映画三昧となりました…。

まずは亀有に移動して、64の後編とクリーピー。その後錦糸町に移動して、ダークプレイスと劇場を変えて葛城事件。3つのシアターと4つの作品のアイアンマンレースのような、自分を追い込んだ1日でした。どの作品も重く、人が死に、そしていろんな形での家族のあり方を表現していました。最高は64で、これだけのキャストが見事の料理された作品でした。1時間ドラマのような犯人逮捕までの早さがないのですが、実際はもっと複雑であろう警察の内部やマスコミとの関係が、丁寧に描かれていて、なかなか前に進まないです。でもそこがよかった。理不尽にも家族を失った遺族の気持ちと、今まさに失われたかもしれない家族の窮状が表現されています。前編、同様若手の役者さんたちが、ベテランにかみついていくような演技もまた見ごたえありました。クリーピーは好き嫌いがありますが、西島さんと香川さんのヒットコンビが組めば、それなりに面白くなることを証明したような作品でしたね。（ぼく個人的にはあまり好きではなかった）ダークプレイスはあまり期待していなかったのですが、これが意外と面白かった。家族を惨殺された過去を持つ女性のその真実を探す旅路のようでしたが、それは自分探しの旅でもありました。最後に葛城事件。これが最も重く、観ててつらかった。映画も4作目となると多少はまどろんでくるのですが、この作品は衝撃で、なおかつどうおさめるのかがが気になりすぎて、逆に目がらんらんとしましたね。家族が壊れていく差がリアルで、他人事に思えませんでした。この作品の主演の三浦さんが、とても素晴らしかったです。もともと真面目な役が多かったですが、近年犯人だったり、やくざだったり、64では刑事だったりと、役の幅を広げてきたように思いますが、これはまたちょっと違う感じ。乱暴だが家族思いの父親。でも思いは強すぎた。そんな感じでした。お勧めは64だけですが、どの作品も見応えはあります。間違っても、この4作品を1日で観ることはおやめください。

2016/7/3 忍のようなもの…。

ここの所、消防団の大会に向け、休日の午前中は練習三昧です。体はきついですがとても充実していますな。
それゆえ、趣味の映画の時間は制限されていますが、でもそれもまた一興。無い時間で見るからこそ、うまく選べた時は至福の時間であります。

今回はそのうまくいった時。
キルビル並みの残忍なアクション映画でありながら、とぼけたキャラと全体的にふざけた感じで、明るく見事な娯楽作品に仕上がっていたのが、デットプール。

主人公の誕生までの話と、そうなったことに対する復讐で、ストーリーは、単純ですが、でも面白かった。よくしゃべる主人公は、二本刀を背負ったスパイダーマンのようで、トリッキーな動きから見るに、もしアメリカにオリジナルの忍者がいたらこんな感じかなと思わせられましたね。英語が分かればもっと面白いんだろうなという表現があり、中には、映画ファンしかわからないギャグもありました。それでも、笑えたし、楽しかった。もう一つは、探偵ミタライの事件簿。三つの奇妙な事件が、実は一本の糸で繋がった時、明かされる黒幕の意図がなかなかでした。美しい瀬戸内海の景色とともに、瀬戸内海の特殊な地理性が、独特の海流を生み出すように、事件もまた、激しいうねりの中、バラバラになったいくつものピースが、やがて収まり始めます。事件のスケールと、海の大きさが相まって、テレビのドラマ以上の作品になっていました。レビューでは、あまり評価が高くなかったので迷いましたが、これも観てよかった。事件の悲惨さと、広瀬アリスさんの明るい可愛さが、対照的で作品全体に色付けされているようにも思いました。どちらも、おすすめです。休日の心やすめにどうぞ。

2016/6/26 怪物を作ったのは誰の2？

日本映画らしく、くらい、やりきれない映画でした。
その名はヒメアノ～ル。
どちらかというと、人がむざむざと殺されていく映画はあまり好きではないのです。（登場人物が、まるでみな獲物のようでした）しかし、主演の森田さんが、とてもすごい演技を見せたと高い評価で、それゆえに観てみたかった。確かにすごかったです。変な鼻息の荒い感じではなく、それでいて、異常さを表現していないのに明らかに異常ででも淡々としている。平凡な人間風でもないのに、どこか普通。でもやることはおかしい。内に秘めた獣のような感情を見事に演じていました。（いつかの松たか子さんのようでしたな。）でもそこには、生まれるべくして生まれたモンスターの軌跡があり、それゆえに、同情の余地もあります。決して気持ちの良い作品ではありませんが、ラストシーンで見せる、過去への回帰は、まるでモンスターの着ぐるみを脱ぎ捨てた本当の中身を見るようでした。ちょっと感動もある映画でした。聞くところによると、先日亡くなられた蜷川さんや宮本亜門さんも、この森田さんを買っているようで、俳優としてのポテンシャルは相当なものだそうですね。今後どんな役をされるのか楽しみですが、またこんな役もいいかもしれない。もしまたこんな役をやるなら、気持ちがビビりそうですが、観てみたいと思わせる役者さんでした。

2016/6/19 if

世にも奇妙な物語で使われそうな話ですが、もしあの時こうしていたらこんな結果にならなかったのに…、ということはよくあります。
やり直すことができたら、未来はどうなっていたのだろうか？

舛添知事がついに辞任いたしました。
せこい公私混同の金の使い方が批判の的ですが、もう一方騒動の対処の仕方も良くなかったですね。どう取り繕っても、いい印象など残るはずもないのに、やれ第三者を立てての検証だの、やれ一部返金し、減棒しての続投などやってきました。最後には、もう少しだけ待ってくれとも言いましたが、要は、さっさときちんと謝ればよかったのでは。

次から次へと出てくるケチな所業に、たとえ法に触れなくても、良いか悪いかぐらいは判断できたはずです。やってしまったことは仕方ないので、調子に乗りすぎましたと、謝って、使った金額を明らかにし、謝罪の意味も込めて、実費の倍以上の金額を返金すれば、まだ世間の批判をかわせたのでは。結局政治家として、終わったとしても、最後に男らしいけじめを付ければ、まだ救われた道もあったのではと思います。今のまま終わり退職金も手にしたら、それはもう、一生非難の的でしょうな。大学の先生など話はないでしょうし、講演も本も無理でしょう。舛添なんてなかなかない名前だから、奥さんも子供たちも同じ名前でいることを避けるでしょうね。破滅の道がそこにあります。始末の舵取りを間違えましたね。あれほどの頭脳を持った人が、そんなことも想像できなかったのかと思うと、残念です。噂では、もともと金に汚い、うわべばっかりの人物らしいけど…。　外国ではこの一件で、”せこい”と言いう日本語が報道され、知れ渡ったそうな。ある意味、世間の記憶に残った政治家でした。

ちなみに、次期知事は誰でしょうな？
ぼく個人的には、自民党なら、将来も踏まえて小泉さんにお願いしたいですね。
あとは、河野さんか、民進党なら蓮舫さんですかね。
若くても、しっかりと政治に取り組んでくれるような人がいいですね。

2016/6/12 盗人ねずみ男

一言でいえば、言わんこっちゃない。
きっとやると思っていたが、やっぱり舛添都知事のひどすぎる実態が明らかになった。
見栄っ張りでケチ、人間の醜さが顔に出ているあのねずみ男みたいな男がやりましたよ。
何でも自腹の時は、マクドナルドにクーポンを使い、公費となれば湯水のごとく使いまくったようだ。悪知恵ばかりで、政治家としての資質にかけていたあの男を、なんでみんな選んだのだろう。あの選挙の時から、絶対こうなると思っていましたよ。

ましてや、今まで政治と金のことについてさんざん人を否定し、大声でクリーンさを言ってきたのにね。でも早くわかってよかった。辞職程度ではぬるい。きちんと落とし前を付けてもらいたいものです。猪瀬さんが、まるで罠にはまったかのように、五輪の話が決まった途端追い込まれた。これから始まる五輪を、使い勝手のいいやつに付け替えるがための選挙のようでしたが、五輪のほうだって、穴だらけだ。仕事もいまいち、でも使うのはやりたい放題。同じ地方自治なら、財政が苦しいからもっと知恵を絞って頑張るところを、東京は儲かってるからと、こんなことやって許されるわけがない。ここは、男気を出して、自分の財産から、1億でも2億でも、返還するという形で、出せたら、男が上がるんだろうけどな。ま、あのねずみ男では無理でしょうな。東京のトップが、政治家ではなく盗人だった。悲しいリーダーです。

世界有数の都市である東京。
もっと外国人に来てもらいたいと思うなら、こんな、せこいリーダーではどうしようもありませんな。例え、法に触れなくて、ほかの人たちもやっているとしても、もともと政治と金の問題に厳しく、クリーンを売りにしてきた人が、それを裏切ってはいけない。
近頃人相が悪くなりましたね。
いくら育ちが悪くても、それは言い訳にならないということです。
舛添都知事ならぬ、舛添ケチ事でしょうな。

2016/6/5 安堵の日

きっと日本中がホッとしたことでしょう。
北海道で、置き去りにされ、行方不明だった小学校2年生の大和君が無事保護されました。
土曜日から、見つかった金曜の朝までサバイバルしたわけですが、ほぼ1週間、自衛隊の演習宿舎に寝泊まりし、水だけで生き延びたようです。

捜索ではなく、たまたま用があってよった、自衛隊員に見つけられての保護であったわけですから、もしかしたらもっと長くなったかもしれません。運も強く、何より体が丈夫だったんだなと思いました。

連日報道され、警察、地元の山岳隊、さらに自衛隊も入れての大捜索にもかかわらず、一切の手がかりすら見つけられませんでした。それゆえ、最悪の事態が頭をよぎり、もしかしたら、誰かに連れ去られてるのではという、わずかな期待もありました。

置き去りにした時、追いかける我が子の姿が、今生の別れになったら、世間の批判はどれほどのものになったか計り知れず、何より、やってしまった後悔の念に、一生苦しめられるところでした。よかった。本当に良かったです。

今後のケアーはより慎重なものになると思いますが、発見当初の大和君は、とても落ち着いて、取り乱すこともなく、元気に近かったというから驚きです。そこから判断するに、こんなことになってしまいましたが、大和君は、両親から、とても大事に、ちゃんと育てられた強い子なのかもしれません。こんな経験をした子が将来どんな人になっていくのか、とても楽しみですね。最後に無事でよかったです。

2016/5/29 近すぎた非現実。

街中で芸能人やスポーツ有名選手と出会うとちょっとした騒ぎになったり、得した気持ちになったものです。それらの人たちは雲の上のような存在で手の届かない人たちであり、プライベートもわからない、謎多き人たちでした。

でも、近年、SNSやツイッターの普及に伴い、特に芸能人のアイドルに関しては、握手会や撮影会など、その距離が縮まったように思います。でも、縮まりすぎた。

以前にも、握手会でも傷害事件が発生しましたが、今度はついに意識不明の重体に。
先日アイドルがファンに何十か所も刺される事件が起こりました。
元々は熱狂的なファンだったらしいのですが、送ったプレゼントの扱いに腹を立て、可愛さあまって憎さ百倍のごとく、態度を豹変させていったとのこと。犯行直前の容疑者の書き込みが公表されましたが、それは僕が聞いても怖くなるほどの文面。本人はさぞかし怖かったでしょうね。こういうことが起きれば今後は、その対応を迫られるでしょうし、アイドル達も笑顔でいられなくなるでしょう。可愛そうなのは、ルールを守って、それを楽しみに生きてきた人達ですよ。通信の発達で、遠い存在が、近くになり、知りたい情報も得やすくなりました。でも、そこには、人としてのモラルがないと、こんな事が起き続けるのでしょうね。

文明の発達に、人間の心の成長が追い付いていない。
そんな現代人の弱点が浮き彫りになった、残念な事件です。彼女が無事に息を吹き返したとしても、体に傷が残るでしょうし、何より心の傷が深いことでしょう。憧れてなった職に裏切られた形になりましたが、それでも、彼女の無事と、今後も逞しく生きてくれることを望みます。　余談ですが、僕が携帯電話を持たないのは、こういうところにあるのですが、いまだ理解されないどころか、変態扱いです。仕方ないか…。

2016/5/22 サンドイッチ

僕は映画好きでありますが、食事が偏食であるように役者も作品も偏っています。
中でも、この人に死なれたら、映画への熱が冷めていくな、という役者さんは何人かいます。

その一人が、佐藤浩市さん。
横山さんの作品らしく、事件の解決というより警察内部の事情に重点を置き、恋愛やらお色気やらお笑いやら一切の無駄を省いた重厚な作品は、この春話題の64です。

まずは前編を観てきましたが、佐藤さんがかわいそうなほど、つらい。
上からはののしられ、下からは突き上げられ、記者とも戦い、家庭でも問題を抱えてる。ぼくなら人間をやめたくなるほどの重圧です。でもその主人公を演じる佐藤さんは、強くも、弱く、実に人間臭い。実生活ではつい、不幸なのは自分だけと思いがちですが、皆、それなりに、多くの問題を抱えているんだなと、改めて思わされます。男が中心の、白と黒の世界のような作品ですが、言うまでもなく面白かったです。

この作品の大きな魅力の一つに、役者の戦いがあります。
佐藤さんをはじめとするベテラン陣から中堅ところ、今後が期待される若手まで、まんべんなく出演し、それぞれが、ぶつかり合うように演じています。これだけの素材をそろえても、うまく仕上がらない監督もいる中で、今回はうまく料理されています。

後半は6月になるようですが、とても楽しみです。先日TBSで放送された、陰の季節シリーズも関連していました。視点は変わりますが、もっと男臭くなりました。

2016/5/15 僕の中のけんさん。

けんさんと言えば、高倉健さんでしょうが、僕の中では渡辺謙さんですね。

高倉健さんが活躍していたころの映画はあんまり観たことがなく、すごい役者だと分かっていますが、それは晩年の作品からでした。

それに対し、渡辺謙さんは、僕の映画好きに拍車をかけてくれた役者さんです。
謙さんの演じる人物は実に人間臭い。義理と意地を通した侍の強さや、若年性アルツハイマーの壊れていく弱さ。かっこよさや迫力を超えて、日常にいるような普通に人間臭い人、いつも魅力的に思います。

今回も素晴らしかった。
この映画が観たいがためにわざわざ電車、バスを乗り継いで、三郷まで行ったかいがありました。

追憶の森。
少ない役者、シンプルな話の筋、ややスローな展開。でも退屈どころが、舞台となる樹海同様、スケールの大きな話でした。自殺の名所である樹海。そこにある生と死のボーダーライン。死にに来たのに、生きることに必死になる主人公。自然から見れば、小さな一生物の葛藤を包み込み、襲い掛かります。生の世界から、死に向かうもの、そして実は、死の世界から、生を助もの。命の美しさが現れた傑作です。
先日のルームが子供の目線からの、世界は素晴らしいなら、こちらは大人の目線からの素晴らしいかもしれません。

もう一作は一転して小樂作品のスキャナー。
これも好きな役者である野村さんの作品でしたが、最初は、ちょっとヤベ～と思いました。でも進むにつれて、徐々に作品の世界へ。スキャニングすることによる事件の解決という話で終わらず、ラストには、涙なしではいられない作品です。人の届かなかった小さな願い。誤解ともいえる勝手な解釈による顛末。でもラストの、野村さんの人は美しいと言ったその言葉に、この作品の肝があるように思いました。今日観た作品は、偶然にも、思念というか、見えない思いがキーとなっていました。姿かたちは見れないけど、いつもそばにいるよ。ぼくも親父に会いたくなりました。

2016/5/8 怪物を作ったのは誰？

人間はもって生まれた気質というのものがあります。でも、その気質を呼び覚ましたり、もともとな人間に植え付けるのは、もしかすると本人の責任以外のところにあるのかも知れません。

例えば、金田一幸助シリーズの八墓村のモデルとなった、津山三十人殺し。（丑三つの村としても映画化されました。この作品は子供の頃だったし、今でも怖くて見ていません。）

岡山県の小さな村で、肺結核のため出征できずさらに村八分となった一人の青年が、村人を殺戮しまくるという事件です。もともと体が弱く、人との関わりも少なかったようですが、周りからの迫害がきっかけとなり、追い詰められた結果、爆発した怪物だという見方もあるようです。

なんか今回観た映画は、そんな感じの、北欧版でした。
獣は月夜に夢を見る。
美しき静かな北欧の漁師町で起こる、家族の秘密。獣化する病気で、世間から常に監視される状態。その病気は、やがて母から娘へ。自分の秘密に翻弄されながらも、必死に抵抗していきます。結局、追い詰められた彼女は、その能力で、復讐ともいえる攻撃をするのですが、でもこれはモンスターのホラー映画ではなく、人間社会の偏見とか、差別とかをこんな形で表しているのかなと思いました。短めの作品ですが、満足感はありました。見方によっては、ラブストーリーにも見え、主人公の女性はとても美しい。あとで調べて分かったことですが、彼女はこれがデビューというのだから、驚きの大演技でした。銀座の小さな劇場での公開でしたが、連休中ともあって、ほぼ満席でした。女性でも楽しめるなかなかの傑作です。よかったら是非。

2016/5/1 やさしい民族だと思う。

8日間の入院で蒸しタオルで体がふけたのが、1回、簡単な入浴が1回。
大やけどした時、3週間の安静で、入浴できなかった期間はひと月。この期間はもちろんアルコールは厳禁であり、その他、コーヒーが飲めなかったり、不自由があった。
それでも耐えられたのは、終わりが見えていたからでした。

熊本の地震は日々その被害の大きさが報道され、被災された方の厳しい現状が報道されています。ついにはエコノミー症候群の死者まで出てしまったことからも、耐え難い不自由さでしょう。

どこまでガンマンすればいいの？
出口が見えない不安と恐怖で、相当なストレスだと思います。それでも大きなパニックを起こさず、頑張ってる熊本の方々の姿を見るにつけ、日本人らしいと思います。

プロ野球を始め、熊本出身の方はもちろんのこと、同じ被災した東北の方々が、大きな声をあげて励ましている。なんて優しい民族何だろうと思いました。

新聞では、ボランティアの心得の一つに、被災者にむやみに頑張ってといってはいけないとありました。今ある状況に頑張ってという言葉は励みにならないのかもしれませんが、それでも遠く離れた非力な僕が、何かできるといえば、早い終息を願うことと、頑張れという言葉しか思い当たりません。風呂に入れない苦しさ、好きなものを食べれないつらさ、トイレがまともに使えないどうしようもなさ。少しは理解できるのですが、それだけに、同情すれば、苦しくなります。

どうぞ明るい未来がありますように。願いは一つです。

2016/4/24 子供から教わる物語

さすがに賞を取っただけのことはある、とても素晴らしい映画でした。
その名はルーム。

誘拐、監禁された母親と、その監禁部屋しか知らない5歳の少年。一つのきっけで、外の世界に飛び出していって、世界を知るストーリー。話は大きく2部に分かれ、監禁中の小さな世界と、その後の大きな世界が丁寧に描かれています。少年の心を表すナレーションを含め、少年目線の世界観は、いろんな驚きに包まれています。悲惨で不自由な監禁から、失われた時を取り戻すような再生の物語というだけでなく、もしかすると一般の我々でも見失っている、当たり前の幸せを感じさせてくれます。子供は弱く、愛らしく、そして逞しい。最初こそ外の世界におびえても、徐々に順応していく。それだけでなく、過去の物事すら、もう踏み台になってしまってるような成長ぶりは、生きることの素晴らしさを教えてくれます。子育てに悩むお母さんや、今の生活に疲れを感じる現代人にこそ、観てほしい映画でした。勇気が出ます、そして、今を感謝し、頑張ろうという気になる映画でした。

もう1本はスポットライト。
作品賞を受賞したほどの重厚な作品でした。へんに飾り付けがなく、事実に基づいて、取材する記者の奮闘ぶりを描いてました。娯楽作品ではないので、スリルもアクションもないため、どこか平面ですが、面白かったです。ルームは今年の中では今のところピカイチです。是非ご鑑賞を！！

熊本の方々の現在の状況は、とてもお気の毒に思います。
当然映画どころではないでしょうが、もし、機会ができることがあれば、ルームを観てほしいです。きっと、生きる力をもらえることと思います。

2016/4/17 僕のそばでは非現実、世界を見渡せば現実。

スーパーマンのような架空のキャラクターが出るわけでなく、どこかの星の物語でもない。
人が殺された後の謎解きでもなければ、呪いでもない。ぼくの周りでは起こりえない話なのに、どこかの街では起こってるかもしれない現実の切り取り。
そんな話も映画になるのだから、映画はとても面白いですね。

どちらも闇の中で、先の見えない霧の中の物語でしたが、面白かった。
ストーリーは何部かに区切られていて、その都度多少バックしますが、複雑な伏線もない、まっすぐな話でした。余命幾何もない一人の少女がいて、貧乏な父親が娘の願いをかなえようと金策してる時にたまたま出会った女性と関係を持ち、その不貞を理由に恐喝し、粛清される。まだ若い娘が、余命少ない白血病と言う不幸。娘の願いが叶えられない貧乏の不幸。恐喝で埋めようすれば、脅された人間のほうにありえない手段の不幸。それらの不幸を紡いで織りなす物語。
最初と最後に流れる日本人の歌と、アニメの魔法少女が何とも胸に突き刺さりましたね。正直楽しくはないですが、好きな人には好きかもしれない、マジカルガールでした。

もう1本は、ボーダーライン。
麻薬のシンジケートというと、アメリカ対南米の組織というのが定番ですが、今回もこんな感じ。ただ、きっと日本にいると非現実ですが、向こうではあるあるなのかもです。あまりテンポがよくなかったので、ちょっと瞑想に入りましたが、終わってみれば面白かったです。ここから何を学べばいいのか微妙ですが、日本はそうならなければいいなと願う次第です。どちらもお勧めはできませんが、面白い映画でした。

2016/4/10 どこに差があったのか？

年に何回ある特別な日。20日はMOVIXディ。
20日が休日の日は、とことん映画を見たいとそわそわします。
予定があったため今回は2本。

僕だけがいない街。
過去に何度も戻ることで、トラブルを回避する物語でしたが、過去を変えるたび、未来が変わる。よく練られた作品だなと思いました。でも、ここ最近よく思うのは、俳優さんも売り出し方もあるなと思いますね。NHKのドラマで、あまちゃんは観た方でした。その時の主演の女優さんは、なんかぱっととしてないのに、その時脇役だった有村架純さんは、よく出てる。CMのかぐや姫をはじめ、ドラマ、映画と引っ張りだこ。特にビリギャルはアカデミー賞にもノミネートされたほど評価が高かった。今回のこの映画でもヒロイン役でしたが、笑顔が魅力的な、実に良い女優さんでしたよ。役を選びすぎて、あまり露出しなかった方と、仕事を選ばずどんどん画面に出た方。どこにその差があったのでしょうね・・。

もう1本は女が眠る時。
ちょっと難解な、悪く言えば退屈な映画でした。MOZUの敵同士のコンビが、今度は微妙な関係でした。なんか配役が？ですかね。西島さんにしては情けない役でしたが、それならそれで、あのマッチョな肉体が矛盾してるような。もっと謎めいた、情けない人のほうがよかったのではと思いました。でもここでもいい味を出していたのが、リリーフランキーさんです。役者ではないのに、この方はうまい。ちょい役でも見事な存在感でした。

2016/4/3 闇の騎士と鉄の男の物語

アメリカの映画はとても面白いと思う観点がります。
ヒーローものなど、非現実の世界の話ですから、格闘シーン以外のディテールはそんなに必要ないと思うのですが、そこにこだわって、しかも丁寧に作ってある映画が、バットマンVSスーパーマンでした。

ウルトラマンが普段どんな生活をしていて、彼女がいるのかとか、気にはなりませんし、仮面ライダーの活動資金源はどこかなんてどうでもいい。
でも、スーパーマンの普段の生活と、プライベートのお付き合いから、バットマンの誕生秘話と実は資産家であること。もっと言うと、この作品では、スーパーマンが暴れまわったことで被害が出たことに対する裁判まで開こうというのだから、ヒーローものとはいえ、とても現実に近い感じでした。（違和感はあるものの、これはこれで楽しいものです）

悪のレックス・ルーサーも資産家で、異星人のスーパーマンを除けば、人間は金持ちの暴挙にしか見えなくもなかったですね。映画自体は、何となくのパターンで、そもそも人間がいくら鍛えたところで、スーパーマンには勝てるはずもなく、そこでおなじみの、クリプトナイトで弱らせて、痛めつける。いつの間にか戦いが共闘となり、悪を葬るという結局勧善懲悪な感じでした。好きな人にはたまらない映画ですし、内容も深くないので、肩を張らずに楽しめることと思います。（これならGWでもよかったのでは・・・）

　まったく別の話ですが、毎度思うのは、向こうの俳優さんは、どんな役でもこなすためなのか、みんなムキムキです。今回のバットマンのベン・アフレックさんも、そんなアクション俳優という印象はないですが、ムキムキでした。オファーの前の準備とか、役に応じても体作りは、プロフェッショナルだなと、感心させられます。

2016/3/27 らしさを貫く

先日、天才バカボンの実写版のドラマをやっていました。
大概は無理なキャラ設定でやや滑稽に思えるのですが、これはよかった。何となくあまり力が入ってない感じが、ドラマ全体を自然な感じにして、バカボンもパパもママも、普通に見れました。

アニメの時は、好んで見ていた作品ではないのですが、改めてみるとパパのバカバカしくも実直な姿や、本当にパパを理解、温かい目で見守っていたママの姿はとても感動的で、今のストレスの多い社会にあって、”これでいいのだ”という言葉は、癒しの言葉に思えたですね。

パパはパパらしく、それを貫いて生きていく。
なかなかできることではないですよ。（ただフリーターで二人の子供を養っているのだから、ママはどれだけやりくり上手なんだと思いますが…）もっと力を抜いて、正直に生きたらどうだといわれてるようでした。

一方で、先日観たヘイトフルエイトは凄まじかった。タランティーノやりたい放題の作品で、舞台は密室なので、設定では舞台でもできるのですが、映像は、映画ならではの、ど迫力。ぶっぱなす、血は飛び散る、血を吐き出すと、必要以上の生々しさが匂ってきます。とてもタランティーノらしい作品で、好きな人にはたまらないことでしょう。言葉回しも素晴らしく、きっと英語が分かればもっと面白いのでは。往年の常連俳優たちがくり広げたバトルロイヤルは、3時間ですが、飽きさせない内容でした。外の吹雪に静けさの白と、中の血みどろの赤が見事な対比となっていて、こんな吹雪の日に、こんなことが起こっていたとは・・・です。批判もありながらも、自分らしさを貫いた作品を作り続ける、すごい人だと思いました。

2016/3/20 未来を使いきった女。

何かと世間を騒がせていましたが、その陰では逮捕も秒読みと言われた女医がついに年貢の納め時です。

容疑者、脇坂英理子。
超肉食系の男好きで、金の使いっぷりも派手で一晩で何百万も使ったとよく豪語していました。ホスト遊びと、合コンを繰り返してるようなことを言っていたので、そんなに医者って儲かるのかと思っていましたが、それらはすべて張りぼて。医師免許を持つ、ただの詐欺師でした。

患者からだまし取ったわけではないようですが、保険請求を大幅に水増しして搾取していたとのこと。その支払われた保険料が、国民の懐から出てると考えれば、医者として絶対やってはいけない行為であり、世間への裏切り以外何物でもありませんな。

僕はよくお金は酒とよく似てると思っています。
酒自身の本質は変わらないのに、それを飲む人によって性質がプラスにもマイナスにもなる。適量を守れば百薬の長と言われるのに、飲みすぎれば中毒にも依存症にもなる。適量はその人の能力であって、もっと飲みたいと思うなら、飲める体にしなければならない。

お金も一緒のように思います。
適量を超えれば毒になる。自分の身の丈にあった収入で、生活を作り、余暇を楽しむ。
もっと欲しければ、自分の能力を上げるなり、技量を上げなければ、金の力で滅ぼされる。

昔から言われ続けてきたことですが、今回のこの1件は、そんな愚か者の所業でしょうね。
医師として、自分の能力にあった生活を続けてれば、安定した明るい未来があったことでしょう。今回の一件で、世間の信用を失った彼女は、いったいどうやって、償うのか？未来に稼ぐはずだったお金も、未来に築けていけたはずの信頼も、すべて今使い切ってしまった。あとは、残された乾いた、つらい道を進むだけでしょうね。逮捕の映像は、すっぴん姿で、37には見えない老婆のような姿でした。外面も内面も、全て嘘で固めた人間の本当の姿が、そこにあったように思いました。

2016/3/13 命の値段

この辺で大きな熱帯魚屋と言えば、町屋のトロピランドでしょう。
近所の人ともよくあったりしますし、僕も月に1度ぐらいの割合で行っています。
たくさんの綺麗な魚や、かわった種類を見るたびに欲しくなるのですが、もともと臆病な僕はつい死んだ時のことを考えて、ダメージが少ないような金額におさまってしまいます。

安いのは、20匹で1500円ぐらいのものから、上は万のものまで。
そこで売られている、魚の命の値段は様々ですね。

メダカなら、メダカ1匹1匹に対して、認識しているわけではないからか、減れば買えばいいといった、全体での認識でしかありません。でもよく考えると、メダカ1匹にも、失われたらもう取り戻せない命であり、仮に買ってきた太郎という名のメダカが死んだところで、新しく次郎を買ってきても、同じではないわけだ。（そんなことを言いだしたら、魚は買えないのだが…。）

命の尊さは皆同じで、売値の命の値段の上下は、単に人間がつけた価値観だということになりますね。

先日のニュースで、中学生の自殺が報道されました。何でも進路の問題だそうですが、それも手違いだったというのだ。どこにも悪意がないだけに、周りはやりきれない思いですね。これから世間は当事者の担任の先生を責め立てるのでしょうが、でも気の毒だ。

いくら将来に絶望したとはいえ、いくら難しい繊細な年頃とはいえ、自殺はないよなと思います。誰が教えるものだったのだろうか？両親か、先生か、先輩か。失われたら二度と戻らない命の尊さを知っていればこんなことには…。

無くなったから、買に行けばいいというわけでない。命の重さが、軽く思われてることに残念で仕方ありません。いったいどうしたらいいのでしょうね。答えは当分見つかりそうにありません。

2016/3/6 巨匠の描く世界

エイリアン、ブラックレイン、マッチスティック・メン。
僕はこの監督ととても肌が合う。

その名は、巨匠リドリー・スコット。
世間の評価に関係なく、巨匠の作る作品は面白い。

今回は、オデッセイ。
火星に残された一人の宇宙飛行士のサバイバルと、救出までのスリルあふれる物語。食料も足りない、次の救出までかなり先など、いろんな困難が横たわっていて、ともすると、恐怖を前面に押し出したパニック映画となるところでしたが、なぜか楽しい。サバイバルを楽しむかのようなポジティブで、それでいて科学的な展開です。だから人によっては、スリルが足りないとか、緊張感がないと思われがちですが、それは後半で一変します。いざ脱出を決めながらも、またしてもハプニングが襲い掛かりますが、最後は何とか救われますが、そのラストの何十分は緊張感たっぷりでありました。

宇宙は未知の領域であり、希望もある半面、多くは恐怖に包まれていると思います。それだけに、怖いところ一辺倒の表現にしなかった巨匠に僕はとても共感できました。

さらに言うと主演のマット・ディモンさんが素晴らしかった。
ぼくは、もともと彼の彼の役者としての表現法には、頭が下がるのですが、今回は、顔の表情もさることながら、肉体の表現がすごかった。こんなにすごい体してるんだという、見事な肉体を前半では披露するのですが、後半に行くにつれ、どんどん痩せていきます。脱出する際の、宇宙服に着替えるシーンでは、うそでしょ？と思うほど腕が細いのです。

役柄とはいえ、ここまでキャラを作り上げていく、その姿に、役者のすごさを感じました。毎度思うのですが、彼は、なぜそんなに、大げさな表情を出さないのに、ちゃんと心情が伝わるのか、本当に不思議な表現力を持ち合わせた天才だなと思います。

さすがに、アカデミー賞にノミネートされるだけのことはあります。
是非ご鑑賞ください。

2016/2/21 マイアカデミー賞

昨年もまあまあ映画が観れたようで、２０本、邦画が９本でした。

観たかったけど観れなかった映画が１０本以下なので、スケジュールがうまくいった一年でしたし、何よりはずれのない作品群でした。

逆に言うとどれもそれなりの作品で、抜き出たのがなかったようにも思いますが、作品賞は、文句なく、キングスマンでしたな。
あのテンポのいいアクションといい、バカバカしくも徹底した娯楽作品に仕上げたことといい、本当に楽しかった。こういうのが映画であり、映画館で観る作品なのだと思いましたな。

次点は海難１８９０。
実際の話の映画化とはいえ、いい感じで味付けされ、何よりそこに生きる日本人が美しかったです。当然主演男優賞は内野聖陽さんですね。これまで臨場のキャラの強さから、他のどの役も何となくしっくりこなかったですが、これははまった。よかったですね。

主演女優賞は、該当者なしでしょうか。
僕が観た映画では、あ！と思う人はいませんでした。ただ、これからが楽しみだなと思ったのは、ターミネーターの、ジェイソン・クラークさんですね。ハンガーゲームのジェニファー・ローレンスさんのように大きく羽ばたいてもらいたいですね。

進撃の巨人は日本もこんな作品が作れるのかと感心したし、テッド２は相変わらず下品で笑えた。ピクセルは何か懐かしかったですね。今回は洋画のほうがシェアしましたが、邦画も負けてませんでした。
映画は本当に素晴らしいです。今年も良き映画との出会いが楽しみです。

2016/2/14 a long time ago in a galaxy far far away

初めて見たのは、小学生の低学年でした。話の内容はちっともわからなかったが、その映像のすごさと幻想的なアクションで、一気に虜になりました。

この冬は、スターウォーズ。
あの当時、レーザーディスクの発売もあって、その映像の美しさを表現するにスターウォーズがあちらこちらで流れてたっけ。フォースという名の世の中に蔓延する力を中心に、善の面と暗黒面に分かれ、対決する。話の構造はシンプルなのですが、そこに家族のつながりや、一人の人間の贖罪など、人間らしさを盛り込まれて、他を圧倒する厚みのある物語になっております。今回のエピソード７フォースの覚醒も素晴らしかった。アクションも映像も、ふんだんに盛り込まれ、ものすごくパワーアップしてました。ただ、何となく、話の攻勢が、スターウォーズはターンといいましょうか、超スピードあるシーン、ライトセーバーによる対決、そして仲間の死など構成が似てるかな。それでも面白かったですよ。この作品に関しては僕がどうのこうのいう必要はありませんが、もし、一度も観たことない人がいるなら、是非エピソード４から観てください（俗に言いう公開順です）。余談ですが、先日久々にみたエピソード６では、映画館で観た時は、ラストシーンで、おじさんのアナキンなのですが、（ダースベイダー）、今では若き日のアナキン（ヘイデン・クリステンセン）なのでした。

2016/2/7 番長という名のブランド

渡辺、秋山、工藤、伊東、そして辻氏とかつての西武黄金時代を支えたメンバーは、皆、監督やコーチとして見事な実績を残しています。
それぞれの技術の高さもさることながら、野球に対する考え方や理論の深さ、そして、チーム全体を見渡しながら、選手をまとめ、育成していくのに優れていたという証拠でしょう。

それは当時の森監督の指導もあったでしょうが、個々の能力が抜きんでていた選手の集団であり、だからこそ強かったのでしょうね。でもその中にあって、異端児とされたのがいました。

高校時代は天才といわれ、その後の活躍を期待されたスラッガー。AK砲とも言われた、清原さんが逮捕されました。最悪の薬物中毒。正直、終わったな…という感じですね。

ここの所、この報道一色ですが、出てくる話は清原さんの突飛な行動とその裏に隠された小ささでした。清原さんといえば球界の番長とも言われ、男らしさの象徴のようなところがありました。豪快にプレーし、豪快に遊び、ルール無用で結果さえ残せば他人になにも言わせないような感じでした。

でも、実情は違った。清原という名の世間のイメージが先行してしまい、その清原ブランドに苦しめられていたようで、豪快な飲みっぷりもそんな自分との現実逃避だったのかも。それが、軌道修正できぬまま落ちて、覚せい剤。しくじりというにはぬるいような、急な坂が待っていたようですね。

かつての言葉に、”俺が清原でなかったら…。俺が野球選手でなかったら・・。”という弱音を吐いたこともあったとか。残念ですが気の毒ですね。離婚をし、子供と離れ離れになり、野球界からは声はかからず、タレント業も最近は少なかった。ますます自暴自棄になったのではと思います。実は、心の弱いやさしい人で、番長は、作り上げた仮の姿だったのかもしれません。

僕がチームを買うほどの金持ちだったら、1年でも監督をやってもらいたかったほどの魅力ある人でしたが、その夢は散りました。薬物は、これからが大変と聞きます。いつの日か、あの頃は大変でしたと言える日が来て、また元気な姿が見れるのを楽しみにしています。

2016/1/31 痛快　実に気持ちよかったです。

先日のサッカー日本代表の試合は、見事韓国を破っての優勝でした。

単なる優勝以上のスカッと感があるのは僕だけでしょうか？
正直、どのスポーツであってもこの国とやるのは、気持ちが悪い。必要以上の敵意をむき出しにしてくるところや、度を越したサポーターの行動、さらに言えば終わった後のコメントやパフォーマンスは何なんだと思う。

勝利インタビューの最中でも、竹島問題や慰安婦問題に言及したり、マウンドに国旗を刺したりと、目に余る行動をする。そういうのが国民受けするのか、そうするように教育を受けてるんだか知らないが、スポーツの真剣勝負の場に政治や社会問題を持ち込むのはいかがなものか？なんか、美しき男の闘が汚されたようで、たまらなく嫌でした。

だからこそ当たらないといいなと思うんですが、これがよく当たる。まったく因縁の対決ですよ。（どちらかといえば韓国側の一方的な熱を、仕方なく跳ね返すような感もしますが）

先に2点取られたときは万事休すと思ったでしょうが、まさかの逆転ですものね。
野球の借りを返したような勝ち方でした。実に痛快。

いろいろ言われた今回の代表だったようですが、これからが楽しみな、強い精神力の世代ですね。おめでとうございます。（と、ここまで書きましたが、実を言うと、前半の1点取られたところで、さっさと風呂に入り、しかも風呂で寝てしまったらしく、出てきたときは、後半ロスタイムでした。よって、リアルにみたのではなく、ダイジェストで見たわけで、僕がどきどきしたのは、早くロスタイム終われのカウントダウン中でした）

2016/1/17 ないと困るか。

先日、浅草消防団の初式が行われました。
消防庁の出初式のような派手なものではなく、昨年の公労を労う表彰やこの1年のスタートの決意を固める結団式のような形式ばったものです。

ぼくはこれが苦手で、正直眠い。
まだ表彰されればいいものの、ほとんど座ってるだけでなおかつ、スピーチも形通りのものが多い。ないわけにいかないかなとも思いますが、無いとなんか変なんでしょうな。

振りかえれば日本人はこういう礼に始まり礼に終わるような、セレモニーが習慣化してますよね。学校なら、入学式や卒業式だけでなく、始業式から終業式。運動会でも開会式から閉会式と、何かと始まりと終わりをきちんとするところがあります。

そのせいか、仲間内の飲み会でも、歓送迎会や退職祝いなんかでも、挨拶や乾杯の音頭を入れ、最後は3本で絞めたりする。こういうのが好きなんですな。
だから変わりばえのない挨拶や形だけの儀式でも、やらないとなんか落ち着かない。そんな感じがDNAに刻まれてるのでしょうね。

せめて短縮したり、アレンジがされるといいのだけど、そこは保守的にきちんとやる。
ま、日本人らしいといえば日本人らしいのですが、退屈ですね。
無いと変ですが…。

2016/1/10 妖怪ウオッチがほしい。

妖怪ウオッチの世界では、人は死んで妖怪になり、人間界に舞い戻ることもあるらしい。
しかし、その姿は見えないので奇妙な出来事が起きるとそれは妖怪のせいなんだそうな。
見えないはずの妖怪を見ることができるのが妖怪ウオッチの一つの機能なのだ。

今年も多くの有名人が亡くなられました。
この年の瀬に来てぐっと増した気もしますが、水木先生や野坂先生のようにある程度全うされた方はともかく、女優の川島さんや俳優の今井さんのようにこれからが楽しみだった形はさぞ残念だったことでしょう。（川島さんの最後のやせ細った姿や、今井さんのもう誰だかわからなくなったのはとても見ていてつらかった。あんな丈夫そうな人でもああなるのかと思うと、人の人生は分からないものです）

でもその人達も今は、妖怪になって帰ってきてるのかしら？
妖怪ウオッチが一日でも借りられるのなら、もしかするといるかもしれない親父に会いたいものです。年末に逝ったからそう思うのか、年の瀬という季節が人生の終末と重なるのか、そんなことを思います。

どんな妖怪になってるのでしょうね。
いつもピンチになると誰かが力を貸してくれたような、奇跡が起きて、危機一髪で乗り越えることが多いのですが、それもきっと…のせい？そうなのね。

2016/1/3 真心と信念の物語

一言で素晴らしかった。
その生きざまといい、それを映像化した作品といい、非の打ち所のない映画でした。

杉原千畝。
これまでも何度か、特集をくまれた偉人ですが、改めてみるとその行動のほとんどは、祖国を思ってのことなのですね。僕らの生活はこういう外交官の活躍で成り立ってるのだと思います。

たくさんのユダヤ人を助けた,命のビザの発行を中心に杉原さんの活躍を描いていますが、実は諜報活動にも長けていたのですよ。それだけに世界を見る目が鋭く、ドイツの動向から日本の敗戦を読んでいました。耳を傾けていたら、日本は失わずに済んだものがたくさんあったように思います。

杉原さんだけでなく登場するいろんな人が、困ってる人を助けたいという真心にあふれ、国の考えでなく、人としての信念に従い無茶を通す。平和を望むのはすべての人に共通する願いであり、生きようとする人の姿の前には、人種は関係ないと痛感させられます。

ユダヤ人は商売が上手で、優秀な頭脳の持ち主だと聞きます。
前に読んだ本ではアメリカの社会にも、重要な地位をユダヤ人が占めているため、イスラエルにアメリカは寛容なのだと。とすると、戦後ボロボロになった日本を、経済的にアメリカが助けた背景には、杉原さんの命のビザも影響していたのかもしれませんね。

先日放送された番組で、日本に来た外国人に日本に対する不満は何ですか？という質問をしたランキングがありました。英語力が弱いとかごみの分別が面倒など、たくさんの答えがありましたが、ダントツの１位は、特になしでした。

日本人の持つ礼儀の良さや優しさは、いま世界から評価される国になっています。
杉原さんが示した正しく、美しい道は、今の日本に続いているのでしょうね。

戦争の呪縛からやっと解き放たれ、杉原さんの功績が認められました。
僕は杉原さんのようなスケールの多きいことはできないけど、自分の仕事を正直に、そして審美眼で選んで生きていきたいとと思ったそんな映画でした。
新年のスタートを切るにふさわしい作品でした。

2003年のつぶやきはコチラ