店主の呟き

蕎麦酒房　てらさわ店主の私、寺沢仁志が不定期に呟きます。
日ごろ私が思ったり感じた事、体験談、意見等を呟く予定です。
これを読んで、あるいは、お店にて感じたことなど、なんでも結構です。
ご意見を頂けたら幸いです。

2003年のつぶやきはコチラ

2004年のつぶやきはコチラ

2005年のつぶやきはコチラ

2013/12/30 終わりなのか？始まりなのか？

どの世界にも最高位というものがあります。
相撲であれば横綱、茶道や踊りの世界では家元など。
噺家の世界では、真打がそれにあたります。しかし、この真打、はたして芸のゴールに近いのか、それともスタートなのかという事で議論がされた事がありました。
その議論は、議論で済まされず、協会の分裂という大騒ぎに発展したのですが・・・。（本によれば、問題はそれだけでなく、それを仕掛けた大悪人がいた模様です）

今現在の三遊亭円楽さんの師匠の師匠にあたる、三遊亭圓生さんは、落語協会の３代目の会長さんで、芸にとても厳しい方でした。その圓生さんは、真打とは芸の最終地点に近いものと考え、真打としてお客様に披露するからには、それなりの芸を修めた人がなるべきだと考えていました。よって、長く芸人を勤めても、なかなか真打になれない人が溢れ、力のあるものは、経歴の長い人を飛び越えて行く事がしばしばでした。

それゆえの協会への不満も渦巻いたとか。でも次に会長を務めた柳家小さんさんは、まったく逆の考え方をしました。真打は芸人として独り立ちするスタートで、今は未熟であっても、そこから生涯芸を磨いていくもんだと考えていました。渦巻いていた不満の解消もあってか、大量の真打昇進があったようですが、そのこともあって協会にいることに不満を持った人たちによる分裂騒動があり、今でも円楽一門が落語協会とは袂を分かってるのはそのためです。

僕はそのことを、お店の独立と重ねて考えることがあります。僕自身は小さんさんの考えで店を開きました。もちろんそのことを否定するわけではないのですが、近年オープンしていくお店に大丈夫かな？と思うことが多いですね。その店の未来に対して大きなお世話ですが、不安しか感じない。この不況だから、夢をみてなど、いろいろ理由があっても何かゆるい。店を開く事は金銭的にも精神的にも大変な事です。だからこそ続く店であって欲しいと願います。

2013/12/22 まるで導火線を見るようだ。

こういう映画は洋画ならではという感じがします。
サスペンススリラーという触れ込みでしたが、その内容はじっくり来るというより、まるでいつ爆発するかわからない導火線を見つめるような、時間の秒針の刻みが聞こえてくるアクションものでしたな。

タイトルは、ザ・コール。
日本で言う110番のようなオペレーションセンターが舞台で、普段は夫婦喧嘩だの些細な苦情の処理を行ってるのですが、ある日、連続殺人鬼に襲われた少女からの緊急連絡が入り、自体は一変に緊張します。少女は誘拐されどこかに車で運ばれているのですが、頼みの綱はつながった電話だけ。わずかな手がかりから、位置の特定を急ぎ、できる限りの痕跡を残そうと努力します。殺人鬼による死に恐怖しながらも、何とかあきらめずに戦わせようとする主人公の奮闘は、手に汗握ります。
とにかく時間が無い、早くしなきゃ早くしなきゃという痛いほども思いが、観る者の心を冷たく冷やし始めるのです。もし自分だったらどうしよう？それが被害者であっても、オペレーターであっても。内容は頭を使う必要が無く、シンプルで観るというよりともに体感してる感さえある映画です。
この迫力は、ＤＶＤでは惜しい。出来れば映画館で見て欲しい映画でした。

もう一つの清洲会議も面白かったです。
こんなに贅沢に役者を使っていいのかと思うほどのキャストでしたが、そこは三谷監督。
ごった煮にならずに見事調理していました。これまでの三谷ワールドからするとちょっと真面目かもしれませんが、戦国時代は刀を振る以外の戦いもあったのだなと思い、なるべくして秀吉が天下を取ったのだなと思いました。
時に現代語を使い、お茶目なキャラたちは、とてもおかしいです。
こちらも合わせてどうぞ！！

2013/12/15 ゆれる上下関係

この時期は、とても忙しいです。
仕事も新そばを迎えて、ちょっと熱を帯びたりしますし、意外とこの時期に新入社員の歓迎会を催すところもあります。休日には、消防団のイベントが目白押しで毎年の事でわかっているものの、なかなかきついですね。

消防団活動は、僕自身の気分転換でもあり、組織活動の勉強でもあり、心の修練でもあります。その活動はボランティアに近いもので、命令系統をスムーズにするため階級が決められておりますが、人間関係がはいってフラットに近いです。その人間関係は微妙であり、少し気を配るところではないかと僕は思っています。

雇用関係でなく、上司とか先輩とかのはっきりとした上下関係でないため、当然その関係は大きさの違う皿を積み重ねたような、微妙なものであり、バランスを互いに保とうとしなければ、綻びを見せるものであります。

消防団活動とはいえ、そこには経験によってなされた能力や技能が存在し、個々の差は入団年数や年齢とは別にあるものです。ですが、活動をスムーズにし、まとまりを持たせようと思えば、町会活動などの他の地域活動同様に、地位や年齢の上の人に対する敬意や言葉使いがなされなければなりません。相手を立てない人間は、自分も下の人間から立たされない。そんなゆれる人間関係があります。

とはいえ、現実は、そういう人間関係が最も苦手とする僕が続けられているのですから、居心地はいいものです。これからも、調子に乗りすぎずに立場を踏まえて、このバランスを保っていけるよう、気を配っていければいいでしょうな。

なんか僕の愚痴っぽくなりました。
ここの所、台風、突風、大雨、地震と天災が目立ちます。自分たちの街は自分たちで守るといった、街の熱が少しずつ起きてます。消防団への入団は、そういう助ける活動の一部です。これがすべてではありませんが、もし少しでも余裕のある方は検討してみてください。

2013/12/2 縁は奇なもの。

人の縁は不思議でありますが、人で無いものにも不思議な縁はあるものです。
僕はどういうわけか、読みたい本を買い込むことが多く、実際買わなくても買おうと思ったものはメモに欠いて残しております。よってリストに載った本は数知れず、買った本も買った事さえ忘れたものも多いですね。だから、たまに整理していてびっくりする事もしばしば。

今回観た映画、ルームメイトもそんな縁のある作品でした。
昔、同名の洋画を見たことがあり、その作品も若い女性の二人暮しに始まる異常行動の行方でしたので、似たような設定からあまり期待していませんでした。むしろそのリストが出てこなかったら観なかったかもしれませんが、これが縁なのだと思うのですが、観てよかった。面白かったです。よくある映画の” 意外な結末”という歌い文句も今回はなるほどです。

今をときめく、若き二人の女優が見せる輝きと裏腹に暗い雲が覆っていくようなダークな匂いが少しずつ作品を染め上げます。内容はホラーのような世界観ですが、観終わった後は人の生きることの複雑さ、人の様々な人生、そしてそれでも強く生きていく姿が暑苦しくないわずかな温かみで表現されてます。
年末年始のパワーある娯楽作品におされてますが、いい作品です。
縁があれば、どうぞ観てみて下さい。

2013/11/24 まなざしの向こう側

最近は、各局で刑事ドラマを作るようで、その切り口はとてもバラエティーですな。
ど派手だったり、暗かったり、熱かったり、クールだったり。この時期に放映されているドラマの中でも傑作は多いようで、クロコーチの長瀬君の演技はとても魅力的であります。

その中で僕的に一番気に入ってるのは、ＴＢＳの刑事のまなざしであります。
刑事ドラマでありながら、犯人探しとかその動機の解明やアリバイ崩しにこだわらず、むしろヒューマンドラマのような、事件に関わる人間たちの姿を映し出しています。事件を起こしてしまった人のその後、被害者たちの苦しみと許し、大切な人のためにかばい続けた人生。そんな匂いたつような人間像が見事に演出され、これまでのドラマとはまた一味違ったテイストで、楽しませてくれます。主役の椎名さんの悲しみを抱えながらも、暖かく事件の裏側を見つめ、独自の操作法で事件を解明していく、とても人間味溢れる刑事像であります。推理小説好きで、事件もののドラマも好きな僕としては、個性の強い刑事ではありませんが、とてもいい刑事だと思います。

ＴＢＳのこの枠は、かつては水戸黄門や大岡越前、最近ではハンチョウといった看板ドラマの枠ですが、僕はこの作品もそうなって欲しいと思うドラマです。
すこし寒くなってきた秋の夜長に、心温まるドラマをどうぞ。

2013/11/17 これぞ、メイクドラマだ

今年の日本シリーズはすごかった。
まったく予想のできないシリーズでしたな。

事前の予想では、絶対的に巨人有利で楽天はマー君便りではと思ったのですが、これが挑戦者の開き直りともいうべき、溌剌とした全員野球。マー君で地元で勝って閉めるというストーリーを描いていましたが、まさかの敗北。もうだめだと思いきや、最終戦は硬くなってたのは巨人のほうで、流れを渡さなかった。
これもマー君だけではないチームの力があったのでしょうな。

圧巻は美馬投手。
ＭＶＰに選ばれたようですが、実に堂々とした強心臓の持ち主ですな。あの場面であの投球ですからね。こんなすごい投手がいたのかと、驚かされましたね。（あとルーキーの則本投手もすごかった）打線も恐怖というほどの重量打線とは、思いませんでしたが、実際かなりの時間をかけて研究しミーティングを重ねるように、相手の弱点を鋭く突いて打線をつなぐ、地味だけど堅実な打線だったように思います。来年はマー君のメジャー入りも取りざたされています。でも、このチームならダルビッシュの去った日本ハムファイタースが、決して弱くならなかったように、強くあり続け、また新たなエースが誕生する事でしょうな。何より、高校野球でも届かなかった、悲願の栄光が東北に届いた事は、地元への誇りであり癒しであると思います。おめでとうございます。

2013/11/10 失望

この国は本当によく分からない。
経済面では自国の市場の大きさを加味し、世界戦略に打って出るグローバルな視点を持ちながら、政治に関しては隣国に対しても攻撃的で、良好な関係のために多少の妥協も仕方ないという考えも、一切持たない。一体どうしたいのかと、毎度考えさせられるのが韓国だ。

前回の大統領は日本よりで、就任当初は日韓の新しい関係を築きたいといっていたのに期待したが、結局、竹島に訪問するようになってしまった。あのときの初心はどこにいったのか？と、まったくの失望であります。
大体、こんな見え透いた人気取りのパフォーマンスが通じるのだろうか？
もしこれで支持率が上がるなら、韓国国民の意識の低さにますます失望であります。
今回の大統領もどこか反日的ですし。あの意固地に慰安婦問題にこだわるのはなんなんだろうか？逆にあのような事は本人からすれば恥だろうし、隠したい過去なのではと思うのだが。。

そもそも、あの国は何故もあんなに攻撃的なのだろう？
何かにつけて行う、スポーツの結末に、政治的訴えを行うパフォーマンス。正々堂々と戦った勝負を何故汚すのか？敗者へのいたわりのなさに人間性の低さを感じないのか？
ＷＢＣのマウンドへの国旗しかり、竹島の旗しかり、今回のサッカーの試合の横断幕しかりです。そもそもスポーツとは、国の代表であれ、その国境を越えて人間同士が互いの能力をぶつけ合うから感動なのに俗っぽいものを持ち込む事がなんとも粋ではない。

翌日の新聞にも書いてありましたが、あの行為は日本に対する攻撃であると同時に韓国国民のマナーの低さを露呈した形になりました。実際、国際的に活躍する韓国人が多い中で、自国民を傷つけている事に気がつかないなら、もうどうしようもないよな。
しかも、今だ日本に対し必要以上の敵対心をむき出しにして、進歩はないのかと思う。韓国といえば、北朝鮮と半島の上下で結びつき、その後ろには北朝鮮の親分ともいえる中国が控えている。この位置関係はどうみても危険な状態で、だからこそ、日本を始めその周辺諸国とはうまく付き合うべきではないかと思うのだが、そうではないのだな。

その一方で日本での韓流ブームの終わりに落胆し、日本からのツアー客の激減に政府へ文句を言う。これまでの態度が、このような事態を招いたと思わないのかな。
遠くない未来に半島そのものが大国に飲み込まれるような事態につながらなければいいと思う。

2013/11/3 誰がメロリンＱを議員にした？

タイトルのメロリンＱと聞いて、わかる人は皆中年ですな。
かつて一世を風靡したダンス甲子園の色物系ユニットで、体中に油を塗りたくって踊っていた、メロリンＱの中心人物こそ山本太郎氏であります。
その後役者に転向し、気がつけば議員へ。主義主張をとっても何がしたいのかさっぱりわからぬ輩ですが、ついにやってはいけないことをやらかしやがった。

先日の園遊会で天皇への直接の手紙。まったくもって最悪のモラルだ。
誰もが知っての通り天皇陛下は、日本のシンボルであり、かつての絶対権力者ではなく、よって政治や行政に関しては、ほとんどタッチしないとなっています。それなのにその陛下になぜ手紙？本人は、それをマスコミが取り上げるから大事になってるというけれど、それならカメラの無いところでやればいいもの。
明らかにカメラを意識しての行動。陛下を利用したパフォーマンスといっても、過言ではありませんな。コメンテーターの方々が言っていた様に、時代が時代なら重罪な行為であり、何も知らない平民でも愚かなことでありますが、それが国会議員となると目も当てられない。

はっきり言って誰がこんな馬鹿を自分達の代表とした国会に送り込んだのだと投票者に責任を感じますね。議員以前に一人の大人として正しい常識を持って、出直して欲しい。
そしてできる事なら、あの馬鹿をもう2度とＴＶにださないで欲しいと願う次第です。

2013/10/27 自分勝手な慈しみ。

武蔵でこりたので、ＮＨＫの連続ドラマは避けていましたが、評判だったので（主演の彼女は、カラスの親指で注目してました）あまちゃんを見ていました。面白かったです。
相当な社会現象を起こしたようで、放送終了による問題も出ているとか。

人の歴史をコミカルにつなげていくクドカンの見事な手法と現在の東北が抱える震災後のリアルな現実が見事に合わさりあって、とても感動的でしたね。でも、そこに描かれる世界はやはり人間中心の世界ですね。人は自然のなかに人間に都合のいい世界を作り上げました。だから人間社会において、害を及ぼす生物は忌み嫌われ、害の無くかわいい生物は好まれるようなそんな傾向が生物以外のなかにもたくさん存在します。
でも人もまた自然のなかにあれば、取り込まれる生き物の中の一つであり、自然の脅威の中にあっては、ひとたまりも無い存在なのですね。

現実の今年の出来事のなかにも、大雨があり、竜巻があり、地震がありました。
人は所詮、自然の前には太刀打ちできない、でも寄り添うあって生きていくしかない。そんなせりふや行動が随所にありましたね。
自然という大きな世界と人間の自分勝手な社会。それぞれは別世界ではなく、つながっているというより取り込まれている。自然と闘う海女さんの強い生き様が見事でしたね。

続編を望む声が多いようですが、僕もまたその一人です。観てみたいですね。

2013/10/13 ここそこにある、おもてなしの心

決して、日本至上主義者（この場合、祖国第一主義とでも言うべきか）ではないのですが、世界で日本人はどんなふうに見られてるのだろうということは気になり、関連本はよく読みますね。
そのなかの一つに載っていたエピソードを紹介します。
日本に来た外国人が親切にしてもらった事にえらく感動した話でした。

日本の撮影に来た映画スタッフが、休日の日に勇気を出して大阪の環状線に乗りました。しかし緊張していたためか、うっかり頭上の網棚にかばんを置いて降りてしまった。気がつけど間に合わず、無情にもその電車は発車してしまった。パニックになって騒いでいたところ、一人の駅員さんが片言の英語で対応してくれた。

その駅員さんが落ち着いてその降車位置を確認し、直ちに駅員室に誘導すると時刻表を片手に二つ先の駅に連絡。その駅の駅員さんが、すぐさまその電車に対応し、発見。その後、別方向の電車にバトンタッチ。ものの何十分で、本人の元にかばんは戻ってきたそうだ。
かばんが戻ってくる間、だされたお茶の渋さにも驚いたようですが、何より温かく対応してくれた事。何度も片言で、心配しなくていいですよと言ってくれた事がうれしかった・・・と。

迅速な対応もさておき、異国の地で忘れ物をしたことが、どんなに不安だろうと思いやった気持ちが素晴らしかったと、出かけたどの体験よりも興奮して話したそうです。

なんといい話だろうか。でも、日本人なら結構こういう体験は多いのではないだろうか。決してサービス産業でなくても、親切な体験は結構ある。それは日本人ならではの国民性なのかもしれない。

ちょっとした雑用のような仕事でも、相手の気持ちを考えたり、効率を考えたりする日本人。どこかの居酒屋ではないが、用事を頼んだとき聞こえてくる、よろこんで～が実は普通にあるのかもしれませんね。

2013/10/6 愛すべき脇役の皆様。

演劇においても笑いにおいても、やはり緊張と緩和は必要だと思います。ましてや、気持ちが絞られるようなヒリヒリとした話なら、なおのことです。
そういう意味では、このドラマは本当によくできてると感心しますね。
今回もドラマ半沢直樹の脇役についてです。

このドラマは、面白い事限りなしで、逆に面白いのと興奮するためか、日曜の夜では仕事に影響しそうで、録画してよい時間を見計らって観ています。不遇な主人公と権力を片手に横暴な上司という構造に第三者が加わる事で、よりリアルに、よりスリリングになっていますが、ここで見事な緩和。片岡愛之助さん演じるおねぇキャラは最高だ！！

金融庁のトップで、相当の切れ者でありながら、いやらしく粘着質に追い込んでいくそのキャラは、おかしく美しい。（北斗の拳のユダか・・。）しかも彼は、今は女形より立ち役が多いようなのだが、実にうまい。キャラの濃さはあるものの、いい具合に溶け込んでるのですな。

その一方で、香川照之さん悪役ぷりも素晴らしい。あの小さな体を大きく見せる、巨大な壁であり、何より憎らしいほど狡猾だ。坂の上の雲で見せた正岡子規と同じ俳優とは思えない演技ですね。

前回は上戸彩さんを取り上げましたが、このドラマは脇役のテイストがとても素晴らしい。展開もさることながら、あの味のある面々が見られることも楽しみであります。もちろん微笑みの貴公子も素晴らしいですね。

2013/9/29 人ってなんなのさ？

性善説とか性悪説とか言われますが、人ってなんなんだろうね。

今日もマラソン画鑑賞で、観た3作品の感想はこんな感じです。
共喰い、ＡＴＡＲＵ、凶悪。
邦画の3作品でしたが、この3作品で何人死んだの？と思えるダークな部分の多い作品群でした。ＡＴＡＲＵはともかくとして、残りの2つはとても暗かった。でもそこにあるのは、人間てそんなに綺麗じゃないよね？とか、思いとおりに行かないよねといった、リアルといってよいか分からぬほどの匂い立つ人間の姿でした。（ＡＴＡＲＵも障害者にも都合があるという感じでしたが・・・）
どの作品も、あまりお勧めできる楽しい作品ではありませんが、暑さが落ち着いてじっくり熟考する秋だとするなら、こんな作品もいいのではないかと思います。共喰いには、閉塞感のやるせなさが漂います。凶悪には目を覆いたくなるような残忍さのなかに、どこか他人事では済まされない何かがあります。
どちらも映画としてはいい作品ですので、興味をもたれた方は是非観てください。

2013/9/22 虎の威を借るその子虎

名家の家に生まれた大会社の御曹司など、産まれたときにある幸運というものはあるもんだなと、思っていました。
うちのように貧乏で何もない家には関係のない話ですが、それだけにうらやましくも思っていましたよ。でも、大人になってわかったことは、創業と守成といって、新しくつくる方が一見大変そうですが、実は今あるものを守る事のほうが難しい。いうならば、先祖代々からの財産を受け継ぐ事より、自分でやったほうが楽なのですな。
それは今の自分がそうなんですが、自分で始めたことゆえに引き際もやり方も自由。日々の営業にしても、結構気まぐれだったりもします。人間は自分の能力で稼いだ金額で生計を立て、身の丈にあった肩書きで生きるのが一番幸せだと思います。だからこそ、今は世に言う坊ちゃん、お譲様たちがいいとは思わないし、見えない苦労があるのだろうなと思うわけですな。

歌舞伎の世界にも名門ゆえに苦しんで、酒にはけ口を求め、警察沙汰になる人もいれば、親屋のコネで入社したものの、能力以上の職場になじめず、ゆがんだ人生を送る人もます。
今回も有名司会者のご子息が逮捕されたようですが、これも虎の威を借りた子虎（いやウサギぐらいだろうな）だったんでしょうね。
有名な女優だから、タレントだから、子育ても素晴らしいという事は無いようで、会社での無能さむき出しの横暴ならまだしも、薬に手を出してあっちとこっちを行ったり来たりなんてのもいますね。酒をたくさん飲みたいからといって、飲みすぎれば百薬の長が毒に変わるようにお金も地位もその人の能力以上は害にしかならないと思います。
それでも飲みたければ、日々の努力で飲める力をつけるしかありません。
人は生まれるのも一人なら、死ぬのも一人、どうつるもうが、どうつながろうが、裸の自分だけが頼りです。自分のあるがままの姿で今日も歩く人生はそれだけで充分ですね。

2013/9/15 老いて錆びる天賦の才。

先日、映画監督の宮崎監督が引退を発表されました。（正しくは長編アニメからだそうな）

世界人をとどろかす一人の天才の引き際に衝撃が走ったようですが、おそらく、僕のようにやっぱりと思った人は多いはず。
先日放送されたＮＨＫの宮崎監督特集のプロフェッショナルは、今回の作品完成までのドキュメンタリーでしたが、それはすごかった。以前にも宮崎監督特集はありましたが、今回はいつにもまして神経が張り詰めていました。楽しい皆作品の裏には、こんなにも大量のボツがあり、その中で正解を探していく作業は、まるで自分の命を削ってる様な激しさでした。
おそらくこれを観ていた人は、監督死ぬんじゃないかと思えるほどのどきどき感でしたね。もう監督も70を超えたようで、その身に負担をかけて皆の期待に答えられるような作品を作るには無理があり、また、スタッフの方がいっていましたが、やはり作品の鋭さが欠けてきてるということでした。天才も老いには勝てないのだと思います。

同じように先日、志村けんさんのコント番組をやっていました。もともとファンというほどではないのですが、そこそ笑えるものの、目新しさを感じる事は無く、正直途中で話の展開やオチが予想できるものばかりでした。
たまにやるバカ殿は、ちょっと面白いかなとも思いますが、いくら今のタレントや若い芸人を起用しても、もう色あせてますね。これも老いなのでしょうか？天才はその輝きが眩しかっただけに、凋落は残念です。きりのいいところで身を引く、これしかないのかもしれませんね。

2013/9/8 悲願が復興の力と変われば

まず一言、都知事お疲れ様でした。途中不幸が会ったからこそ、まさに悲願ですね。
本日は朝から、ありとあらゆる番組で予定を変更して、オリンピック一色であります。前知事の石原さんからの何年も取り組んだ願いであり、もう執念ともいえる挑戦でしたな。

僕は正直、どっちでもよかったし、むしろ都の予算を無駄使いしてやがるとさえ思っていました。でも去年のオリンピック後のパレードの盛り上がりや、今もなお終わらない東北の復興に向けての日本の希望と考えるとやったほうがいいのかなと思いましたね。

昨日はこの決定に向けて様々な番組が組まれていましたが、この決定にはなかなかいろんな事情が絡んでるんですね。
例えば、この次はフランスの記念と関わるため、次回は是非フランスでと思ってるため、ヨーロッパが続くのはまずいと日本に入れるだろうとか、次期会長がドイツ人が有力とされてるため、開催もヨーロッパではまずいのではとか、昔の植民地時代の名残から、南米はスペインを推すのではとか、アフリカは中国とのかかわりから日本を避けるのではなどなど・・・。
単に開催地の検分だけではない、いろんな駆け引きが存在し決まるのですね。それだけに、運やら流れもあるのでしょうね。

とりあえず決まってよかった。次の東京はどんな風に変わるのか、住民としては都民税が上がっても仕方ないと思えるほどの発展が楽しみです。

2013/9/1 これも１流の系譜かな？

よく夫婦がバラエティ番組に出たり、コメンテーターとして出たりしてますが、正直言ってイラッと来るときもあります。妙にリアクションが大きいというか、無理に明るく振舞ってる姿が、わざとらしく思えたりしますな。
でもドラマに出るとさすがです。プライベートでは母親であるにもかかわらず、母にも娘にもなる事ができる。しかも、特に演技に変化を加えてるようにも、姿に変化を与えてるようにも見えないのだが、自然体のいつもと代わらぬ彼女の姿が、母にも娘にも見えるんだからこれはすごい。やはり、父親譲りの名優の血は争えないと言ったところなのかと思う、三船美佳さんです。

血液から事件の真相を探る話では竹下景子さんの娘であり、西岡徳馬さんとでは娘の友達であった若い奥さんであります。この二つの役を演じてる彼女の姿にそれほど差はないように思えるのですがねぇ。女優としては素晴らしいですな。バラエティはともかく。

彼女はとてもいいことを言っていたことがあります。今やたらもてはやされてる美魔女を否定してるわけではないのですが、アンチエイジングには疑問だといっていた。それよりも自分は、かわいいおばあちゃんになりたいと。つまり、時の流れに抗う事ではなく、老いを素直に受け入れ、そのなかで自分らしく楽しもうという事らしい。
彼女は見ため以上に大物で、大人だと思いました。そして、世間からいろいろ面白がられても自分の好きな人と結婚したように、自分の価値観をしっかり持ってるのだろうなと思いました。

今は、あまり気合を入れて仕事をしてるように思えないので、もう少し落ち着いてからなのかもしれませんが、年齢を重ねた彼女が今後どのような演技を見せてくれるのか、もしかするとお父さんと同じようにもっと広い大きな世界に飛び出していくのか楽しみですね。

2013/8/24 また届かなかった夢。

今年も夏の甲子園が終わりました。
まったく予想していなかった決勝カードでありまして、それゆえトトカルチョが成り立つのだと思う、高校野球の難しさであります。僕的には準決勝の前の時点で決勝は東北の２校のどちらかに取らせたかったですね。
かつては西高東低といわれた高校野球も今では地域で差が出るという事はなくなってきました。それは残念名門というか、野球環境の整ってる施設のところに全国から選手が集まるというか、昔のようなその地域の子供たちだけで組織される事が少なくなり、甲子園常連高であればあるほどその傾向が強くあるように思います。
例えば山形県代表でも山形県民はスタメンにはいないということもあり、地元の住民はそれを知ってか、まったく応援していないという事もしばしば・・・。それでも地元に錦を飾れるとなれば違うのだろうと思い、悲願の優勝旗が東北にくればと思っていたのですけどね～。
優勝旗は、東北を越えて北海道にまでいってしまった今、雪国だから不利とか言えなくなってしまいました。復興が進んでいるとはいえ、まだまだ東北には暗い影があります。優勝旗はどんなに勇気を与えてくれたでしょうがねぇ。
古くは、青森の三沢高校。最近でもあと一歩までいった、同じく青森の光星学院。あと少し、いつか陸奥に優勝旗が来る夢がかないますように。

2013/8/18 理想の伴侶。

今話題のドラマ” 半沢直樹”は、とても面白いです。
銀行という特殊な職場で展開され、る本当にあるのだろうなと思わせるエピソードはとてもリアルで、男臭い。己の保身とプライドをかけた職場での戦争でそこには忠義もあれば風向きのいいほうに寝返る裏切りも存在し、内容はどろどろしてるのに痛快で爽やかです。
おそらく主演の堺雅人さんの力と思いますが、今回は微笑みの貴公子もほとんど笑う事は無く、苦しいまでに打ちのめされます。それだけに弱いものの抵抗といいましょうか、テーマにある１０倍返しのごとく、やり返すその様は痛快ですな。登場人物も素晴らしく、皆一様に癖があり、よくまとまっています。

そのなかでも特に魅力的なのは、半沢さんの奥様であります半沢花こと、上戸彩さんですね。銀行員の妻であることを意識しつつ、言う事は言い、常に逞しく励まし続ける。やや男っぽいサバサバした性格でありながら、優しさを忘れなく、可愛らしい。ピンチのときにこそ頼りになる存在です。このドラマを観ている多くの男性陣が、こんな奥さんいいなぁ～と思ったに違いありません。（それで顔もいいのだから、いうことないよな）それだけ上戸さんが、上手なのでしょう。実にこのドラマで、いい味を出しています。特にこのドラマの肝は、時間との戦いで危機迫る攻防が見物なのですが、これは観ている方もかなり緊張します。それだけに家庭に帰ったときの半沢さんのリラックスぶりは、このドラマの緊張の緩和であり、その世界を作り出してるのは上戸さんなのです。上戸さんのつくる緩和の世界は、観ている人間にもホッとさせるものがあり、それだけに次の場面への準備をさせます。とても重要で、いい緩衝材になってるように思います。（この意味で言うとＮＨＫで放送していました七つの会議は、緊張の連続でかなりしんどかったですね。面白かったですけど。）主役をサポートする役でも、実力者を置けば、見事に機能する。ウ～ん、半沢さんがうらやましいです。

2013/8/11 日本人の中に眠る思い

国の人間性は、時代とともに変化していくにもかかわらず、初めて受けた印象なのか、外国人に対するイメージというものは、意外と根強く固定されています。

これまでもハリウッドで作られた映画に出てくる日本人は、ひどいものでした。
近年ラストサムライなどで見られるように、ようやく違和感なく観れる日本人が少しづつ出てきましたが、本来そこが気になるようでは、日本人にとっては良い映画とはいえませんな。
でも今回観た映画は見事でした。その名は、終戦のエンペラー。

日本人の名優たちがたくさん出ていた事もありまして、その描き方に違和感が無かったどころか、この映画の肝である天皇とは？という主題に、日本人の僕も考えさせられました。内容は、終戦後の戦争責任は天皇にあるのか？という話ですが、戦争映画というより日本人のルーツや人間性を見直す（ハリウッドから見れば、もっと日本人を知るといったところか）感じでしょうか？日本人の心の奥底に流れている、道徳観や精神のようなものは、一つの宗教を基盤としたものではなく、古くは神道に始まり、忠義と誠を積み重ね、天皇を通じて何かに結びついています。

あの時代の日本人がどのような考えで戦争と向き合い、天皇は国民と向き合ったのか？
日本人の僕らも知るべきかもしれません。でも思うのはあの頃の日本人が持っていたものは、今は目に見えなくとも心の奥に流れてるように思うことです。

夏になると戦争映画、戦争ドラマは定番ですが、日本人が描いた戦争とは違って、外国人が描いた日本人の戦争は、また趣があるように思いました。意外と重苦しくなく、観れる映画です。
今日の劇場は年齢層が高かったですが、是非若い方にも観てもらいたい映画です。

2013/8/3 線路の上の天国と地獄

これは僕が子供の頃のことですが、水泳教室に通っていた帰り、総武線千駄ヶ谷駅で焦って乗ろうとしたあまり、電車とホームの間に挟まった事があります。
それを見た大人たちが、車掌に停止の指示を出し、何人かの大人の力で引き上げられ、難を脱しました。今でも、もしあの時電車が走っていたら・・と思うとぞっとします。

今回、これと同じことが起きました。
列車の間に落ちた女性をみんなで車両を押し、傾け、救出したとの事です。ネットで話題となり、世界中で大絶賛だそうな。素晴らしいですね。
その一方で、かつて、福知山線の脱線事故が起きました。プロフェッショナルでもあの事故で奥さんを失った、料理人の回がありましたね。

減速せずにカーブに突っ込んだための脱線であったようですが、またしてもこれと同じことが起きました。スペインでの高速鉄道の脱線事故。
その惨状は、福知山線の事故の再現のようです。悲しいのは、なぜ減速せずにカーブに入ったのか？まだはっきりしたわけではないようですが、定刻の遅れを取り戻すための焦りからのよう。何でもこの高速鉄道では、定刻に遅れれば送れるほど、運賃の返還が行われていたようですな。そう、これは人災なのではないのか？もちろん運転手だけを責められない、鉄道会社の背景がそこにあります。これはＪＲのときと一緒ですね。助け出されたのも人間の力なら、この事故を起こしたのも人間の力。そこには、天国と地獄がありました。
くしくもその日は、キリストのお祭りの日の近くでこのため中止となったというのだから、神様もひどい事をすると思ってしまう。

2013/7/27 これで安定してくれたら

予想通りで面白くも無い、選挙が終わりました。ま、選挙に面白さを求めるのは不謹慎か。
もともと民主党の支持でありましたが、今となってはアベノミクスのおかげという状態です。（個人的には安倍さんのような政治家は好きですが・・・）だからというわけではありませんが、この結果は正直ホッとしています。ねじれの解消は、物事がスムーズに進む事であり、それは暴走もありうるのですが、もうくだらない法案つぶしにはうんざりしていたのでね。
それと安定した政権をそろそろしないと・・だと思います。

外交的には、こんなにしょっちゅう首相が変わる国にどう考えても信用などあるわけが無く、それなりに色よい話がきていても、進まないよなぁ。もし自分に置き換えたら、年中社長が代わる酒問屋で、今だ内情はもめてる所とは仕事はしたくないもんだわね。
ＴＰＰや領土問題、これからの未来に向けて、世界の枠組みをつくっていく交渉や日本の内情が混乱してる間にちょっかい出された問題がごろごろしています。そのためにはまずは内部の沈静化であり、戦える準備であります。この結果が長期政権につながるような、良い政治に期待しつつ、未来が明るいものであったらと願います。

2013/7/21 平等の笑顔。

かつてグレゴリオ暦が一般化する前の日本は年に何回かしか休まなかったそうだ。
それゆえにケガレがおきるとハレの日を設けたわけだが、そのハレの日の行事のひとつである祭りやイベントは各地によくあるもんですね。
その祭りの映像をよく観てると最近よく映るのが、外人の方の参加の多さですな。地元の三社祭や鳥越祭りでもそうだけど、白人の方の担ぎ手は結構います。（これがまた、様になってるというより、おれなんかよりうまい！！）
実は今日も、近くの町会の夏祭りに消防団としてお手伝いに行ってきました。簡単なプールでの水遊びに今年も子供たちは大騒ぎでしたが、そのなかに黒人の血をひく子がいました。こんな小さな町会にも国際化の風が吹き抜けてるんだなと思いました。
彼の笑顔は、とてもきれいだった。そして子供の笑顔に国境はないのだなと思いましたね。

そもそも祭りは神事であり、今日のようなイベントも神事というほどでないにしても子供や地域の活性化のためのものですよね。文化や風習や宗教の違いが合っても、神のもとはすべて平等であり、そこにある笑顔には違いないのですよ。
世界には子供の未来のために頑張る日本人がします。子供の未来を大切にする事は、その国の未来を作る事だと信じて疑わない人々がいます。何もかも飛び越えて守らなければならない宝のような笑顔。その平等さこそ重要だともいますな。
くしくも今日は参議院選。議員が国の未来を開くすべてではないのですが、影響力のある職ですから、どうぞこの平等の笑顔の広がりにつながればと思います。

2013/7/15 実直である事こそグローバルかもしれない。

最近テレビ番組で、世界の日本人が取りあげられますね。
世界で見つけた日本食堂とか世界で単身赴任しているお父さんに会いに行く企画とか。
そのなかでも好きなのが、和風総本家の世界で見つけたメイドインジャパン。（豆助も最高！！）
ノーベル賞の食事会で使われる食器は新潟で作られたものだったり、弁当ブームで流行り始めた竹の弁当箱は静岡だったり。日本人の丁寧で高い技術は世界中で役に立ってる事を知るととても気分がよく、僕もまた頑張らねばと思う気持ちにさせてくれますな。でも、思うのは、なかには始めから世界戦略で作られたものもあるでしょうが、ほとんどは、そうではなかったのではないということです。
おそらく、使う人の使いやすさや機能性の追及の絶え間ぬ努力の結果がいつの間にか世界基準だったんじゃないのだろうか。
つまり売ろうと思う気持ちより、仕事に対し実直であった結果のように思うのです。

いまや世界はグローバル化が進み、商品がその国から世界へ飛び出していく事が多くなっています。そこに様々な戦略がある一方で、某国のような、売らんがための粗悪なまがい物が流通してるのも事実です。アニメであったり、漫画であったり、商品であったり、いまやジャパンクールといわれ、世界で評価を受けていますが、それらも日本人はただ一生懸命にいいものを作った。それが、え？世界でもうけるんだ・・みたいな感じなのかな。
控えめで欲が無いけど、いい仕事をする。そんなちょっとお人よしな感じが日本人らしいですね。

2013/6/30 サマンサに恋して。

昔見たドラマも自分が大人になって観てみるとまた違った魅力が見えるものですね。
先日、たまたま早く朝の仕込が終わってビデオの予約をしているとそのとき放映していたのが、奥様は魔女の再放送。
僕の子供の頃に観たコメディでしたが、いま自分が主人公と同じぐらいの年齢になって観てみると、サマンサはとても魅力的でありますな。服装や髪型は、やはり時代を感じますが（特に男性のポマードできっちり）、ドラマの内容はスローな展開でありながらサマンサのやや早口のテンポがうまく交じり合い、今観ても面白い。
日常にありがちな、ちょっとしたドタバタがほとんどですが、なかにはソフトに仕上がってるものの、魔女という立場に置き換えた、人種差別的なものもあったりします。（良かれと思って子供たちの遊びにちょっと魔法を使った事が、教育上良くないといって、裁判になりそうになったり）

この作品で一躍有名になった、サマンサのエリザベス・モンゴメリーさんは、このとき３０代で、１９９５年に６２歳でお亡くなりになってるから、今生きていれば８０歳といったとこですね。放映されたのも１９６４年から１９７２年という事なので、１９７１年生まれの私が観たのはすでに再放送というわけですね。サマンサは、どこか大人の色気を漂わせながらかわいさがあり、若き女性から熟女にいたる、その中間あたりの微妙なテイストが素晴らしく、またそれを支えてる吹き替えの方の声もまたあってるんだわな。
もう映像のなかでしか生きていない女優さんの魅力に恋しそうですよ。ちなみにこの作品ではその時代、日本中が憧れた偉大なるアメリカの優雅な生活風景が描かれていますが、そのなかで驚きなのが、サマンサが車の運転を練習した車を見るとそれはオートマチックなのだ。
僕の記憶では、僕が子供の頃乗せてもらった車で、マニュアル車以外の記憶は無い。その当時でも日本にもあったのかもしれないが、それほど普及してなかったのだろう。でもドラマの中ではオートマ。特別セレブな設定ではないから、これがアメリカの当時のスタンダードだったのかと思うと、日本との差は相当なものだったと思われます。
憧れるわな。その残りがギャル化につながっていくのかな・・・。

2013/6/22 おれは何に騙された？

推理小説であるミステリーは、大きく分けると三つの要素になるようだ。

誰が犯人なのか？という首謀者探しの一面。
なぜそうなったのか？という動機やそこに至るまでの一連の経過の一面。
そして、密室やアリバイ崩しなどのどのように行ったのか？という不可能犯罪の打破なである。

今回観た映画は、これらの要素を複雑に入り組ませて一言でいえば、いったい何が進行してるのか？という話。
タイトルは２流小説家、シリアリストであります。

猟奇的な殺人でありながらそこに芸術性を合わせるあたり、横溝先生の幽霊男のようでありますが、シリアルキラーのような殺人鬼というよりゆがんだ価値観に翻弄された人間の話といった感じでしょうか。武田さんの演技は、好き嫌いがあると思いますが、なかなかの異常っぷりで見ごたえありました。全体としてはちょっと拍子抜けなミステリーでしょうかね。（僕個人的には、上川さんが好きなのでやや満足です）

この映画の最大の罠は、ＴＶのＣＭでしょうな。ＣＭで散々だまされったと感想で言ったいた事が、先入観で刷り込まれ、観ながらもきっと僕の思いもよらない大きな罠が仕掛けられてるんだろうと思ったり、今僕が導き出した答えへの流れは、ミスディレクションされてるんだろうと思いましたが、そうではなかった。
つまり僕がなんでもない人物にも注視したことや、見えてる事象を裏返してみようと思ったことは、単なるとりこし苦労であり、そこまですることなかった。
僕も落ちかけましが何人かの鼾がシアター内に聞こえたのは期待ほどではなかったということなのかもしれません。

2013/6/15 英雄も同じ苦しみを持つものだ。

先日とても面白い番組をＮＨＫでやっていました。
国民栄誉賞の受賞を記念しての松井選手のホームランの軌跡。
第一部は、メジャーリーグでの全ホームランの記録。
第２部は引退後のロングインタビューでした。

前にも松井選手が言っていた事なのだが、松井選手のホームランへのこだわりは相当なもので、オフシーズンにはそのシーズン全ホームランを分析するらしい。よって、ホームランの映像を見れば、たちどころにいつ打ったホームランなのか分かるらしい。
それだけホームランにこだわった日本を代表するスラッガーでありますが、以外にもメジャーでの周りの評価は違い、ホームランばかりを狙ったパワーヒッターでなく、広角に打ち分けるクレバーなヒッターと思われていたらしい。
そして何より個人成績よりもチームの事を第１におき、なんとメジャー２年目以降満足なコンディションでなく、試合どころでないときもあったようだ。
手首を怪我した時も新聞の紙面に謝罪文が載った事は向こうでは驚きだったらしく、全力のプレーの結果なのに、なぜだろうと思われたらしい。それだけ常にチームのため、ファンのために頑張り続けたのが彼の姿勢であり、その姿こそが今も周りから尊敬され続けている事につながるのだそうだ。その松井選手もこんなことをこぼしていた。
野球という自分の好きな世界に飛び込んだとはいえ、楽しい時なんてほんの少しの一瞬でしかなく、ほとんどは悔しかったりつらい事が多かったと。
ん？それって僕らと一緒でないか。もちろん悩むレベルもプレッシャーもはるかに高いものでありますが、英雄も大変なんだなとちょっと共感しましたね。
野球をやめて３ヶ月。今は肉体的にも精神的にも楽になりましたといっていました。いずれ日本の球界において立派な指導者になってくれればと期待していますが、今はお疲れ様という感謝の気持ちとともに、海を渡った日本の侍があんなにも高く評価されたことに誇りに感じます。
松井選手ありがとうございました。

2013/6/9 僕は静かなほうがいい。

今年もＧＷが終わるとこの辺一帯は祭り週間に入りました。
祭囃子が聞こえ、神輿が担がれ、普段静かな街もこの時は人口が倍増しガヤつきます。
神様をのせて運ぶ神輿を激しく揺さぶる祭りですから、祭りとしては動の祭りなのでこの土地の神様は、賑やかなのがお好きなのでしょうが、僕は静かなのがいいな。
家の菩提寺もどちらかといえば動の宗派で、がやつく。個人的には、静の宗派か禅のような世界が好きなのですが。神様を祭るわけですから、賑やかであろうと厳かであろうと神事には変わりないわけで、そこには失礼があってはいけないと思うのだが、実際は大騒ぎにしか見えないかな。
もともと祭りは男性のみで行われていたり、中には女性が担げないところもあるようですね。そもそも届かないならわざわざ担がなくてもいいかもと思えたり、僕はあの半被姿の女性より、浴衣のほうが女性らしくて好きなんだけどね。あと男性でもあのケツがめくれ上がってるのはどうかとも思うし、飲んで担ぐのは神事なのに失礼ではないのかなとも思う。

ま、僕のような小さな人間が考えるより、神様はもっと大きな心で祝ってくれる人間たちを見守ってくれるのだろうけど。自分たちの住んで普段から守ってるこの町をどこから来たのか分からない余所者が、大きな顔で街を闊歩するのもしょうがないか。百歩譲って祭り中は仕方ないとしても、終わってもしばらく外で大騒ぎしてる事や翌日ゴミが散乱してるのはちょっと閉口です。
やっぱり僕は静かなほうがいいですね。

2013/6/2 我輩はちびである。

僕は昔から”ちび”です。
足はでかい方に入るような気もしていたので大きくなるかと思ったけど、その期待は裏切られました。小学生のとき、背の高い順に並ばされていたので、よくて三番目、時に一番前ということもありました。（前へ習え、がいやなんだよ。いないから・・・。）

僕の学校は、学年で2クラスしかなかったもんで、ちびの連中は常連であり、そのクラス分け次第では先頭がありえたので、僕的にはドキドキもんでしたね。

ちびはかわいいとも取れますが、もしこの人が大きかったらって思う、もったいない感がある人もいますよね。古くは、あおい輝彦さん。今では香川照之さんやＡＫＢの板野さんかな。
香川さんは、あの存在感のある俳優さんだから、あれで大きかったらどんなに迫力があったろうと思うし、板野さんも個性的な顔でセンスのある着こなしをされるから、あれで背があったら、もっとモデルとして活躍できたのではないだろうかと思ってしまいます。
でもちびであるにもかかわらず、大きく見せるから不思議だ。
香川さんは、背の大きな俳優さんと並ばなければ、小ささはわかりにくいほどの存在感を出しますもんね。あのシルベスタ・スタローンも、実は小さいしね。

また、小さいけど、大きな活躍をした野球の若松選手や青木選手、角界では舞の海関もすごかった。ちびでも、出来ない訳ではないといったとこでしょうか。子供の頃、地面を見るたびに近いなと思いました。大人になったら遠くなるのかな・・なんて思って、肩車されると何とかここまでになりたいなと思いました。
もうかなわぬ夢ですが、せめて175は欲しかったです。

2013/5/26 嫌われ者の矜持

僕はこの世に嫌いな場所は３つあります。高い所、暗い所、そして回る所。
だから、高かったり回ったりの絶叫マシーンなど、僕にとっては地獄であって、遊園地には成人してから無理やり連れていかれたのもいれても、５回は無いでしょうな。
当然、飛行機も嫌いで生きた心地はしませんね。（ここ１０年は乗ってないですよ）

自然は好きで、緑の多いところに行くとホッとしますが、やはり山はだめで、映画のクリフハンガーで恐怖を覚え、バーティカルリミットで駄目押しをされました。それだけに、今回の三浦雄一郎さんの偉業は素晴らしいと思います。

僕では、登るどころかその映像を見ただけでも気絶しそうなところに、８０歳で行ってしまうとは。しかも驚くべき事に何年か前、骨盤の骨折をしてるそうだから、さらに驚きです。（こう言ってはなんですが、年寄りの骨折は致命的で、それがきっかけに寝たきりになるケースは多いように思うからです）まさに、日本人の誇りですな。

実直に自分の愛した道をその命果てるまで追い続ける姿勢、丈夫な体に宿る健全な精神。そこにあるのは日本人の理想とする美しき姿に思います。
最近では柔道の不祥事が多いですが、武道を目指したその世界の達人が、実は精神がまったく疎かだったのを見ると道を究めるのは難しく、美しいと思います。
僕も、いろんな困難を抱えています。でも三浦さんの挑戦に比べるとまだまだやれる気がしてきました。おめでとうございますとともに、ありがとうございますですね。
ちなみに、東京タワーも苦手です。特に下が見えるガラスのところ・・。
スカイツリーも行く気は無いし、東京ディズニーランドにも行った事が無く、携帯電話も持たないから、世間から変態扱いなのでしょう。とほほ

2013/5/19 嫌われ者の矜持

先日ＴＶの番組で面白いランキングが放送されてました。
それは戦後の首相で最も評価が高かった人は誰というものでしたが、1位は吉田茂。全部で5人の中に、僕が現役を知ってる方では小泉さんと中曽根さんが入っていました。
なるほどと思う結果ですが、意外なのはこれから。これらの政治家の共通点はいずれも、就任当時の評価はひどかった事だそうです。特に吉田茂氏は、連日進やらマスコミに叩かれ、やれくわえタバコが品がないとか、態度が生意気だとかから、手法が強引とか言われたようだ。つまりは、本当にこの国の未来を考え、今のシステムを壊したり、作り変えようとする事は、大きな反撃との戦いだといえるのかもしれません。世論や民衆の支持に左右される事なく、自分の信じる政策を貫いた人だからこそ、大きなことをやってのけたのでしょうね。人気や、時代の潮流に乗っかって、たいした信念もなく首相になった人もいれば、充分な力も技量もあったのに、支持が足りなかった人も、いたかもしれません。大衆にいい顔をする事よりも、もっと先を見つめて、時に痛みを伴う決断も政治家には求められるのでしょうね。そう考えると民主主義ってなんだろうって思います。国民全員が参加し、自分たちのリーダーを決めるシステムは、平等で素晴らしいとも思いますが、それゆえに選挙権を持つ民衆の幅広い視野が必要になるでしょう。自分たちの国のことばかり、目先の生活の事ばかりの視点では、10年先20年先のこの国のあり方は見えてこないでしょう。
民意を反映するのは大事です。でも大衆迎合し、ビジョンを描けない政治は危険極まりない。今民衆から支持される大阪のあの方も、マスコミから嫌われる岩手のあの方も、選ぶのは民衆なのですが、責任を持ってよく考えて、選んでいかないといけないのでしょうね。

2013/5/12 北の町は気温は寒く心は熱く。

僕は邦画で脚本が繊細で遊び心に溢れ、全体的に様々なピースをつなぎ合わせて最後には一つに画になるようなモザイク画の様な作品が好きだ。
例えば、アフタースクールやキサラギ、最近ではカラスの親指といったところか。
そのなかの作品の一つで、前作ですっかりファンとなり、続編を楽しみにしてたのが探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点です。
前作に比べると若干落ちるかもしれませんが、周りの評価ほどで無く、僕は面白かった。ススキノを舞台としているせいか、冷たさが伝わる繁華街の中で繰り広げられるのは、アクション多めの熱き戦い。街の表と裏,人の表と裏。ギャグぽい明るさと人の人生の苦しさ。さまざまな対比が、この作品の奥行きを持たせて、それでいて決して子供向けで無い、大人の映画に押し上げています。
かなりの格闘シーンがあり、主演の大泉さんと松田さんの凸凹コンビの掛け合いからの笑いありなのですが、最後は泣けます。それも切なすぎる一人の人生に大泣きしました。（この最後に、胸を突くしっとり感を残すところが、前作に引き続きですね）
面白いですよ。是非観てください。

2013/5/4 そこにあるロマンかな

連休中だから一度はやってみたいと思っていましたが、やってみるとかなりつらかった。
奇跡的に観たい映画が朝から夕まで、ほとんどの隙間が無く４本つながりましたので、一日４本の映画を。ちょっと吐きそうでしたが、面白かった。

Ｌ．Ａギャングストーリー、船を編む、ラストスタンド、そしてリンカーン。
和洋折衷でアクションものと静かなものとバラエティに富んでいましたが、この４作品に共通していたのがロマンですかね。アンタッチャブルを思わせるギャングのボスとの抗争から、長い時間をかけての辞書の編纂。麻薬の王を追い詰めたローカルのおじさんたちと歴史上の政治家。そこにあるのは、どれも、不可能とも思える難しい問題に挑戦した、男たちの努力の過程で、これこそがロマンですな。立場、表現は違えどもどれも男らしく、観ていて面白かった。
もしかすると、映画とはそんなロマンを表現する場所かもしれませんね。
実を言えば、１週間前は観ようと思っていた映画は違っていました。でも前回の反省を活かし、人の意見に耳を傾けて変更してみれば、大当たりでした。ＧＷ中なので混んでいましたが、それでも観るに値する、充分に楽しめる作品でした。
特に一番地味な船を編むがお勧めです。
松田優作さんの遺伝子は半端じゃないと思えることでしょう。

2013/4/28 逆輸入のギャル

人間は誰でも変身願望はあるものです。
無口な人は明るい人に憧れ、地味な人は派手に生きたいと思う。でもリアルはなかなか変化するに難しくあきらめがちですが、もう一つの世界を作り上げる事によって成し遂げたりするように思います。

もともとは、外国人への憧れだったように思うのだが、今となっては普段の自分の脱皮の方法として、ギャルの存在があるのかな？そのギャルの存在も単なる文化というか、若き日の脱線というだけでなく、救いになる事もあるようだ。
先日観ていた番組で驚いたのですが、今逆輸入のギャル、つまり外人によるギャル化が流行ってるんだそうな。
僕のようなおじさんからいわせれば本末転倒のように思うのだが、そこは違うようで、本家本元の白人の女性から見ても日本人のギャルはかわいいようで、その姿をまねてみたいと思うらしい。（不思議だよな。わざわざデフォルメしなくても、金髪のギャルだろうに・・・？）

そのなかには黒人の女の子も。この子の理由はなかなか切実でした。自分は肌が黒い事がコンプレックスでいやでしょうがなかったらしい。でもそんなある日、日本でガングロのギャルが存在する事にとても感動し、そのかわいさから日本でギャル文化を学びたいと思ったそうだ。そしていつかはその文化を持って自国でギャルサークルを作りたいというのだな。決して直す事のない自分のコンプレックスを自信に換えた。その自信がその人の若き青春の日々にどれだけ助けになったかと思うとギャル文化も捨てたもんじゃないと思う。

日本の宗教でも文化でも何でも来いという風潮は、時に様々なものを飲み込む包容力を持ち、それによっていろんなこだわりを溶かす力になるのかもしれませんね。
人生は何がきっかけになるかわかりませんな。でも明るい人生バンザイです。

2013/4/21 またも世界を揺るがす力。

まったくもって許しがたい行為だ。
先日ボストンマラソンで、大規模な爆破テロが起きました。何人もの死傷者を出した模様で、現場は悲鳴と爆風に包まれたとか。
なんということだ。世界は平和よりも争いに満ちていたとしても、こんな場所を選んだ人間の気持ちは、とても許せないですね。そして、当然のようにその対策がこれからの大会で求められる事だろうから、来年の東京マラソンも変わるのかな？

こうして世界はわずかな馬鹿な人間の行為により揺るぎ、動かされていく。前にも世界を動かすのは、実はカリスマのある人間や権力のある人間ばかりではないと呟いた事がありましたが、またそうなってしまった。風邪が流行ればマスクを強要したり、うがい手洗いが勧められたりするのは仕方ない。しかしこんなことが起こる事でせっかくの楽しみが物々しい空気に包まれるのはとても悲しい事だ。この辺でも祭りの際にあまりにも多すぎる警官の警備や神社をバリケードで何重にも覆ってしまう事が起きたことがあります。安全第１とすれば正しい事なのですが、そもそもこんな時に何かをやらかそうなどという人間がいなければ、必要のないことなんです。そのため見学したり参加したりする人たちが自粛を求められたり、不自由を強いられるのは、つらい事だな。
マラソン大会は祭りと違って神事ではない。昔の日本の習慣で見ればマラソン大会も日常の”ケ”を離れた”ハレ”の日といえると思う。日常に疲れ（穢れ）ハレの日に禊を落とす。それこそが人の楽しみであり、大事な日なのに、そこを別の意味で汚す。神の怒りに触れる行為だと思います。

2013/4/14 今は便利な時代だと思う。

今でこそ読書は僕の趣味の一つでありますが、子供の頃は読書感想文の宿題でも出なかったら、読まない子供でした。だから、ギリシャ神話選んでえらい読むのに苦労したり、武者小路実篤の友情を読んだりして、子供に分かるはずのない世界のため、訳のわからん感想文になったりと・・・それはひどいもんでした。
もっと名作といわれた作品を読んでおけばと思うときがありますが、今は便利ですよ。

イーストプレス社から出されてる、マンガで読破の名作シリーズ。
蟹工船が出てたのをみて以来、月に２冊ずつ刊行されるシリーズを買って読んでいますが、これが結構分かりやすい。本作品をマンガにしたというよりも、本作品を読む上での補助的なものや、ガイドのようなダイジェスト版といった感じでしょうか。よって、本作品を読む前に読んでみて、これは面白そうだと思ってから、取り組んでちょうどいいと思います。

僕的には読解力が乏しい事から、武士道は良く分からなかった。
このマンガで読破を読みながら、本作品を読むとその人の解釈は入るものの大分わかりやすくなりました。死に至る病やそのほかの作品でも当てはまります。また、変身はこんなイメージがあるんだなと思いましたし、日本書紀や、カラマーゾフの兄弟のように神様や外国名の登場人物が出てくると誰が誰だがわからなくなるところですが（特にニックネームといいましょうか、省略形といいましょうか、マイケルがマイクとか言われると違う人物かしら？と思ったりもしました。）画になってるので、人物の認識がしやすかったですね。（それでも源氏物語は女性が分かりにくかった）空いた時間で、短時間で読める点や、酒を飲みながらでも読めないわけでもないところが素晴らしい。便利ですね。

2013/4/7 正々堂々

それほど楽しみではなかったのですが、振り返ってみればやはりオリンピックは面白い。
震災後のいろんな人の思いをのせてか、このまえのオリンピックはとても感動が多かったですね。僕的には、獲得した金メダルの個数などどうでもいいので、結果よりもその姿勢にこそ、美しさがあるように思いますね。
でもそれは、本当に真剣勝負であってこそ。競技には必ずついてまわるドーピング疑惑。発覚したら、あの勝負はなんだったの？流した涙を返せ！！となりますわな。
ここで誇るべきは、二桁以上メダルを獲得する国の中でこれまで一度もドーピングで引っかかった選手がいないのは日本だそうな。つまり、いつでも正々堂々。これは結果よりも、素晴らしいではありませんか。
武士道精神の国らしく、真っ向から勝負に臨む姿勢は、何より美しい。不正はその勝負を汚しますもんね。立派な事だと思います。自転車の世界では伝説であるアームストロング氏がそうなったのも残念です。

先日行われた、Ｗ杯予選のヨルダン戦なんてひどいものだ。
あの悪辣なスタジアムにことごとく重要な場面でのレーザーポインターでの邪魔。そこまでして勝ちたいのか？とさえ思います。
互いにフェアーで力と力がぶつかり合ってこその勝負であってこそ、その姿は美しい。その男の勝負に卑怯さが入る事は、互いの精神への冒涜であり、そんな礼儀の無さは、何より恥なのだと思います。
ならば、これは前に書いたかもしれませんが、いっそうの事ドーピングを使いまくった人類の限界オリンピックもやってみては。おそらく地下開催となる裏オリンピックになりますが、薬物の力を借りたり、必要以上に脳や筋肉を活性させた人はどこまでやれるのだろうか？死者も出るでしょうね。でも科学の力でどこまでできるのかを知るというのは、倫理に反しますが、見てみたい気もします。
馬鹿な話はさておき、結果よりもまず正々堂々と戦う日本人にこそ拍手喝采です。

2013/3/31 ＣＭの女王は静かに微笑む。

はじめ、この名を聞いてとてもゴツイ女性をイメージした人は多いと思う。
そもそもこんな苗字があることも知らなかったしね。
彼女の名は、剛力彩芽。
それまで剛力といえば格闘家でアームレスリングの帝王のゲーリ・グットリッジですわな。
ショートカットで笑顔がかわいい爽やかなイメージの彼女は、今やＣＭに引っ張りだこで、今のＣＭ女王は彼女ではないでしょうか。
ドラマでもややボーイッシュだったり、明るく元気な役が多いようにも思います。でもなかなか器用な方ですね。今放映中のビブリア古書堂の事件手帖は、まったく違う、内気な言葉少ない女性です。何より優れてるのは目の動き、首の動きで、様々な感情の変化を表現できている事です。名優がやる演技に比べたら、まだなのかもしれませんが、若手であそこまでできる方は、そうはいない。なかなかどうして、魅力があり、深みのある方だとわかりました。（まだ２０代なのにね）ドラマの内容も人が傷つかない、どこか透き通ったミステリーで、そこに名作のエピソードもプラスされ、６０分ドラマとしては充分に面白い。ドラマの展開も、彼女の今後の展開も楽しみです。

2013/3/24 小さな力を結集して。

僕は毎週ハム太郎を観るのが楽しみだ。
いい歳してと気持ち悪がられそうだが、あのかわいさと生きる姿勢が好きなのです。
ネズミでありながら互いの能力を尊重し、様々な困難にぶち当たろうとも小さな力を結集して乗り越えていく。その姿がとても感動で、ねずみにできてどうして人間にできないのかとさえ思ってしまう。いじめや自殺の耐えない人間社会も、少しはハム太郎に習ってはと・・・。

ま、ファンタジーの世界と現実は違うといわれそうだが、それでも僕はこういうのが大好きだ。今回観た映画もそんなファンタジーの傑作、オズ。
これまでのオズの魔法使いをあんまりよく知らないので、批判されてるコメントがまったく理解できなかったが、作品としては充分に面白かった。ここでも、およそ軍事力に程遠い人達による知恵と力の結集が、大きな魔力を退けるシーンは拍手並のアッパレでありました。ファンタジー好きの中学生から高校生たちに囲まれて楽しい上映でありました。ファンタジーは現実を美化した逃避ともいえますが、理想的な美しき未来ともいえます。魔法や摩訶不思議な生物たちはともかくとして、世界中がみんな仲良く平和な世界が現実になればと思いますな。

もう一つはプラチナデータ。
いわずと知れた、東野氏の作品です。ＳＦチックなミステリーです。これはこれで面白いでしたが、昼食に飲みすぎたためか、前半は爆睡でした。
よって感想は遠慮気味に面白かったです。

2013/3/17 それぞれの再スタート

生きることはつらくもあり、美しくもあり再び走り出すのに遅いということも無いのですね。
今回観た映画はそんな気持ちにさせてくれる映画でした。

今回は寝坊してしまった上に遠くのシネコンだったため、４本観るつもりが３本になってしまいました。
１本目はフライト。飛行機事故の話しかと思いきや、題材として飛行機事故を扱っただけで、誰にでも起こりうるトラブルとの向かい合い方の話でした。デンゼル・ワシントンの重厚で人間としてのどうしようもない弱さ、そして最後にはそれと向き合う勇気ある人物像の演技は、素晴らしかったです。娯楽というより社会派の作品でどこかあなたはどうなの？といった感じでした。

２本目はキャビン。
触れ込み通り、どこか異質なスリラーでしたが、それはそれで僕的には楽しかった。こういうのをＢ級映画というのかもしれませんが、コメントされてるほどひどくはなかったです。
でもこの２本でかなりお腹いっぱいで、しかも休憩時間がほぼ１０分で臨んだ３本目は草原の椅子。きっと寝てしまうなと思いましたが、（予告編がほぼ３本とも同じだったので、その時は寝ました）これがこれまでの疲れを押し流すほど、心を洗う素晴らしい作品でした。都会の小ささと、後半の自然の大きさの対比。少年の小さな心と中年たちの大きな心と思い。作品も人物像も実に立体的で幅がありました。そして何より、観た人にどこか共感する部分があり、もうちょっと頑張ろうかなと思わせられる力がありました。主役の少年の姿がかわいく、また不憫で、あの小さな胸にこれだけの重いものが乗っかってつぶれそうなところがつらかった。
みんないなくなっちゃうの？の一言は彼の境遇のすべてをあらわしてるように思いました。でもどんな世の中にも救いはある。そんな素敵な作品です。

周りを見渡せば老夫婦や、おばちゃん軍団が多くて、このシアターの平均年齢は高いなと思いましたが、それも納得です。老けるにはまだ早い。まだできる事がる。そして人生は捨てたもんじゃない。
この作品からはたくさんお言葉を頂きました。

2013/3/10 激闘

文字通り激しく戦うという意味ですが、目の当たりにするとそれは大興奮であります。
相撲で言うならば、土俵際まで追いつめられた力士が体勢を立て直し、土俵中央まで戻す、また追い詰められる、そして戻す、最後には何とか投げ勝つ、といったところでしょうか。

先日行われましたＷＢＣ第２ラウンドでの台湾戦は、そんな素晴らしい試合でした。
仕事中でしたので、途中抜け出してはちょっとだけ観て受けた印象では、日本は不利、これはだめかなという台湾ペースでした。改めてダイジェストで見ても、試合を支配していたのは、大半が台湾だったように思います。でもあの崖っぷちからの同点、そして最後には何とか奪い取った１点がすごかったですね。
最後まで台湾の反撃にあいながらも紙一重で勝利をものにした今回の日本もなかなかしぶとい、いいチームだと思いました。僕的には何より圧巻なのが、折れない心です。
前回の決勝での韓国戦でも９回に追いつかれた場面で、充分にさよならになってしまうピンチでした。でもそこを最小失点で切り抜けたダルビッシュ投手の精神力こそすごいと思ったのですが、今回も大量失点につながりかねないピンチがだいぶありましたね。そこを反撃を信じて、これ以上点をやらなかった投手陣はとても頼もしかったですな。
ここでも書きましたが、今回のＷＢＣは正直言ってどっちでもよかった。現に日本も出場するのか、最後までもめてましたものね。でもいざ始まってみると、今シーズンのコンディションを気にかけながらも、日の丸をしょって必死になってる選手の皆様にエールを送りたくなります。３連覇でなくていいから、どうぞ怪我なく疲労を残すことなく、頑張ってください。

2013/3/3 職業は変身。そして旅たちへのエール

自分が好きな人がいる。そんな人は、いつもその好きな自分で１日を過ごすのだろう。
自分を嫌いな人がいる。そんな人は、自分の理想を妄想する事が多いのだろう。
その中には、その妄想でしかなかった自分を別の場で作る人もいるように思います。
すなわち職業変身。
アイドルであれ、ホステスや風俗嬢であれ、芸名や源氏名を持つ人は、職業変身。
例えば普段は地味な女の子が派手な夜の蝶になったり、明るく元気な子になったりする。例えば本名山田明子さんが、店に立つときは栞さんになる。それは明子さんと栞さんがイコールではなく、この世には存在しない栞さんに明子さんが変身する事が仕事なのだ。よって、しおりさんにいくら恋しても、その人を手にする事はできない、なぜなら職業的に生み出された幻なのだから。
去年の事、実際はクラスでも目立たない心の小さな一人の少女が国民的アイドルグループのエースになった。特に秀でた才能があったわけではなかったようだが、普通の人が経験するであろう青春のいろいろを犠牲にして、夢を追い続けた。圧倒的な支持を受けながら、最も嫌われた存在であったらしいが、何よりそのグループを愛し続けた。笑顔を絶やさず強くあり続けたその姿は、まさに職業変身だったのでしょうな。

僕はＡＫＢの事もあまりよく知らず、読んでいる週刊誌による知識がほとんどですが、今回の卒業も、次に続く後輩たちの道標であり、次世代の才能の開花のための、決断でもあったらしいね。人気絶頂のグループのエースに君臨し続ければ得られた道よりも、困難な道を選んだ。失敗すれば、今以上に叩かれるもしれない、そんなリスクをかみ締め、かつての人気グループでも今現在芸能界で生き残ってる人はわずかという道の先頭にたって進みだした、その潔さに拍手です。僕がしなくても日本中が期待してると思うけど、これからの旅立ちにエールを送りたいです。頑張ってください。

2013/2/24 ダークヒーローの参上

日本にもこんな映画ができるのだなと思いました。
娯楽映画としてはアクションのすごさも光りましたが、ちょっとグロイ。よってお勧めではないけど、面白かった、”脳男”。
生田さんが、感情の無い殺人ロボットのような人物を演じたこの作品は、とても難しい役柄をやりきったもんだと思いました。この作品は、常に爆風と血の匂いのするダークな作品で、でも闇社会の話しというよりは、ヒーローもの？よってダークヒーローといった感じでしょうか。ダークマンのような復讐でなければ、ターミネーターのようなＳＦチックでもないのだが、このての部類に近いですかね。はっきり言って子供には見せられない、心の破綻した人たちが満載なので、気分は悪くなります。でも、これまでの刑事もののようなものからは一線を引きますね。内容はともかく、演ずる若き俳優たちの演技はとても素晴らしい。主演の生田さんはもちろんの事、青のヒミズコンビの二階堂さんと染谷君はなかなかすごい。ヒミズで世界から賞をもらっただけのことはありますな。でも、お勧めではありません。逆にお勧めは ”テッド”。くまのぬいぐるみに生命が宿って、おっさん化した、なんともブラックユーモアに富んだ作品でした。独特のアメリカンジョークと下品な言葉遣い満載で、こちらは笑えます。別の意味で子供に見せられませんが、こっちはお勧めです。

2013/2/17 地味だけど実力派。

独占とは行かなくても世の中は勢いのある集団や力のある集団がその業界を席巻して良くのものですね。
今の芸能界を観るとお笑いなら吉本興業、アイドルならＡＫＢとジャニーズの方々をよく見かけます。マルチな才能とＴＶ受けするビジュアルに寄るところも多いと思いますが、でもよく観るとうまい。とくにジャニーズのタレントの方々は皆それなりによくこなすなぁ～と思います。
特に最近すごいと思ってるのは、大野智さんです。あのグループの中では、一番地味で目立たない存在のように思いますが、最近の彼の役柄は実にバラエティですね。
ＣＭでちょっとお馬鹿な坊ちゃんの役をやってるかと思えば、”怪物くん”のような漫画キャラもこなす。さらに今再放映中の”鍵のかかった部屋”では、ちょっとミステリアスで寡黙なキャラもこなしている。それも脇に佐藤浩市というあの名優を持ってきても遜色ないですもんな。それだけ実力があるということでしょうな。正月のドラマで”もう誘拐なんてしない”では、コミカルで、テンポのいいどたばたでしたしね。どれも今人気のアイドルだから仕方ないと、目をつぶりたくなるような演技ではなく、何の違和感もなく観れるのだから素晴らしい限りです。
同じメンバーの桜井さんの、”謎解きはディナーのあとで”もよかったですしね。漢字は違えど、同じ名前の彼ですので、勝手な入れ込みですが、期待をしています。いったいどれだけの訓練を施されてるのかと、その教育にも興味がありますね。

2013/2/9 たまには人の話を聴かないとね。

僕は年間20本近くの映画作品を観ます。
しかしその裏で都合でいけなかった作品や候補に挙がったがはずした作品を入れると倍の50本近くになるでしょう。その判断基準は、なんと言おうと観ると決めたもの、観た人のコメントや映画好きのブログでの評価で決めるもの、話題性のある作品だが混みそうなのでやめたものに分けられます。
今回観た作品も、行くまでは”ストロベリーナイト””ライフオブパイ””つやの夜”にしようと思ってましたが、ストロベリーは観ると決めていたものの、残りの2つはコメントを見てかなりひどい事を書かれていたのでやめました。
（ストロベリーもコメントはあまり良くなかったでしたが・・。）
で、代わりに観たのが、”さよならドビュッシー”でしたが、これが大当たりでした。
観るまで興味がなかった作品でしたが、コメントも高評価なだけあって、素晴らしかった。ミステリーとしてもヒューマンドラマとして、素晴らしく全体的にすっきりとして美しい。何よりピアノが綺麗ですよ。正直言って、今日はこの作品が観れただけで充分楽しかったです。ただ残念なのは話題性が少ないのか宣伝が行き届いていないのか、席はまばらで数えるほど。僕としてはゆっくりできてよかったけど、もったいないですね。
主演の橋本愛さんの透明感のある、それでいて強く生きる様が、作品全体にもいきわたった素晴らしい作品です。是非観てください。
改めて思いますが、僕の映画を観る目もまだまだなと思いました。人の話も聴かないとねです。

2013/2/2 それでも頑張らなければいけないのか？

非常に残念な結果となりました。
アルジェリアの人質事件は、最悪の事態になってしまいました。

よく映画やドラマであるいは実際の事件を再現ドラマで、人質事件の救出作戦が映像化されたりしますが、そこでは救助部隊や何人かの犠牲が出ても、何とか人質の多くは助け出されるものです。
現場を知らない人間がとやかく言うものではないかもしれませんが、各国のメディアや新聞紙面で非難されてるように、今回の作戦は人命第一とは言いにくい、強引な作戦だったようにも思います。何も悪い事をしていない。それどころか、その国の発展のために、異国のしかも過酷な地で、汗水を流した方々が、恐怖に震えて臨終を迎えたなんて、そこに神の救いはあるのかとさえ思ってしまいます。僕の友達でも、外交官として、あるいは現地の駐在員として海外で活躍してる人が何人もいます。帰国して必ず言うのは、”やはり日本はいいよ” です。その言葉の裏に、現地での厳しい環境を伺い知れ、それでも頑張らなければいけないの？と聞き返します。一様に胸を張って、国のため会社のために誰かがやらなければいけないから、仕方ないよの答えが。
今後もこんなことがあっても、世界に飛び出していかなければならない日本人がいると思います。
どうかもうこのような悲劇が起きないことを臨むばかりです。また、今回の被害者の実名報道に関して、是か非かの問題もありました。僕はすべきだと思います。悲劇であれ、命をかけて異国の地でその生涯を全うした、英雄というより日本的に言えば侍であるのだから、その死は、悲しみであり誇りだと思うべきです。
今後、葬儀が会社主催で集団葬となるなら、是非政府関係しに参加し、被害者の方々の功績をたたえて欲しいと思っています。

2013/1/27 僕はなぜ書くのだろう？

一年の始まりと終わりは、とかく反省とか整理というものがつき物です。
何かに導かれるように、突然整理整頓をし始めたり、これまでの仕事を振り返ったり。（自営業なら、この時期に確定申告のための準備をするから、必然的に見直しますな）こうして、呟きを書き始めて何年になるのか知りませんが、これもよく続いてると思いますね。

そもそもなんで書き始めたんだろうなぁ～。決して、ブログのように考えの共有をしたかったのではなく、ましてや書くのが好きというわけでもありません。何がしたかったのか？振り返れば、自分を客観視したかったのだと思います。

若い頃から、僕は考えが偏っていると共に突進するところがあるといわれてきました。その自分の考えを具現化して、第3者として眺めてみる。そのときに足りないと思える部分を、本や他の人の考えを加えてフィードバックしてみる。その作業の一環だったように思います。
で、僕はどうなりたいのか？バランスのよい人間になりたかったのかと思ったりしますが、今はそれほどこれから先の自分像に固執していない。呟くという習慣だけが、そのまま残されてしまったのかな・・・。人生を80 年と考えるなら、僕は折り返し地点を回りました。
先日、友人が、年に1度の同窓会なら、あと20から30回ぐらいではないかといっていました。まだ長い人生かもしれませんが、少しづつあと何回の陰も見えつつあります。
たかが呟く習慣。
でも、これまでの事を振り返って、これからはどうすると思った今日この頃でした。

2013/1/20 金メダルの数で何が分かるのか？

去年を振り返って思い出すのは、やはりオリンピックでしたね。
オリンピックが始まると必ず掲載されるのが、各国の獲得メダル数の順位表です。しかも獲得メダルの総数でなく、なぜか金メダルの数で。
金メダルの数はいったい何を意味するのだろう？
かつては、スポーツの発展はその国の力の誇示だったのか、金メダル獲得にこだわり、国を挙げての強化となりました。今でも中国や韓国などではやってるのでしょうが・・・。
今も、そうなんだろうか？金メダルをたくさん取る国を尊敬できるだろうか？できないとは言わない。でも、漫画やアニメ等のサブカルチャーがあり、金融のグローバル化があり、様々な情報の自由化があって、国の評価が様々な形がある中で、国の力でつくられたサイボーグのような選手の功績にどこかさめた目で見ることがあってもおかしくないように思います。スポーツはあるべき姿に戻っては。

スポーツは健康のためや、競技そのものの競う面白さを教えてくれる楽しいものです。例えオリンピックの選手でも楽しんだらどうなんだろう。かつて、水泳で千葉選手が、メダルのために泳ぐのではなく、自分のために楽しんで泳ぐんだと発言し、物議をかもした事がありました。その言葉の真意が広がってか、今の水泳の選手は皆生き生きとし、選手団はとてもまとまりがあるように思うのです。（僕が高校のときは、水泳はほとんど、世界に太刀打ちできないほどだったように思います）そんないい関係を築いているスポーツは、結果を出してるように思うのです（今のサッカーや、ＷＢＣの野球とか）。
金メダルを取るのは、絶対命題なんていうしがらみを取ってあげたい。
柔道の選手を見てると可愛そうですよ。勝つためのプレーでなく、日本人らしいプレーでせっかくのオリンピックを楽しんだらどうでしょう。
体格やパワーでは未だ見劣りする日本人でも、競泳では結果を残せているように勝利をもたらしてくれるのでは。スポーツの本来ある姿で楽しんでプレーする姿は、発展した理想の国の姿でもあるように思います。国技だ、お家芸だ、それは結果を求める事でしか表現できないわけではない。僕はそう思うのです。

2013/1/13 名作は歌とともに。

やはり時代を超え、国境を越え、愛される名作は素晴らしい。
その作品は、言うまでもなく、レ・ミゼラブル。

そのほとんどの台詞が歌になっていて、ミュージカルをスクリーンに運んで迫力を持たせた感じでしょうか。登場する俳優の皆さんの歌のうまいこと。ラッセル・クロウやヒュー・ジャックマンは、どちらかといえばアクション俳優のイメージが強いですが、今回はシリアスで、驚くほど歌が上手い。さらに、この作品では、前半にしか登場しないのですが、アン・ハサウェイが、今までのような清潔でかわいいイメージの役から、汚れ役といいましょうか、翻弄されながらも必死に生きる役を演じていまして、これがとても魅力的です。個々の登場人物を丁寧に、そしてそれなりに深く描いているので、それぞれの人生のオムニバスがそこにあり、それが上手くまとまっています。 3時間の長作ですが、泣けるシーンが満載で、観る人に愛とは何か人が生きるとはなにかを問いかけてきます。はやくもアカデミー賞候補の触れ込み通り、入場料を倍払ってもいい作品でした。もう一つはホビット。こっちも3時間でしたが、面白かった。アバターのとき同様に、映像美がこれからの代表となると言われた通りでしたね。内容は、ロードオブザリング同様、勧善懲悪の分かりやすい内容ですが（いや、ちょっと複雑かな）、スピードがあり、カメラはぐるぐる回り、吸い込まれる立体さは一見の価値ありです。ぼくは２Ｄでしたが、充分楽しめました。この年末年始は、豊作です。寒いので、映画でも是非。

2013/1/1 マイアカデミー賞2013

今年もこの時期が来ましたが、去年一年は合計23本と結構観ました。
しかも5月から8月まで忙しかったのもありますが、なぜか行きたくなかったスランプのような時期もあってですから、あれがなかったら、いったい何本行ったのか？
去年観た中で傑作だと思ったのは邦画が多いですが、印象に残ったのは洋画でした。

振り返れば、さすがに洋画もすごいでしたね。
この23本の中で今年の作品賞は正直迷いました。
山本五十六も素晴らしかったし、ランナウェイも麒麟の翼もよかった。何より北のカナリアたちも素晴らしかったのですが、ここはあえて”カラスの親指”。
先に上げた作品は重く、内容も濃く、どれも今年の代表作ではあるのですが、暗い。今の混乱した世の中には、カラスの親指のような痛快で、明るくしかも登場人物たちのたくましさが必用に思いました。作品が観る側に仕掛けた大きな罠は、観終わった後の楽しさに変わったし、なんともいえない心が晴れ渡る気がしました。来年こそはいい年でありますように！！

そんな希望を明日につないでいく感じが、去年の一番ではないかと思います。主演男優賞は、ライアン・ゴズリング。ドライヴで見せた演技は、特に力が入ったわけでなく、自然体だったのですけど、作品とのフィット感は素晴らしかったです。作品が彼にあったのか、彼が作品の空気にあわせたのか、まるでパズルのピースがはまった感じがしましたね。
女優賞はメリル・ストリープです。言うまでもなくサッチャーは素晴らしい。演ずるとは真似る事ではなく、近づける事なのかしら？そんな疑問を抱かせてくれました。そっくりならいい演技ではない。かといって個人の主張が入りすぎると鼻につく。演ずるとはとても難しい。その手本のような演技を、ベテラン女優が演じてくれたように思います。

今回も生意気な事を言いましたが、映画はやはり素晴らしいです。