店主の呟き

蕎麦酒房　てらさわ店主の私、寺沢仁志が不定期に呟きます。
日ごろ私が思ったり感じた事、体験談、意見交換等を、呟く予定です。
これを読んで、あるいは、お店にて感じたことなど、なんでも結構です。ご意見を頂けたら幸いです。

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2005/12/25 振り返るにはまだ早い・・・。

早いもので、今年もあと1週間となりました。しかし年々、一年という月日が早くなりますな。高校の時は、寝てばかりだったから、学校のときは早く、夏休みなどは、バイトでもなければ長く感じ、大学は、早く終わらないかと思っていたのでものすごく長かったが、働き始めたら早いものだ。サラリーマンのときより数段早く感じ、今日は一年に一度の古い友人との忘年会だが、それもついこの間のようだ。今年もいろいろな一年でした。円龍さんの本やソバリエさんの本、地下鉄のフリーペーパーから、全国発売の雑誌”おとなの週末”までさまざまな本に載せていただき、そこからの新しい出会いが数多くありました。特にソバリエさんにはたくさんおいでいただき、評価をいただきました。〔僕は冷や冷やもんでしたよ〕今年は、夏がものすごく暑く、冬は今ものすごく寒いせいか、少しずつ、昔の定石が狂い混乱してきているように思います。蕎麦屋の売り上げでは、夏が良く秋にやや落ち込み、12月でまた伸びるとか、週の頭とけつがいいなどのこれまでと違い、まったく数字が読みにくくなっています。もともと蕎麦屋は水物なんだそうですが、組合に聞けば他の業種でも同じようなことが起きているようです。もしかするとそれだけ、社会そのものが混乱しているのかもしれません。僕ら３０代といえば、まだ給料そこそこでも、責任ある現場をリードしてバリバリいく世代です。そうして実績を積み重ねて、登りつめてある程度の年齢になって、長として君臨するといったのがこれまでの成功者でしたが、今では30代あるいは20代で何億もの金を手にするものも現れてきました。数字がすべてに先行することで、まじめにあくせくすることが、ともすると馬鹿らしくなるようなところもあります。自分を見失って混乱してしまうのかもしれませんね。３０代といえば、長い人生でいえば、まだ過程に過ぎません。松山千春さんの大空と大地の中でを苦しいときには口ずさみ、振り返るにはまだ若いと心に刻む今年このごろです。

2005/12/18 いらち？

いらちとは、関西弁でいらいらしている人のことで、せっかちをさします。常にいらいらしているとは、なんか情緒不安定のような、また短気のようなイメージで悪い感じがしますが、結構いらちであることは、大事なこともあるようだ。たとえば噺家では、いらちであるがために、先にだれてしまうのだが、それゆえに一般のお客さんの感覚より先に感知し、それに対処ができるということで、人より面白いことが言えるのだそうな。普通に他の人と同じタイミングでだれていたのでは面白いことなどいえないのだね。よく釣りなんかも短気の人のほうが上達するといわれていますが、落ち着いてやるほうがいいと思われる蕎麦打ちも僕はいらちのほうがいいと思いますな。生地の渇きを減らすということもありますが、やはり蕎麦はスピードですよ。〔趣味の場合は別かな〕さっさと終わらすその勢いが蕎麦に移ってこそ勢いのある蕎麦になり、それこそ勢いよく口に吸い込まれていく粋なそばなのだ。〔今日の蕎麦は勢いがあるねといわれたことが、それはどんな蕎麦かというと口では説明にくいです〕そういう蕎麦を打つと営業時間も早いような気がしますね。うちは、蕎麦屋としては時間のかかるそばやですが、蕎麦屋に食事に来るお客様の多くはいらちの方〔いや単に時間のない方かもしれない〕のようですので、そのほうがよいのでしょう。まあ、もともと僕も短気で、待つのが嫌いないらちですがな。

2005/12/11 心は体を支配し、体は心を支配する。

実は私は知る人ぞ知るアドリブの利かない、機転の利かない男なのです。昼の営業時などオーダーがわっとたまったりするのを何とかこなしているように思いますが、実は、あれも、あらかじめ自分の頭の中でシュミレーションした調理順序のパターンがいくつかあって、それを組み合わせているのですが、時にそれに当てはまらないときや、元来のアドリブの利かないの資質が出るとかなりあせります。そんなときは、とりあえず鼻歌を歌って心を落ち着かせます。そんな場合ではないだろうと思われますが、実はとても効果があるのです。人間の心と行動は密接で、自信にあふれ気持ちが充実しているときは、胸を張って歩いたり、気分がいいと鼻歌が出たりするもんですよね。逆に心配事があるとどことなく背中が丸まっているような感じになります。心の状態は体に現れますが、これをうまく利用すると心をコントロールできるのです。落ち込んでいるときに、わざと道の真ん中を胸を張って大またで歩けば、どことなく自信がでてきますし、鼻歌を歌えば落ち着いたり、テンションがあがってきます。よく制服に着替えたり、男の人ならネクタイを締めると、気持ちが引き締まりプライベートからお仕事モードに変わるというのと同じようなもんですね。体もまた心を支配しているのです。お店が混んでいる時にカウンターに座れば、厨房内で僕が怒鳴っていることや、激しく仕事しているときがあるでしょうが、鼻歌を歌っていたら、決して余裕のあるときではなく、余裕を作り出している時なのですよ。いやはや面目ない。

2005/12/4 当店のもう一人の職人。

単純に見えることほど実は奥が深く、思い描く像と実像を近づけるのは意外と大変だったりするもんだ。当店には、2人の職人がおり、蕎麦を打つ職人が私なら、もう一人あることに夢中になって、極めようとしている職人（というかどうか？）がいます。それは蕎麦湯作りの職人、当店のお父さんで親しまれている我が父であります。ご存知のように、蕎麦湯は、茹でないと取れないため、最初のうちは、あらかじめつくった蕎麦湯が必要になります。最近の流行では、ポタージュのような妙にどろっとしたものが好まれているようですが、当店ではそこまでやらないものの、そば粉をざるに取り湯桶の中でといて、濃いめの蕎麦湯をつくるのです。単純に見えますが、実は、これがなかなか難しいようです。〔実は私はしたことがない〕無駄なくつくりながら、濃さを調整していくのだが、父もかれこれ5年以上やっているが、簡単にピタリとはいかないらしい。時に、周りを気にせずむきになってやっていますよ。寺沢家は両祖父とも職人のうちで、父方の祖父は銘木の職人でした。父も、昔はその仕事を手伝い、漆を扱ったりしていたようだ。どこかに今でも職人の頑固さみたいなものが残っていて、一つの事に夢中になると、とことんやっていますよ。地味ですが、実は、当店の蕎麦湯はそんな努力の結晶です。いつの日か、蕎麦湯のうまい店として、取材でもあれば出てみたいといっていましたが、多分そんなマニアックな特集はないと思うので、もしこれを読まれた方で、今日の蕎麦湯がうまいと思える日があったら、伝えてあげてくださいな。当店のもう一人の職人に・・・。

2005/11/28 信用は無形の財産。

信用は無形の財産。この言葉は、中学のとき最後の担任だった杉江先生がくれた言葉ですが、この言葉は生きていくうえでとても重いものだとつくづく感じますな。社会人に成った時はもちろんのこと、自営業者になってみれば、その重さはひとしおですよ。仕事の基本は結果のよさであることに他なりませんが、それは味や、デザイン性といった表の部分とともに、ある種あたり前と思われがちな安全性がなければなりません。いくらうまいものでも、寄生虫にかかる可能性のあるものや、量や条件によって毒となるものを提供するようではいい料理屋といえないように、いくらでデザインがよくて安くても倒壊の恐れのある建物を売ってはいけないですよ。ついこの間は、食品のラベルの張替えや、人気の焼酎のごまかしがあったと思えば、欠陥住宅、リフォーム詐欺、そして今回と、人の信用を打ち砕くことが続いてやまないというのはどうしてなんでしょうね。お金を儲けたい、仕事をこなさないと食べていけないなどの利用があったとしても、本来はよい仕事のあとに、それなりの報酬がついてくるのを、手元をおざなりにして上ばっかり見ているような気がしますな。日本人は物造りにおいては、抜群の器用さを発揮し、今でもワールドカップに使用されるホイッスルを下町の小さな工場が作っていたり、ウエットスーツでは世界ナンバー1のシェアをもっている会社もある。建築でも、あの耐震技術というものは日本が他の追随を許さないのだそうだね。ああ、それなのに、それなのに・・・。家を買うのは庶民の夢です。また再びその夢が輝くように、信用が取り戻される日が来るのを望みます。

2005/11/20 ボジョレーヌーボが解禁だ。

先日ボジョレーヌーボが解禁となり、巷ではあっちこっちに出回っておりますな。これも一種の祭りみたいなもんだと思いますが、今年は暑かったのと霜がよく降りたとかで、出来がよいようですね。このボジョレーヌーボを祝う習慣は、もともとは秋の収穫のあと豊作を祝って行われるワイン祭りで捧げられた物で、それが1960年代半ばにイギリス人たちが遊び半分で誰が早く解禁日にロンドンに運び込むかというゲームを始めてから急に世界の流行となってしまったようだ。つまりワイン自体の品質とは無縁の初物競争というわけだね。だから、お祭り騒ぎや一種のファッションとして飲むのは面白いけど、そのものを変にありがたがるのはどうかという感じなのだろう。特に日本人はお祭り騒ぎが好きだものね。江戸っ子も見栄で初鰹を食べたぐらいだからね。実際飲んでみましたが、私にはあいませんな。母親は飲みやすいと喜んでいましたが、父親と私は、”渋くて、これなら焼酎のほうが・・・”という感じでした。新米、新蕎麦、新ジャガ、新キャベツと日本人は新しいものが好きだ。実際取れたてのものは、うまいしね。でも酒では、日本酒で、絞りたてなんて物はあるが、できたばかりのものをありがたがるのはあまり見かけない。泡盛のクースーに見るように、長く熟成されたものの方が高価になる。ワインもそんな感じで、何年物といって長い時間をかけたものがよいような話を聞くが、そうなるとできたては品質的にはいまいちなのかな。ワインの味がわからなくて残念だが、これもお祭り、便乗して楽しみましょう。

2005/11/13　四季から二季へ。

11月も中盤に入り暖かい日もありますが、寒い日はすっかり冷え込みますな。昨日ついに暖房営業を始めましたが、ご注文も、焼酎もそば茶割からそば湯割へ、つまみも鍋類が増えてきました。〔しかしそばに関しては今年はあったかいそばに偏らず、せいろがよく出ます。これは蕎麦屋としては喜ばしいことで、ある意味そば好きの人がどのくらい来て下さるかの指標にしています〕ついこの間まで暑いといっていたのが、今度は急に寒くなる。これでは体調を崩しますな。私も首が悪いので、こういう気候はこたえますよ。過ごしやすい秋や春がめっきり短くなり、暑すぎる夏と急に冷え込む冬が長い、これでは四季でなく二季ですね。日本のあの穏やかで、風流のある豊かな四季はどこにいったのやら。地球温暖化が進み、日本だけでなく、ありとあらゆる地域で気候の異常が起き、そのことが、台風などの天候だけでなく地震、噴火などに結びつく。便利になり、医療の技術も進み、人間が安全に長生きできるシステムが備わっていく一方で、地球としては生き物が生きていくには過酷な環境に向かっている。悲劇ですな。ではそのために何ができるかといえば、とりあえず環境に悪いものは使わない、廃棄しないといったところだろうが、ほとんどは耐えるしかないのだろうね。花屋に勤める弟がこの秋は葬儀が多くて忙しいようだ。四季や自然が壊されていくとしても、それを楽しむ心ぐらいは持って生きていたいもんだ。TVで桜の木が切られると、マンション建設に反対する住民の抗議行動が報道されていたが、そういうものを大切にする気持ちを持ってもらいたいね。〔法律上は問題なく、土地も建設業者のものなので、住民はだめを承知らしいのだが、まったくその木が立派になるまで何年かかると思ってんだ。）

2005/11/6　笑いの医学。

先日、いつものように ROXのまつり湯で体を休めながら、リラックスルームでTVを見るとふとこんな特集をやっていました。どこの病院の先生だかわかりませんが、伊藤先生という方が実際の医療の現場に笑いを持ち込んでいたのです。病院のベットの横で、手品をしたり、大道芸人のような格好になって、風船で犬を作ったりして、患者さんを笑わせたり、喜ばせたりしているんですね。てっきり芸人さんを病院に招いてるかと思いきや現職の先生なのです。患者さんは大喜びだし、中には寝たきりで何の反応もしなかったおばあちゃんが、わずかに微笑んだりしてましたよ。病院という陰の場に、陽を持ち込んでいるのですが、それは単に雰囲気を変えるのではなく医療としての治療のようです。実際伊藤先生は、笑いの大切さを講義でも教えており、若い先生たちに様々な芸を教えていました。よく笑う門には福来るといいますが、笑うことは本当に健康につながるのですね。笑うことや、歌うことはそれ自体が大きく息を吸って大きく息を吐き出すので深呼吸のような役目をすると言われています。また、野生の猿が、危険を回避し平常に戻るとき安心感からか、笑うときのような表情を浮かべることがあるようです。これは人間にも言えることで、ドッキリのあとは体外人は笑いますし、有名なギャグにはこの心理を利用したものが多いです。というのも、高まった緊張により心拍数が上がったのも、笑うことで落ち着くようなのですね。笑うとは大切なことなのですね。最近落語ブームなのか演芸場がよく混んでいますが、これも健康のためのケアだと思えば、なんとまあ長寿の国であることが、よくわかりますな。今日も笑って過ごしましょう。

2005/11/1　食べ放題に来てくださるお客様へ

今回は呟きという感じではないのだが・・・。最近は大変ありがたいことに、たくさんの方が食べ放題に来てくださいます。先日の雑誌の影響を受けてか、ここの所は12時近くで食べ放題終了という感じです。もともとは、新蕎麦の時期に、常連のお客様にたくさん食べてもらいたいという感謝企画だったのですが、今では当店を知っていただくためのひとつの宣伝にもなっています。大変ありがたいことですが、せっかく遠くから来ていただいたにもかかわらず、間に合わなかった方には申し訳ない限りです。食べ放題でない一般のお客様が増えていること、そば粉の値段が上がり、原価がかかることなどから、一時中止も考えましたが、これだけの支持をいただく以上これからも続けていく次第です。ただ、如何せん手打ちでの生産力ですので、数に限りがあること、あくまでもサービス企画ですので、時に一般のお客様を優先して提供することなどをご理解のうえ、できるだけ早くご来店いただけたらと思います。なお、これまでは昼の営業用に用意した蕎麦すべてを食べ放題と一般用に分けずに行っていたため、日によっては12時過ぎに閉店という事がありましたが、最近は分けておりますので、食べ放題が終了しても、一般のお客様にはご提供できます。安心して、ゆっくり食べていただくかたちをとっております。電車に乗り、あるいは車で遠くから来ていただけることなんて、開店当初では考えられなかったことが、実際に起きていることに感謝しています。新しい出会いを楽しみに、当店のご来店をお待ちしております。いらっしゃいませ！！

2005/10/24　おとなの週末見てください。

おかげさまで、先日15日発売のおとなの週末の蕎麦の特集に当店が載せていただけました。僕はこの雑誌をよく知らなかったのですが〔まったく違うジャンルのものと思っていた〕、結構読んでいる人が多く、お客様でも、時たま買うことがあるという方がいらしゃいました。この雑誌は、これまで載せてもらった東京ウォーカーや東京1週間のように、主に東京近郊での販売ではなく、全国のようなので、当店としては初めてのことです。出雲でも売っていたそうな。それだけに影響も大きく、雑誌を持って来店された方や、問い合わせが結構来ますね。ありがたい限りですよ。
載っているのは1/2ページほどでしたが、取材には2時間かかりました。〔TVは別として、実際は1時間ほどで終わることが多いのですが、今回のライターの方が、石野陽子似のすごい美人だったので、話し込んじゃいましたよ）文章は、主にインタビュー形式で聞かれたことに答えるのですが、最近は、HPであらかじめ調べてこられたり、事前にアンケート用紙のようなものをいただいて、それをもとに行います。写真は、結構大変で、あったかいものなら湯気の出ている感じの絵がほしいようで、用意してすぐに取り掛かりますが、具が沈んだりして、何度か作り直したり、蕎麦が乾くと霧吹きで水をかけたりします。それでも1回で終わればいいのですが、編集部からNG出ると取り直しもあるのですよ。
今回も、私の写真が載りましたが、何度やってもファインダーを向けられて笑うのは容易ではないですな。変な顔だ。雑誌は30代を対称にしたものらしく、内容も絞り込まれ、紙面もゆったりとしたとても読みやすく、面白い雑誌ですよ。コンビニに行った時や本屋に行った時は、よかったら立ち読みでも読んでみて下さいな。

2005/10/17　ロッテ優勝おめでとう！

いや～おめでとうですよ。あの4点差をひっくり返されたときは、高校野球でもそうだが、プロでも勝ちにあせると足元をすくわれるのだと、勝つことの難しさを感じだが、その流れを変えるとはね。ロッテは明るくチームの団結力のあるチームだと思うのだが、しかし今も昔も地味だ。ソフトバンクのように、松中や城島といった、派手な、記録を残すような球界を代表する選手はほとんどいない。その上、金に物を言わせてすごい外人などを連れてきてるわけでなく、それこそ活躍しなければ目立たない選手が多い。鳴り物入りで入ったのなんて韓国の大砲イ・スンヨプぐらいだろうな。渋い選手が多く、福浦やサブロー、小阪や引退したが初芝など実力があっても名前と顔が一致するかしらだ。でも優勝できるのだ。もちろん最高のピッチングスタッフが整っているのは確かで、清水、小林、サブマリンの渡辺、ルーキーの久保、助っ人のセラフィニ、薮田に抑えの小林と穴がないのだよね。そのほとんどがはえぬきで、育って育って、1流になった選手ばかりだ。勝つために補強は必要だが、優勝するためには、たくさんの金がいるわけでもないような気がする。あの明るく包容力のあるバレンタインの元ひとつにまとまって戦う姿勢、このシリーズでもそうだったが、ローテーションの順を崩さず、すべての選手を信頼する心は、日本人の監督にはないような感じがする。阪神も勢いがあるので、大変だと思うが、頑張ってほしいな。ちなみに、4点差ひっくり返されて負けた晩は、あちらこちらで荒れていたと、千葉から帰ってきた弟が言っていた。それだけ、地元に密着しているチームでもあるのだろうな。

2005/10/11　当たり前は必ずしも当たり前ではない。

今年新そばが始まりましたが、うれしさとともに、ホッとしました。というのも、去年は台風の影響で蕎麦の値段が高騰し、業者さんの努力があったものの、30％アップとなりました。来年の収穫まで耐えてくださいとのことで、このご時世にあってさらに利益の圧迫はきつかったですな。今年は、台風の影響はなかったものの、暑すぎたため受粉がうまくいかず、収穫量がダウンしました。供給には影響しないようですが、これまでの値段にもどることはないようです。でも若干値段が落ちましたので、助かりますよ。このように今、気候の変化で様々なものが影響を受けているようですね。きのこが毒化してしまったり、北の方でもみかんが採れたり、逆にりんごが採れなくなったりと、いろいろです。また、経済的には、中国で、大豆やチーズの買占めがおこり、大豆から取れる油とかは高騰するようですね。常に、欲しいと思うものを安定して手に入れたいと思うのが、いまや当たり前ですが、それを同じ価格で手に入れるのは難しいようです。それゆえに需要と、供給のバランスをとろうとすれば、食糧難となるわけだね。そば粉は、あまり世界で使用されていないため、気候による値段の変動が主になりますが、それでも安定してくれないと困りますよ。でも、最悪は手に入るもので何とかするという考えも大事なのかもしれません。私の友人で山を買ったのがいうに、農業をやって、作りだすのもいいが、自然の中でそのときそのときに恵んでくれるものでも十分やれるとの事です。なるようになるといった感じで私にはとてもまねできない生き方ですが、なるほどなとも思いました。スーパーに行き、たくさんお品物が陳列している中に、あるはずのものがないとしても、仕方ない、あるもので何とかしようと思う今日この頃です。

2005/10/5　教え、育てることができて一流。

NHKの趣味悠々という番組で、蕎麦打ちをやっている。講師は、今現在の蕎麦界のカリスマ高橋さんだ。新そばが始まって、初心に戻って再び四苦八苦して蕎麦を打っていると、この番組を見て、そういえば、基本はこうだったなとか、流派によってはこういうやり方があるのだなと思ったりして、とても勉強になりますな。高橋さんはいわずと知れた超一流だから、自身の打たれた蕎麦の美しさは言うまでもありませんが、何よりも教え方が素晴らしいいですね。経験がものをいう部分は多いのですが、経験のない方でも、こう教えればうまくやれるというところなんて、まさに教える技術ですよ。地延しから丸出しのところなんて、僕はおおざっぱに手でつぶしたら、仕上げ棒で平面に丸くのしていきますが、考えれば、初めのころはうまくできなったですよ。猫の手という麺棒の持ち方でのしていくにもちから加減や、手の位置が変われば、でこぼこになったり、端が切れたりするもんです。きっと、教わっている人は、いやに細かいなと思ったと思いますが、打てる人から見れば、実にうまく手の角度や、手の位置まできちんと教えてくれていました。また、随所に、高橋さんの繊細な気持ちというか、蕎麦を大切に打つという人柄が出ていましたね。打ち粉を無駄にしないところや、こまめに手を洗って清潔にし、手の温度を抑えながら打っていくところなんて、プロならまだしも、趣味の方ならいいんじゃないかと思ったりしますが、その辺はまだ僕なんて荒いというところでしょう。実際自分のやっていることをそのまま伝えることが教える、育てるということになるとは限りません。教えるというのは、教わる立場に一度自分の身をおいて、伝えるということだと思います。普段の自分から離れて、陶芸教室に行って、生徒になって、逆の立場から物を見るということを実践していますが、まだまだ僕は教えられるもんじゃないですな。いつの日か、当店で学びたいという人が来たら、それは、僕がようやく1流への道を歩み始めたことになるのでしょう。いつかきっと・・・。

2005/9/　志ん生祭りはよかったです！！

先日行ってきた新宿末広亭での志ん生祭りはよかったですよ。古今亭一門による落語と、志ん生クイズなどファンにはたまらない一日でした。しかも、今回は、美津子さんも来てたんですよ。ずうずうしくも挨拶してしまいましたが・・。当日は早く着き過ぎて、1時間前は誰もいなかったのですが、食事に行って、30分後に戻ってみたら、もうすでに20番目ほど。それから列はできるはできるはで、いざ開演して見ればあっという間に立ち見も出るほど。年のいっている方はもちろんですが、結構若い人がいるのには驚いたですよ。かく言う僕も、実際に本人を見ていないのに、、熱狂しているのだから、その芸はすごいもんだったんだなと思うな。志ん生の落語のCDを聴いた若い人が、その店に、このおじさんに会うにはどこに行ったらいいのですかと聞いたエピソードがあるほど、その死後30年経った今も生きる芸があるのだね。おしまいの噺の中で、美津子さんが、噺家の芸は死ぬといっしょに持っていってしまうといわれていた。落語は確かに、ライブが一番なので、その通りだと思う。一見自由奔放で、ぞろっぺいな志ん生の芸は実は、欠かさない稽古によって磨かれた努力の芸だったそうだ。その気持ちを込めて作り上げたものは、絵画や彫刻のように物として残らなくても、人の心を動かす力を持っているのだと思う。僕も、食べ物を作る職人だから、後世に残すものは作れず、僕が死ねば僕の蕎麦も死ぬ。しかし、志ん生のように、そのものでなくとも、後世に影響を与えられるような職人を目指して生きたいものだ。

2005/9/27　志ん生祭りはよかったです！！

2005/9/20　先祖を偲ぶということ。

この連休は先祖を偲ぶ連休でした。１９日行った、志ん生祭りは次回触れるとして、１８日はお墓参りに行ってきました。うちの墓は、茨城の岩井にあるのでちと大変。なぜかこの墓参りに行くときはよく晴れ、雨の日でも墓につくと晴れたりする。うちの爺さんは、あの世で天気の仕事でもしてんのだろうか。しかし最近のお墓はずいぶん行き届いているもんだ。墓石掃除用に大小のブラシは揃っているし、延長ホースもあるので、ひどい汚れは噴射して流すことができる。墓石もすごいのになると生前の声がセンサーで反応すると出るらしく、来てくれた親類に答えてくれるようだ〔これはやりすぎだろう〕。僕は、まだ両親が健在なので、墓参りといっても、幼いころに逝ってしまった祖父を偲ぶ程度だが、この墓参りには、ちゃんと意味があるようだ。子孫が先祖を大切にする姿、それは子が親を大切にする姿となる。よって、たとえ小さい子供でも、自分の両親のそんな姿を見ることで、親への孝行の気持ちが培われるのだね。わが師匠が言っていたが、昔年少上がりの子らを預かることをしていたことがあるそうだが、その問題のある子達の共通していたことが、墓参りをほとんど行った事がなく、中には墓がどこにあるのかも知らないという子もいたそうだ。墓参りはそんな楽しいイベントではないし、年寄りくさいが、意外と大事なんだね。故人だけでなく、さらにまだ健在の親をいじめたり、財産のため早く死なないかななどと願うのは、結局回りまわって、自分がその子孫にされるということなのだね。怖い怖い。

2005/9/12　ちょっとホッとした・・。

。”私あなたが好き”と”あなたが嫌い”は、まったく正反対だが、それはベクトルの向きが違うだけで、対照を意識しているという点では、同じ事だ。だから、何であの人好きなのと言われて、ここが好きあそこが好きといえるように嫌いなのも同じだけいえるだろう。ようは、その人の心の中に、その対象が存在し、意識されているわけだ。愛情の方向が変われば、可愛さあまって憎さ百倍なんてこともあるわけだね。そう考えると、最も悪いのは、何も感じないということだ。よく言えば普通なんていわれているうちは、まだ相手にされておらず、その他大勢なわけだね。今回の選挙は、自民党の圧勝で終わった。〔やっぱりなという感じだが〕好き嫌いはあるにしろ、マスコミはこぞって小泉さんを取り上げた。そして、民衆は、いやおうにも小泉さんを意識していった。そのことが今回の大きな要因だったと思う。ただ僕的には、今回一番よかったことは、お祭り騒ぎ的な面があったとはいえ、選挙民が注目し、投票したことだと思っています。これまでの投票率は目を覆うばかりだ。自分たちのこれからのことなのに、興味を持たない、意識しない、それで政治離れが起きるというのは、あまりいいことだと思わない。選挙は唯一政治に対して、意見を示せる権利なのだから、これを機会に、特に若い人には興味を持ってほしい。好きでなくとも嫌いでなくとも、無関心より大事なんだよね。今回投票率が上がってよかった。ちょっとホッとした。

2005/9/5　またも朝青龍の優勝でいいのか？

また相撲が始まる。今回もまた朝青龍が優勝し、記録をつくるのであろうか？朝青龍は確かに強い。今ヒョードルに勝てるとしたら彼しかいないのではとひそかに期待するほどだ。しかし、相撲が面白くないのは、他が弱すぎるからかもしれない。ある新聞に地方巡業の勧進元をつとめる方の相撲に関する見解が述べられていた。

いまだに協会そのものが相撲を見せてやるといった態度で、これからのファンを開拓していくようなサービス精神もなければ、利益中心の考え方をしているのも問題だが、何より力士もサラリーマン化しているようだ。時間通りに現れ、終われば実家に帰ってしまったり、土俵の周りで観ているだけで稽古をサボっている力士も多いようだ。そのせいか、少し動くとすぐ休んでしまい、本気で強くなろうとする意欲も感じられない。腹が減ったらコンビニで買い食いし、炭酸飲料もかまわず飲んでしまう。
親方も口にすればすぐやめてしまうようだから言うこともできないようだ。これではとてもではないが、朝青龍をたおすようにはなれない。

昔は下っ端のうちは残り物しか口にできず、早く強くなりたいと稽古に励んだようだが、今こうしているのは、国を飛び出した、外国人ばかりなのではないかと思う。かつて、金原亭馬生という噺家は食道癌になっても、しゃべれなくなっては困るからといって喉への放射線治療を拒んだそうだ。またその弟志ん朝は、最後の晩餐に食べたいというほどのうなぎを、自身の守り本尊の使いがうなぎのため、噺の上達を願って、４０年もの間うなぎを断ったという。今はこんなのは時代遅れなのかもしれないが、でも自分の選んだ道に責任感と、大成させるための志を持つことは大事なことだと思う。豊かになってしまうとなかなか無理なのかな。国技なのだから、ただただしぼんでいくのを見るのはちょっとさびしいことだ。

2005/8/29　さよなら大魔神。

先日ベイスターズの佐々木投手が引退を表明した。
好きな選手だったが、そのニュースを聞いて正直な感想は、やっと決心したかという感じだった。今年から飛ばないボールが使われているようだが、近年の野球はバッティング技術の向上により、打ち合いになる派手な試合が多いように思う。
それだけに１点差を争うような緊迫した試合には、最後を締める絶対的なストッパーの存在は必要だ。
成績のよいチームには、必ず優秀な抑えの投手がいるもんだ。
佐々木といえば誰もが知っているストッパーで、ストレートとストライクからストライクに落ちるのとボールに落ちる２種類のフォークを投げわけ、三振の山を作っていった。ベイスターズの優勝のときの立役者であり、メジャーリーグに渡ってからも大魔神の名で親しまれた人気実力とも兼ね備えた選手だった。それだけに帰国してからのその姿はがっかりの連続だった。
かつて、広島に大野という名投手がいた。主に先発完投型だったが、晩年は抑えもやっていた。その大野が、まだ当番イニングが少なければやれるのではないかと周囲が思っているのをよそに引退を決めてしまった。大野の話では、シーズン中に当時若手だった巨人の高橋選手に最高の球だと思って投じた１球を見事にバックスクリーンに運ばれたことがあったそうだ。そのとき、自分の球はもうプロでは通要しない、身を引くべきだと思ったそうだ。
まだ、周囲から惜しまれているうちに身を引いた、きれいな引き際だった。

今回の佐々木は、決して、きれいといえない。
周りからさっさと辞めろ、この無駄な高給取りといわれ、私生活はスキャンダルまみれだ。優秀な抑えの投手に年末になると火消し役とかけて、ファイヤーマン賞が送られるが、今回の佐々木は、自分の身についた火は消せなかったようだ。終わりが悪いとこれまでの実績もかすんで見える。男はその最後が肝心だと改めて思わされたな。

2005/8/22　大空と大地の中で・・

去年の今頃、夏の甲子園で駒大苫小牧が優勝し、後は菊花賞をコスモバルクが勝ち、日本ハムが日本一になれば３冠王だと思った。今年は、愛知万博が開かれ、愛工大名電が選抜で優勝し、安藤美姫ちゃんが活躍しブレイクした。今年は名古屋の年かと思ったが、仮にドラゴンズが優勝しても、そんなことを思えないほどいろんな事が今年はあるもんだ。今なにやら、部長が殴ったとかでもめているが、しかし今年の苫小牧の選手たちはすごかった。そのことを素直に受け止め、褒め称えたい。これだけ施設が行き届いても、雪の中でノックをするような厳しい環境は変わらないようだ。そんな中で鍛えられるからこそ、あのここぞのところで力を発揮する精神力が養われているのだろう。準々決勝での大量点差や、準決勝、決勝での追いつかれて流れを持っていかれそうなところなど、何度もこれは終わったなと思ったものだ。そのここぞというところで、得点し、流れを守ったり持ってくる、その技術を超えた戦い方こそが強さの源だったと思う。そして、何よりも爽やかで、堂々とぶつかり合っていた。観ていて、とても気持ちがよかった。そんな、ひとつのことに打ち込んで獲得した偉業を大人の解釈で汚してほしくないもんだ。大空と大地の中で育った青年たちが自分の手でつかんだ幸せを、大切にしてあげたいものだと思う。

2005/8/15　後悔は先にたたず

人間生きていれば後悔はつきものだ。
あの時どうしてこんなことをしてしまったんだろう、こんな事なら会っておけばよかったなど。このお盆の時期は、死者の魂が帰ってくるといわれているが、それでも故人にはもう会えない。人の命は有限なのだから、死ねば終わりとわかっていながらも、会えないとなれば、後悔するもんだ。このところ落語にはまっているので、その後悔は大きいですな。

落語はやはり生がよいと思うので〔せめて映像〕、もう会えない過去の名人たちは本当に惜しい。桂文楽や、古今亭志ん生は僕が生まれるかその何年か後で、お亡くなりになっているから仕方ないけれども、桂枝雀、古今亭志ん朝は、その芸の素晴らしさにもっと早く知れば見ることも、体験することも可能だったのだ。友人に聞いた話では、桂枝雀のステージはその大きな動きと随所にちりばめられたネタで笑いがどよめき、うねりとなって会場を揺らした程だったらしい。
志ん朝は、CDしか聞いたことがないが、親譲りの威勢のよさと聞き易いはりのある声、そして何よりこれは天性のものと思えるのだが、声がとても明るいのだ。CDのジャケットに見る志ん朝の姿から、落語家らしい穏やかでおめでたい笑顔と、なんともいえない色気のある着物姿を見るにつけ、生で見たかったと後悔するばかりだ。
先日、後輩と浅草演芸ホールで夜のとりを勤める林家正蔵をみてきた。同じ落語界のサラブレットというべく、おめでたい顔と明るい声を持つ、素晴らしい芸人だと思う。故人を偲びながらも、これからきっと大看板となってくれるであろう、正蔵を応援していこう。昨日聞いた、志ん朝の”子別れ”は素晴らしかった。涙の人情話だと思うが、細かく笑いを入れて、ひきつけながらクライマックスにもっていく。
笑わせながら泣かせるなんて、これが名人の芸なんだと思えば、落語は話のマジックなんだと思うな。

2005/8/9　郵政民営化に絶対賛成だ！！

駅の中はきれいに明るくなり、時にはコンサートなんかもやったりしている。
職員も親切でとても丁寧だ。いろいろ事故もあるが、JRはかつてお荷物といわれた国鉄から大きく進化し、さまざまな面で、民営化に踏み切ってよかったのではと思えることが多い。
郵政も同じではないだろうか。

信用金庫と同様に郵便局の窓口にはよく行くが、そこで常に感じるのが仕事の遅さ、対応の暗さ、元気のなさだ。
何年か前の暮れのこと、年末で郵便局の窓口はいつも空いている小さな郵便局でさえごった返していた。その対応に追われている窓口職員のその奥で、偉い人なのか知らないけれど、我関せずにおしゃべりをして笑っていやがったのがいた。頭にきて、”みんな忙しい中来てて、少しでも早く終わらせたいと思っているのだから、暇なら少しでも窓口の人を手伝ったらどうだ！！”といったことがある。
鐘紡のとき、その社員が緊張して出勤していたが、公務員だからなのかとても民間では考えられないことだ。今日も、こんな時でも朝から大あくびしている、いい年齢の職員がいた。この緊張感のなさは何なんだと思うよ。
民営化して、不必要な職員は整理し、社内環境を変え、効率化して社内全体が一丸となって、お客様を迎えるという姿勢がほしいものだ。
今や手紙から、電子メール時代に入っているのだから、無駄な施設も整理していくべきだよね。今度の選挙は、そういう意見を通す選挙だ。僕は最近の小泉さんは好きだ。自民党をぶっ壊し、もっと住いい社会を作れる政治がなされるのが望みだな。
この１月はエキサイティングだぞ！！

2005/8/2　大人の時間

先日、今年も千駄木のアナゴ寿司で有名な乃池さんに行ってきました。
今回は高校の後輩といってきましたが、いや～～今年も素晴らしかった。アナゴはもちろんのこと、鯛やキスの昆布締めや、アジ、カツオなど旬の魚は最高で、何よりも煮切などの味付けができているので、醤油をつけずにすぐ口放り込めます。そのそれぞれの味付けがまた素晴らしいんだわ。絶句ですね。時間が止まるとはまさにこのことですよ。

大きな酢飯の握りの上に、最近ではネタの大きいことを自慢している店がありますが、それは酢飯のおにぎりの上に、魚の切り身をのっけただけで、寿司ではなく、寿司とはそのバランスと一体感が、口の中で弾けて奏でる食の芸術なんだと思いますな。普段時間に追われて一日が早いと思うせいか、ここで1時間も2時間もかけて食する時間が、とてもゆっくりに思え、１分が70秒ではないかと思えるほどの緩やかな流れにのって、じっくり味わうのは大人の時間なのだなと思いますね。

僕は童顔なので、昔から子供っぽく思われがちだったのでそんな大人の時間に憧れていました。最近では２０歳を過ぎれば、まるでおばさんのようにいわれ、２０代でも年寄りが言うようなことを言い、ともするともうあきらめているようなことを言う若者もいますが、年をとるのは結構楽しいことですよ。確かに若いころと違って疲れやすく、情けないほどすぐ眠くなり、食べ過ぎると調子が悪くなったりしますが、３０代になったからこそわかる大人の楽しみが増えてきた。きっと４０になればまた変わるし、５０になってはじめてわかる発見もあるのだろう。年をとることは案外いいことだ。
若さに固執し、年齢を詐称してまで若くいたい気持ちもわからないではないが、ありのままに受け入れると見えるものあるものだ。当日は、その後まつり湯で風呂三昧だったが、それでも１日１万円前後で過ごせる贅沢なのだ。ああ、生きてるって素晴らしい！！

2005/7/19　夏、真っ盛り！！

暑くなってきました。梅雨が明け、あちらこちらで、交代で、夏休みをとる人が出てきて、朝はラジオ体操が始まると、夏真っ盛りですな。夏といえば、スイカや、海の家のおでん、鱧、だだちゃ豆なんかだろうが、夏といえば花火だ。今週の土曜日は隅田川の花火大会だが、そんなに変わるわけではないのに、毎年たくさんの人が来ますな。当店としては、大晦日とこの花火大会の日は売り上げが期待できるので、ありがたい限りです。この花火、江戸の年中行事の一つで、両国の川開きにやったようで、享保のころに始まったようですな。昔は玉屋と鍵屋の2件の花火屋があったようですが、天保14年5月将軍家慶公が日光にご参詣のときに自火を出したために玉屋の方は取り潰しになった。鍵屋だけになっても玉屋のほうが人気があったようで、狂歌にも　”橋の上玉屋玉屋の人の声　なぜか鍵屋といわぬ情〔錠〕なし”と歌われたようだね。昔、この花火を題材にして、下町の行事についての作文コンクールで賞をもらったことがあるが、そのとき、いろいろ聞いた話では、昔は、船の上などの不安定な場所で花火をあげたりしたもんだから、風の強い日など、民家に飛び込んだようなことも聞いた。また、真下から見る屋形船からの花火はさぞかし風流だろうと思ったが、実際は、灰がすごくて、料理は大変なことになるようだ。ちょっと離れても、落ち着いた場所で見るのが一番だね。子供のころは、屋上から見えて、あちらこちらの屋上では提灯をぶら下げたりして、ビアガーデンさながらに盛り上がっていたのだが、それも古きよき思い出になってしまった。花火の楽しみ方も、時代とともに変わり、花火自体も進化しているようだが、この下町の大事なイベントも、その風流を理解できない人々によって、祭りのように、自粛するようなことがあったらさびしいな。まあともあれ、当店のそばでも見えますよ。よかったら来て下さいな。

2005/7/12　時を越えて・・・その３

はじめて見たのは、小学校あがるかあがってないかの頃だった。内容はまったくわからないものの、その衝撃はすさまじく、もう何回見たかわからないほどの映画が、28年の時を超えて、この夏に終幕を迎えた。スターウォーズエピソード3は素晴らしかったですよ。これまでのいきさつがわからないと、面白みが半減ですが、それでも映像やアクションは十分に楽しめるものとなっていました。実際は、共和国軍と帝国軍（その時によってちょっと違うのだが）の戦争なのですが、シリーズを全部通して観れば、ルーカスも言っているようにアナキン（ダースベイダー）の贖罪の物語なのである。あの純粋な少年が、類まれな能力を持っていたため、伝説になると期待されながらも、ダークサイドに落ちていき、最後には息子と娘に再び引き戻されるのだ。考えればアナキンとパドメが出会って恋に落ちてしまったための悲劇なのだが、ダークサイドに落ちたアナキンも、決して悪になりたかったのではなく、母を失った悲しさから、愛するパドメの死を取り除きたかった、ただそれだけの願いが、こうなってしまったのだが、それでもアナキンは正しいと信じていた、その悲しさ、純粋さがとても胸を貫くのだよね。単なるどんぱち映画でなく、わかりやすい勧善懲悪なわけでなく、アナキンを取り巻く人々が、そのときの流れに翻弄され、それぞれの考える野望や、理想を追い求めるところなぞ、大人の映画だなと思うわけですね。この夏時間があったら是非観てください。本当にいい映画でしたよ。

005/7/12　時を越えて・・・その２

落語は落語家と同じイメージをお客様が頭の中に描けたとき、泣けたり、笑えたりする芸能です。何しろ演者は独り、座蒲団に座り、扇子と手拭いだけで、ある世界を創り出します。
落語は想像力の芸術なのです。（柳家権太桜談）最近私は落語にはまっております。昭和の名人といわれた方たちを中心に、CDや本屋やビデオを見ていますが、古いものでも、今も大笑いできる素晴らしさです。特に、桂文楽や古今亭志ん生が好きですが、白黒の映像で、座蒲団に座ったしわだらけのおじいさんが、一度話し出すと花魁にも、威勢のいい棟梁にも変わり、その色っぽいことと言ったら驚くばかりですね。

文楽と志ん生はよく好対照な名人とされたようで、文楽が楷書なら志ん生は草書で、明烏の甘納豆を食べるのを演じれば、売店はお客で殺到したといわれるように、一つ一つの芸を磨き上げられた文楽に対し、放蕩無頼の暮らしから得られた鋭い観察眼で作られた志ん生の芸は、威勢良く、時にかわいく、温かみがあります。どちらも決して色あせない時空を超えた芸人ですね。まったくもって残念なのは、なまで見れないのは仕方ないとしても、映像が手に入りにくいことですね。馬風さんが言われてましたが、こんなご時世だから、どうせなるようにしかならないのだから、時には馬鹿になって、大笑いするのはいいことだよと。ただし、毎日はいけないぜ。本当の馬鹿になっちまうからと。最後に、権太桜さんのこの言葉で閉めます。私も落語はそうだなと思っています。
古典落語は決して古くないのです。古典落語は人間の本質が見事に集約されていて、時代が移り変わっても、夫婦や親子の愛情、お金や物への執着など、そう簡単に人間の了見なんて変わるもんじゃない。古典落語は人間の本質を笑いのオブラートでくるんで見せる人間講座のようなもんです。

005/7/4　時の流れを越えて今に生きるもの　その１

イクラと筋子の違いはご存知だろうか？イクラは、鮭の腹をさいて取り出した卵をほぐして塩水につけたもので、筋子は鮭の腹から取り出した卵を塊のまま塩付けにしたものであるが、イクラとは魚卵という意味のロシア語なのです。
今では、イクラはすっかりおなじみになり、しょうゆ漬けにしたのなんか、もうたまらんですな。このように、今ではすっかり日本人のものになっているものの、元は海を越えやってきたものが多いようだ。粉ふき芋、肉じゃがといえばおふくろの味の代表格だが、そのジャガイモも元は南米アンデス地方が原産で、16世紀にインカ帝国を滅ぼしたスペイン人によって世界に広められました。ジャガイモは、正しくはジャガタライモで、ジャガタラとは昔のジャワ、現在のジャカルタを指し、16世紀末にジャカルタ経由で入ってきたことによるようだ。カステラもそうで、スペインの地名カスティーリヤから来ていて、その地の菓子の製法をオランダ人かポルトガル人が伝えてくれたようだが、現在のカスティーリヤにはカステラはないようですね。他の文化も、よいものはよいものとして取り込み、自分たちのものにしていく日本人だから、元をただせば異国のものが多いのだろうが、本当によいものだからこそ、時を超え今に生きるのだろうね。次も今に生きるよいものを取り上げてみましょう。

005/6/28　亀は少しずつ山を登る

少年野球、クラシックバレー、バトミントン、水泳、習字とやってみたが、人並みにできるようになったのは水泳だけだった。習字は、常に真っ黒けだったし、野球は最後までフライがどこに落ちるのかわからなかった。水泳にしても、体の弱かったのを心配して、心肺機能をあげるために通ったが、いつも下から数えるほどだったのが、中学２年でようやく大会に出れるほどになった。こんな僕でも続ければ何とかなるもんだなとはじめて思ったときだった。

自転車も、補助輪なしで乗れるようになったのは一番最後だったし、その後、車の教習所や、ありとあらゆる場面で、ドンくさい自分を思い知らされた。この世界に入ったときもそうだった。左利きを強制したことや、不器用さの極みだったが、続ければ何とかなるだろうと、やり続けてきた。ただひたすらに、師匠や店長に教わったことをやり、うまくなりたいと思ってきたことが、花開くことがあるもんですね。
このたび、当店は”江戸ソバリエが通う蕎麦屋さん　至福の蕎麦屋”に選ばれました。未熟者が、まったくもって恐縮なのですが、うれしいことです。開店当初はとんでもないものしか作れなかった僕を、応援し続けてくれた方々に感謝します。不器用な亀も、山を登れるものですね。続けることの大切さを痛感したしだいです。よかったら買って下さいね。７月上旬に発売だそうです。

2005/5/20　シリーズ街の毒3　コンビニ

この町はコンビニと歯医者が一杯だ。（こんなに患者がいるのかと思うほどあるね）コンビニはどんどん進化をとげ、なくてはならないほど便利になっている。最近本はセブンイレブンのサービスを利用していて、これだと本屋のあいている時間でなくても受け取れるので、助かるね。決してコンビニを否定するわけではないのだが、昔は、セブンイレブンのように7時から11時までだったが、今はほぼどこでも2４時間あいているし年中無休だ。それにつられてか、他の店やデパートでも正月からやったりするからなんか慌しいような、季節感を感じられないような感があるな。
便利さを追求しすべての機能を盛り込もうとすれば、コンビニのような形になるのだが、その便利さは、逆に新しいストレスをうむ。情報も、携帯も、コンビにも面倒くささを取り除き、早く物事が解決できる。しかしそれだけに、不便なことや思い通りにならないことに対するストレスは敏感で増大するばかりだ。そもそも、世の中とは、うまくいかなくて当たり前で、社会に住む個人の欲を抑え我慢することで、社会のルールは成り立ち、安全な平穏な生活が保証されるのだ。それを便利さが、すべて自分の思うように行くと勘違いさせ、人も物のように扱われ、虐待や、殺人がおきてしまう。とどのつまりは、扱い、利用する人間次第なのだが、文明の進化に、まだまだ心が追いつかないような感じだね。携帯なんか、免許制にして、ガキや資格のない人には持たせない方がいいと思うのだが・・。

最初に戻れば、毒は、そのもの性質ではなく、それの対象物の解釈でしかなかった。情報も、携帯も、コンビにもその便利さに感謝し、流されなかったりけじめをつけるなどして、自分
のなかで、うまく付き合える状態を作っていかなければ、その毒にただただ侵されていくことだろう。僕は短気だから、つながらないことに腹を立ててトレスを感じるだろうから、まだ当分は携帯はいらないかなと思う今日この頃です・・・。

005/5/13　シリーズ街の毒の2　携帯電話

私ははずかしかしながらこの人生で一度も携帯電話と車は所有したことがない。車は運転が最低なことであるが、携帯は、ただでさえ遺伝のせいなのか、首が悪いからなのか頭痛もちであるのに、わざわざ頭痛を発生させる恐れのある強力な電磁波の発生源を脳に近づける必要もあるまいと思って持っていない。まあそういってもそのうち持ったりするだろうけど。携帯電話は便利だと思うし、これぞ文明の賜物ではないかと思う。かつて一家に一台あった電話が、今では一人一台になった。そのため、家にいるとか、会社にいるとか、決まった場所にいなければ、連絡の取れなかった相手と、電波が届く限りいつでも連絡が取れるのはとてもスピーディーだ。ただそれだけに、弊害も多く、個人の時間とそうでない時間の境界線が見えなくなったり、集中を欠いているところがあるように思う。先日も、窓拭きの仕事をしている青年が、仕事中にもかかわらずかかってきた電話で話しながら、仕事をしていた。また、近所では、電話で話しながら運転をしていた主婦が、一人の青年をひいてしまい、死亡させてしまった。これらは、携帯がなければおきないことだ。誘拐事件など携帯が活躍することもあるが、仕事中、運転中といった集中を要するときにそれを欠き、普段の時間とそうでない時間がいっしょになって、最悪は事件になってしまう。結局はその便利さに酔ってしまった本人のせいなのだが、これもある意味毒なのだ。その便利さということで、3回目はコンビニで閉めましょう。

005/4/26　シリーズ街の毒1　情報

今は本当に便利だ。
そのひとつである情報技術の進化は目覚しいもので、目的地にいち早く着くための情報から、売りたい人と買いたい人をつなぐ情報など、さまざまだが、それゆえに、混乱もある。例えるなら、情報とは、世間という大海にうねる波のようなもので、その波を知りうまく利用すれば、楽しむことも乗りこなすことも出来るだろうが、理解が足りなければ、巻き込まれ混乱し、怪我することもありうるものだろう。先日もこんな話を聞いた。私の会社時代の同期といえば、もう10年戦士なのでなかには採用の面接もやったりしている。さまざまな質問をぶつけ少しでも相手を知り、会社として、必要な人材を発掘するのだが、そんなところにも情報交換は存在するのだそうだ。一日の面接を終えるとすぐさまその情報が交換され、やれ面接官がどうだとか、逆に相手を評価したり、どんな質問がきたか等がかわされるのだそうだが、そんな情報必要か？

確かに私も大学受験などその大学の出題傾向を知り、対策を打ったりしたことがあったが、答えのある問題と比べ、答えのない面接で、予め答えを用意して何の意味があるのか？これを、もっと広げてみれば、やれ金持ちになる方法とか、成功者になる法則など、毒にも薬にもならないようなハウツー物が出回っているが、ありすぎる情報に惑わされ、方向を見失い、知りすぎる他との比較に永遠に終わりのない自己の欲求に悩まされる。だから自分の未来や行き着く先がわかってしまい、早々と人生をあきらめる。本当は違うのにね。増えゆく情報でどんどん便利になり、知りたいことも増えていく一方で、混乱は多くなり、さまよう人が増えていくのではないだろうか？そんな街の毒、次回は携帯電話に続く。

2005/4/26　シリーズ街の毒（プロローグ）

前にも呟いたかもしれませんが、この世の現象は事実と解釈に分けられます。
人前でよくしゃべる人がいたとき、よくしゃべる人というのは、事実ですが、それに対し、うるさい人とするか、明るい人とするかは解釈です。
米や豆、牛乳などに菌が反応し、酒や納豆やチーズなど人間の食べれるものになると発酵といい、肉や魚等に反応して食べられなくなると腐敗といいます。同様に、毒という考え方も事実でなく人間の都合で決めた解釈です。人間にとってマイナスに働く物質を毒といい、逆なら薬です。

しかしそれは、一方的な解釈に過ぎないので、例えばふぐのテトロドトキシンのように、ふぐから見れば毒ではないこともあります。また毒か、薬かの境界線も物質の違いだけではなく、同じ物でも量により変化します。量質転化といい、百薬の長といわれる酒も適量を守って飲む分には、薬として働き、実際飲まない人より長生きするようですが、限度を超えれば体を壊す毒になります。以上の事を踏まえると、毒とか体に悪いとされるものは、本人がどう思うかとどのくらいとるかによって変わるので、一概にいえないのですが、それは僕自身の解釈であるけれども、街には、毒ともわからない毒があるように思います。その毒に侵されているとも気付かずにいるこの毒で呟いてみましょう。便利だと思っているそれは毒なのかもしれないし、それは本当に毒なのかどうなのかはわかりませんが、次回から街の毒で呟きます。

2005/4/21　互いの呼吸。

先日の日曜日、私は初めてだったのですが、浅草の演芸ホールにて落語を見てきました。

ちょうど昼の部のとりが、こぶ平の正蔵襲名披露でしたので、いや～混んでましたよ。上手でした、ＴＶで見るのとは全然違い、実に歯切れが良く、テンポも笑わせるタイミングも素晴らしかったですよ。そのあと夜の部を充分満喫してきましたが、夜の部はベテランの方が多くて、とても和やかでした。

熟練の噺家さんは間の取り方がうまいのですね。素人の感想ですが、若い方の話は、勢いがあって、一生懸命なのですが、キンキンな声が耳についたり、聞いているこっちが息つく暇がありません。しかし熟練の方々は、単に遅いのではなく、自分の持ち味を出しながら、お客さんとの呼吸をあわせているように思えたのです。落語も話しているのは噺家さんだけですが、会話と同じように相手あっての事なので、互いの呼吸を合わせることが大切なんだなと思いました。商売もそうなのでしょうね。うちの店は○○産の物を使っています、何日も手間隙をかけて作っています、など能書きを書くことはいいことだと思いますが、それがくどいぐらいに多く、うまいものを作ったんだから、黙って食べろとか、携帯電話禁止などというのは、一方的な提供ですよね。商売もお客様あっての仕事なのだから、もちろん自分の持ち味を出しながらも、互いにあわせる呼吸は必要なのでしょう。

子供さんのために、子どんぶりを出してあげること、お年よりのために、味付けを薄くしたり、食べやすいように、やわらかめに仕上げたり、食べやすい大きさにするなどといった心遣いが、作る側と食べる側との距離を縮め店のなかに1つの和を作るのでしょう。笑わせること、心を和ませてくれること、噺家とは知っていること感じたことを話すだけではなく、その場も作っていく演出者なんですね。磨かれた芸の重さに感動しました。

2005/4/14　強さに限界はない。

強さに限界はない。この言葉は僕の大学時代の恩師が常に言っていた言葉で、僕を支えてきた言葉です。生きていれば楽しいことばかりでなく、小さな不幸から、突然くる大きな不幸がどこからかやってきます。そんなときこそ、不幸の中にある小さな幸せを見つけ、負けない強さが大切なのでしょう。こうしてお客様商売をしているとさまざまな戦いがあります。

こと体に起こった災難で見てもすごい人はたくさんいます。下半身が動かなくなるような災難に見舞われながらも、再び料理人として包丁を握れるその日を目指して、リハビリに励んでいる人がいます。体中がバラバラになる事故を乗り越え、今もなおしびれの残る足で、自分の仕事を続けそれだけでなく、まだ新しい挑戦を続けている人がいます。皆明るく強く生きているのです。そしてその方たちは言います。不幸であったが、その分ありとあらゆる人に支えられ、助けられて世の中は回っているのだと。その方はお医者様なのですが、その自分の生き方を、少しでもこれからの子供たちに残したいと活躍されています。家族に起こった不幸に立ち向かうため、家族が今以上に団結することもあります。ご主人の優しさに改めて気付く事もあります。何より当たり前の生活こそとても幸せなことで、みんなと食事を取れること、子供を抱きしめられること、ともに寝、ともに朝を迎えられることそんなことが、素晴らしいと思うことがあります。不幸はないに越したことがありませんが、その不幸のなかにこそ、一番大切な幸せを教えられるときなのかもしれませんね。

2005/4/7　貧乏でもやれることはある。

さあプロ
野球は、セリーグも開幕し、今年も喜びとイライラのシーズンが始まりました。わが応援する広島は憎き巨人相手に3タテを浴びせる最高のスタートをきりましたが、かつてこのパターンで走り出したシーズンは終わってみれば記録的な大負けが多いというデータもあるようだ。トホホ。

その広島、今年こそＡクラスに入れば優勝みたいなもんだが、今の野球界ではもっとも不利な、金のない球団だ。江藤や、金本のように、1流になるとよそに取られ、よそで不要になった外人が来たり、使えると今年のシーツのようにとられる。う～～んここがつらい。だいたい、野球選手の年棒は高すぎるよ！！Ｊリーグぐらいでいいと思うし、清原や佐々木のようにもう使えない選手になぜ何億もの金を払わなければいけないのか？走れないし、早い球も投げないなら、安くするか、やめてもらった方がファンも納得すると思うのだが・・・。この選手の年棒問題はかのメジャーリーグでもひとつの問題となっておるようですが、さすが野球先進国には金がなくても強いチームがあるのです。そここそ、今年藪の入った、アスレチックスです。イチローのマリナーズやエンジェルス、レンジャーズといった強豪ぞろいのリーグにありながらプレーオフには何度も出場し、しかも経費は安い。その秘密のひとつは、スカウトする選手を選手の本塁打数や、打率など成績だけではなく、出塁率で判断するようだ。実際選球眼が良くて四球をよく選ぶ選手や、足が早くてエラーを誘いやすい選手は、成績に現れにくいため、市場ではお買い得のようだ。まあこれだけではないのだが、常にありとあらゆる選手の成績をデーターに収め、実力があるものの評価を受けていない選手を見つけてくるようだ。多少やり方が違うが、年棒やこれまでの成績に左右されず、選手を起用していくところは落合流に似ているかな。去年の嶋のようにそんな新しい眠っている力で頑張ってほしいものです。金がすべてでは無いとね。ただあんまり頑張りすぎて、また別のとこにとられないように・・・。

2005/3/31　桜の樹の下で。

例年3月の最終日曜日は高校の後輩たちと上野で花見だったのだが,今年はいったいいつになることやら・・。日本人は桜が好き,この気持ちはようやくわかってきて,僕も最近は桜を見るのが楽しみになってきたです。その桜,この辺ではほとんどがソメイヨシノだが,これは江戸時代の染井町の（現在の豊島区あたりらしい）よしの桜からきているようだ。そして,隅田川のようにたくさんの桜が植えられたのは将軍吉宗の頃で,町人は当事プチリッチになっており,その娯楽の1つとして,隅田川などのいくつかの場所に花見を楽しむため植えられたそうな。（現在のテーマパークの走りだわね）そこでのどんちゃん騒ぎは楽しみだったことに加え,桜の花から出るエフェドリンという物質には風邪薬としての効果もあるようで,現在も風邪薬には含まれているのだね。初期の海水浴のように健康的な行事だったわけだ。桜は決して派手ではないのに,とても日本人の心には印象深い。桜の樹の下には死体が埋まっているなどとも言われたり,熱により桜を開花させることもあるらしく、冬の事件のアリバイに桜が登場したりもする。僕は,下町の桜も好きだが,山に一本だけある桜も好きだ。まるで山のキャンパスに落ちた一点の色のように、そこだけが浮き出て見えるのは見事だね。そして、なにより最後がまたいい。枯れて崩れるのでなく,風に舞い散っていくそのいさぎよさに,きっと日本人は自分の人生を投影し,死に際はかくもありたいと思ったことだろう。引き際はきれいに去りたい,飛ぶ鳥あとを濁さずという言葉もあるように,最後を美しく幕引きする日本人の美学が,とても素敵だ。とかく,権力者たちの最後は汚く醜いものだが,ああはなりたくないものだ。小さなかわいらしい花しか咲かせないかもしれないが,桜のように散り際のきれいな生き方をしたいもんだ。

2005/3/23　馬上の職人。

寂しいが,人間時の流れとともに忍び寄る老いには勝てず,いつかその終わりがくるものだ。名手岡部騎手が先日引退された。決して,剛椀でなく,派手な追い込みもしない,好位に付け、後は馬の力を信じて追い出す、独特の岡部スタイルで勝利を物にしてきた天才でした。よく競馬は馬七人三といわれるが, ともするとそれを騎手の力で変えようとしてしまうけれども,けっしてその領域を出ず,自分の乗る馬にはいつも辛口のコメントでしたが,馬を尊敬し、馬の力を出し切ろうと努力をしていた騎手でありました。よく聞くエピソードに,皇帝ルドルフが挑んだ８４年のダービー,３コーナーで手ごたえが怪しくなったのを感じで,珍しく焦ってゴーサインを出したとき,”しっかりつかまっているだけでいい”とルドルフの声が聞こえたとのことだ。それだけ,馬を信じ,馬の気持ちに乗れる職人のような方でしたよ。僕もずいぶん儲けさせてもらいました。大きいレースはもちろんのこと,ローカルでも迷ったら岡部を買えが鉄則でしたものね。タイキシャトルや,シンコウラブリィ、ダイナアクトレスなど,岡部騎手の乗った馬たちの思い出は数知れずだね。今天才といわれる人たちは, マルチに活躍する人たちが多いなかで,生涯一騎手として一途に真っ直ぐに,仕事に打ち込まれたその姿に,一フアンとして感動をありがとうと言いたいです。岡部騎手お疲れ様でした。

2005/3/16　いい加減な健康知識。

以前に健康に関することで,こんな事が流行った。アルカリ食品を食べると体に良く, 体がアルカリ性に保たれ,肉を食べると酸性になり,良くない。こんなことは絶対にないのだ。,人間の体内のＰＨは恒常性で常に一定に保たれ,もし血液が酸性に傾いたら,アシドーシスといって, 肺炎などの呼吸障害や糖尿病や腎臓病にかかったときなのだ。そもそも酸性食品、アルカリ性食品というのは含まれるミネラルで決められ,硫黄,塩酸,リン等は体内で,硫酸、塩酸、リン酸になるからそれらを含む食品は,酸性食品。ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウムは水酸ナトリウムなどのアルカリ性を示すものになりやすいからアルカリ性食品となるのです。その食べたミネラルが,血液のＰＨをかえる事には働かず,カルシウムは骨を作るほうに回って血液中にたいして入っていないし,硫黄は硫酸以外の形で外にだされます。ミネラルは,たくさんとっても排出されて血液中に含まれる量はほとんど一定で,カルシウムや硫黄をたくさんとったところでＰＨが傾くことはないのです。その機構は,血液中の重炭酸イオンによって,血液が酸性に傾こうとするとアルカリ性の方向に引き戻し,アルカリ性なら,逆になる。もう1つは呼吸して炭酸ガスを出すことで,血液中の重炭酸イオンの量を調節しています。さらに腎臓で,血液のＰＨを決める物質を排出することで微アルカリ性に保っているのです。だいたい,ＰＨは酵素などの働きを決める重要な要素なので,それが,食べ物で変化していたら,とても大変なことなのだ。こんなことは,高校の教科書にも載っている事なのに,このての健康の知識は,本当いい加減なことが多い。流行とかで飲んだり、したりするもんではないだろうと思うのだが・・・。

2005/3/9　ホメオスタシス。

人間はつくづくすごいと思うことの1つにホメオスタシスがあります。進化の過程で、生物は水中から陸上に生活の場を広げていったが、それはより過酷な環境への適応が必要性が出てきました。さまざまな環境に行っても、体内で異常が発生しても、同じ状態を維持しようとする恒常性維持機能をホメオスタシスといいます。維持しようとする内臓や、内分泌系などの機能が限界にならない限り行われ、たとえば、食事後に血糖値があがれば、すい臓からのインスリンにより血糖値は落とされ、逆に、血糖値が落ちると、糖質コルチコイドや、グルカゴンなどにより上げられるわけだ。この機能により、私たちは、いつも同じ状態ですごすことができ、この快適の状態が維持されているのを健康というわけだ。これが崩れれば、糖尿病のように病気になっていくわけだね。だから昔、アルカリ性の食品を食べると良いとか、肉ばかり食べていると体が酸性に傾くなどいわれたが、これはナンセンスで、食べ物で体のＰＨが傾くことはけっしてないのだよ。（次回これをやりますが、まったくいい加減な健康知識が多いよな。）体はこのようにホメオスタシスが働いているのに、心はそうでない場合がありますね。もちろん、はめをはずすことも、暴走することも、ドロップアウトすることも悪いことだとは思わないが、元に戻らなくてはいけないね。ただ心は、体と違って、本能で勝手にそうなるのでなく、自分でするしかないのだけれど・・・。

2005/3/3　魚へんに春と書いて鰆だ。

やはり日本人は魚が好きなのか、最近は、肉より魚のほうがうまい。
この時期といえば、魚へんに春と書いて鰆だ。鰆はサバ科の魚で、頭と尾の形はサバに似ているが、体ははるかに細長く左右に平たい。つまり腹のほっそりした魚という意味で”狭腹”（サハラ）から付けられた説があるようだ。

サバ科のマグロ、かつお、マサバなどは血合肉といわれる赤身や桃色の肉が多いが、鰆は白い。またサバ科の魚は遠洋で産卵するのに対し、内湾で産卵し、卵はサバ類の他の魚に比べて特に大きい。これは生存競争の激しい内湾にあって、孵化したときすでに他の魚より大きく、鋭い歯を備えていれば、当然優位に立てるからだ。長い進化の歴史の中で、得られたものでしょうね。

しかし最近の内湾の汚染により鰆も大きな影響を受けているのだ。だからか、ちょっと高いね・・・。鰆は、寒鰆といわれるように、産卵をひかえ脂の乗りきった1～2月が食べごろで、刺身、塩焼き、フライ、ムニエル、グラタン、煮込みでもいけ、変わったところでは黄味焼きや鰆粥もあるようだ。鰆もサバのようにいたむのが早く、身がやわらかいので取り扱いが難しい。身が壊れないように大事に輸送されるので、”サワラぬ神にたたりなし”なんてシャレられるのよ。時速100キロで泳ぐ海の暴走族ぶりを発揮すると思えば、一夫多妻制が多い魚類の中にあって、一夫一妻を守る律義者でもあるのだよ。
魚といえば、6月の穴子も待ち遠しいな。

2005/2/24　馬鹿になれ！！

相変わらず寒い日が続きますが、先日も憂鬱ながら座禅に行ってきました。ものすごい寒いのだろうと思いきや、最中はそんなことはなく、むしろ清々しかったですね。

最後の和尚さんの話にこんな言葉がありました。それは馬鹿になれ！！と。若いころ和尚さんが修行に出る前のことであるえらいお坊さんが馬鹿になれ！！といったのだそうです。

これは、今ある知識や経験をいったん捨てて、まっさらの気持ちでのぞんでいく事だそうで・・・。確かに僕もそうですが、まったく知らない世界に入るときは、そういうもんだと思い、教えてくれる人の話を素直に聞けるもんですが、あながちやったことがあったりすると、自分流を貫いたり、比較したりして、なかなか聞けないものです。それは、結局自分にとってマイナスで、せっかくの修行の場も、半減してしまうもんですよね。この世界に入ったときも、せいぜい家庭で料理することぐらいしか知らず、蕎麦なんて打ったこともなかったので、相当不安でした。また悪いことに、同時に修行にきていた人たちは、皆、元蕎麦屋や、洋食のコックさん、あるいは、他の蕎麦打ち教室出身者でした。回りに迷惑をかけてはと思い、先生に相談したこともありましたが、何も知らないほうが成長は早いと思うよとの事で、なんとかなったもんだったですね。いくつになっても、どんな状況でも、馬鹿になれることは大事なことかもしれませんね。（よく燃える闘魂のあの人も言っているよな）恥を知り、恥をかくことを恐れず、馬鹿になれ！！ですね。

2005/2/18　自分に負けないこと。

冬の朝は暗い・・。5時なんて街灯はついてるし、真っ暗だ。そして冬の朝は眠い・・。人間も冬眠ができたらなと思うほどだ。

どの仕事もそれぞれだし、同じ蕎麦屋でもやり方によって、いくらでもどうなると思うのだが・・・。先日近くの蕎麦屋さんが閉店した。理由は何であれかつては一番潰れやすいのがラーメン屋、潰れにくいのは蕎麦屋といわれたが蕎麦屋も潰れる時代になったのかとおもう。

もともと蕎麦屋が多くて、難しいよといわれたこの界隈で商売をはじめたわけだがやってみて思うのは、突き詰めれば他店との競争ではなく、自分との戦いではないかと思う。暗いうちから頑張るのも、眠くてもつらくても妥協せず自分に勝つことこそ、生き残るすべではないかと思うのです。

ある作家の方が”男は常に自分に俺は男なんだと言い聞かせていなければいけない”と言っていた。それは男とは、元来弱い生き物で、そうやって戒めなければ弱いほう楽なほうに、行ってしまいがちだからだそうだ。
リストカットすることも、引きこもりをすることも自分に負けるということだろう。自分に勝とうと努力することは大変だが、俺は俺なんだ、男なんだ、日本人なんだと思い続けてがんばれば、道は開けていくように思う。僕の知り合いに、今北海道にチーズ作りの勉強に行っている人がいます。女性一人で頑張っています。最初は突拍子もないと思ったけど、自分がやりたいと思った気持ちに素直に従って行動に移し、苛酷な環境に挑戦していく姿勢は、心から尊敬します。来週から、6年目のスタートです。厳しい世の中になっても、自分に負けないよう努力するだけです。

2005/2/12　積極的に生きるということ。

私事ではありますが、先日友の母親がお亡くなりになりました。余命3ヶ月といわれながらも、お亡くなりになるまでの2年7ヶ月間を癌と戦い、その人生を全うされました。その戦いは、つらく、常に死の恐怖と戦う過酷なものだったと思います。
しかし決して負けることなく、一日でも長く生きることは、それだけ癌の研究が進歩することで、それは治せる可能性をあげることだといわれ、先日私がお伺いしたときもこの次ぎ会えることを次の目標として頑張るといわれていました。それだけにとてもつらい限りです。

今、命を粗末にすることが多いように思います。そもそも世の中は思い通りに行かなくて当たり前なのに、あまりにも便利になりすぎたのか、思い通りにならない不満で人を殺してしまったり、自分の人生に見切りをつけてしまったり、また簡単に子供を作ってしまって、離婚したり、虐待したりと、まるで人の命が物のように扱われていることが多いように思います。

人の命は何よりも重く、そしてそんな思い通りにならない中で自分のやれることはあると言うことを、示してくれました。立派なお母さんだったと思います。それぞれの人生の中に役割があるとしたら、それをやり遂げる日まで積極的に生きること、今平穏に生きれる事に感謝をすること、そんなことを教わりました。遠い空の下、お母さんのご冥福を祈ります。

2005/2/9　こんなところにも蕎麦の効果。

古来皇室の守護ばかりでなく、学問の最高道場として名高い比叡山の延暦寺にはとんでもない荒行があるのです。その名も千日回峰行でその内容たるや、書くだけでも驚くほどの内容なのだ。
千日といってもまとめてやるのではなく、7年かけて行われ、はじめの3年は100日だけ行が許され、 1日30キロ歩き255ヵ所を回る。これで体を慣らし、次の2年は1年間200日行い、5年で700日となる。この段階で9日間の断食、断水、不眠、不臥の行に入る。これを修め、6年目は1年に100日だが、歩く距離は60キロと倍増し、266ヶ所回る。最後の7年目は再び200日となり、801 日から900日は巡拝が、300箇所84キロのコースとなる。
残りの100日は 30キロに戻り、体を徐々にもとに戻すのだそうな。計1000日の全長 40000キロにも及び、地球1週にあたる距離だわね。
当然睡眠時間は短くなり、最高は一日2時間睡眠で行うようだ。9日間の断食等の修行は、人間が、断食断水で生きられる生理学的限界が3日といわれていることから、苦行中の苦行なのだ。この行に入る前の100日間の前行があり、それは五穀断ちで、米、大麦、小麦、大豆、小豆を一切断つのです。
当然のことながら、天台宗は動物性食品はご法度なので、五穀に入らない蕎麦が登場するのですよ。蕎麦と少しの野菜で体を保ち、この100日間で次の断食の過酷な修行に耐えうる体力作りになっているようだ。以前に蕎麦の栄養について呟いたことがありましたが、これは驚きですな。この世にこんな修行があるのかということもそうだが、その影に蕎麦の力も役立っているのだね。庵号でもそうだが、蕎麦と寺は切っては切れない深い関係のようだ。それだけに、寺沢の僕が蕎麦屋をやるのはちょっとあっているのかもね。ではでは

2005/2/3　蕎麦焼酎の歴史。

かつて蕎麦屋といえば蕎麦と日本酒という組み合わせでしたが今は蕎麦焼酎との組合わせが多いですね。日本酒のつまみに炊き立ての塩おにぎりが合うのと同様、同じものから作られているのだから愛称もいいのでしょう。

そんな蕎麦焼酎ですが、その歴史は新しく30年前ぐらいにはじめて作られたそうです。その当事本格焼酎は鹿児島の芋、熊本の米、長崎の麦、沖縄の泡盛が有名でしたが、匂いがきつく、くせが強いため、一部の愛好家を除いては敬遠されがちな酒でした。

ほのかな香りがあり、まろやかの甘味を持つ焼酎を造れないかと作り始めたのが、なんと雲海酒造さんなのだ。本拠地である宮崎県五ヶ瀬村は九州山地の北斜面に位置する山間の町で、昔から蕎麦の栽培の盛んな町でありました。試行錯誤の結果、昭和48年に蕎麦焼酎”雲海”が誕生したわけだ。（よく川中美幸が宣伝しているね）
さらに長期熟成タイプとして樫樽に入れ、年間平均気温が15,１6℃という九州山地の真中に掘られたトンネル貯蔵庫でじっくり熟成させ、こくとまろやかさが舌の上に広がる、極上の味に仕上げたのが当店の看板焼酎である”那由多の刻”や”マヤンの呟き”なのです。

つまり蕎麦焼酎といえば、焼酎の一つのジャンルとして確立されているが、それは雲海酒造さんの営業の賜物なんだね。知らなかったですよ。ちなみに焼酎はでんぷん質を含んだ原料なら可能でオーソドックスな米、芋、麦、黒糖から、ゴマ,栗、コウリャン、ワカメ、牛乳、緑茶、コーヒー豆などからも作れるようだ。店内に本格焼酎と蕎麦湯割についてちょっと書いたのを出してありますので、よかったら見てくださいな。

2005/1/28　蒼き狼の国から来た戦士たち

先日大相撲の初場所が終わった。
最近はあまり見ていない私だが、それでもまた朝青龍関の優勝かといった感じだった。しかしダイジェストを見るとこんだけ優勝している横綱も決して磐石の相撲ばかりではなく、どちらかというと闘志むき出しで結構危ないところもあるけれど、そのたびに決して折れない心で起死回生し、勝利をもぎ取るスタイルのようだ。（この人が総合格闘技にでてきたらどんだけ強いことか。）
そんな相撲も今やワールドカップかと思うほどさまざまな国の人が出ている。
かつてのハワイの力士に変わりモンゴルの人が多くロシアやグルジア、ブルガリア、韓国といろいろだ。その中のモンゴル力士の若手成長株で白鵬関と安馬関が先日成人になったようだ。モンゴルでは日本のような成人式といった習慣はないようだが、その日は部屋でお祝いをしてくれるとかで勝って良かったと新聞でコメントしていた。

さらに続けて若い力士はこのように言ったのだ。”相撲は日本の国技なのでもっと日本のお客さんに見てほしい。そのために僕ももっと活躍できるよう頑張ります”と。

確かに相撲は最近は昔ほど面白くないため見なくなったが、相撲も興行とはいえ、日本古来の文化であるに違いない。その国に根づく文化は面白いだけで判断してはいけないと国民としての未熟さを知ったような気がしました。

エンターテイメントの本場であるアメリカの影響を多く受ける日本は、そんはショー的要素にみんなの興味が向きがちだが、日本もヨーロッパのように歴史のある国だからこれまで培った文化は財産なんだとわかって、接しなければならないのだろう。

ゴーン社長に会社を立て直してもらい、ラストサムライで日本の心を教えられ、今こうして外国から来たからこそわかる戦士たちに、文化の重さを教えられた。まったくもって感謝だ。土俵のうえの青い目の戦士も蒼い狼の戦士たちも皆勝利に貪欲であきらめない闘志あふれる取り組みをしてくれている。あのひたむきな姿こそ、日本人が忘れている姿なのかもしれない。

2005/1/21　だからは日本は平和なのか？

仏の世界では、人が死ぬと、”仏”になるが、では物は”死ぬ”と何になるのでしょうか？それは”おしゃか”になるのだそうな。製品を作り損ないだめにすることを”おしゃかにする”というが、これは一説によれば、金物細工の溶接をするとき、火が強すぎて失敗したことからきたという。江戸下町ではヒをシと発音するので”火が強かった”が”シガツヨカッタ＝四月八日だ”に聞こえたが、この4月8日はお釈迦様の誕生日である。

物も死ぬとおしゃかになるとすれば、成仏してもらうために供養があるのだね。こんな風に、日本人の生活には、仏教や日本古来の宗教の習慣や考えが根付いてるが、一方でクリスマスやバレンタインデーなど他の宗教の習慣も何の疑いもなく行っている。日本人とは本当に不思議な民族で、深く考えること無しに、その形だけをすんなり受け入れて、習慣化してるんだよね。（クリスマスは、イエスキリストの誕生日だぞ。もし、キリスト教徒が、お釈迦様の誕生日に大騒ぎしていたら変に思えると思うが・・・。）それだけに、この国には、宗教的な差別や、そのことで起こる争いや戦争がまずない！！くこの国の文化は模倣が多いように思われがちだが、逆にいえば、とてもすごいことだよね。

キリスト教やイスラム教は戒律がとても厳しいうえに、自分たちの信じる神が唯一の神だと信じているとこがあるから、当然交わる部分も、わかり合う部分も少ないように思う。仏教はその点とてもやさしいように思うし、このとうりの日本人の国民性だ。そんな日本人だから、他の国とうまくやっていけるのだろうね。文化も、習慣もよく変わりどんどん受け入れる変な国だけど、だから平和なのかな？！

2005/1/15　愛すべき探偵たち2005。

昨年の秋は、ミステリーの秋ということで、合間を見ては推理小説を読んでいました。いったい何人の人が殺されたことか・・・。その中で、今回は金田一とはがらりと違うドルリーレーンだ。エラリークイーンがバーナビーロスという名前で最初に生み出した探偵で、元シェークスピアの俳優で、背は高く、今も鍛えられた肉体は、年齢を思わせずしなやかで、肌もきれい。顔立ちも発声もすばらしく、いやみのない優雅さが漂っているのだ。ハドソン川のほとりのハムレット荘という屋敷に、クェーシーやフォルスタッフという召使たちと暮らしている、実に悠悠自適の生活なのだ。ただ耳が不自由で、その辺は読唇術や、電話は召使が変わりに聞いているのだ。そんな、人が恐ろしい事件に首を突っ込むというのは、あまりにも環境が違うような気がするが、それはそれで、実に論理的に、消去法を用いて、ありとあらゆる場合を削除し、時に変装もして真実にたどりついていく。その姿は、明智のようだね。読んだ作品の”Xの悲劇”や”Yの悲劇”はその犯人の意外性や、レーンがたどり着く推理の道のりの巧みさは、相当面白いな。(個人的にはXのほうが好き)金田一はどこか暗さがあるし、ホームズは病的だ。ポアロは、ちょっと気取っているし、ルールタビーユはちょっと生意気だけど、レーンは本当に素敵で、こんな中年に成りたいと思うほどだよ。(とはいえどの探偵も好きだけど)レーンのシリーズは、全4作品なので、残りの2つも時間を見て読んでみようと思う。この冬も、ミステリーの冬になりそうだ。

2005/1/10　勝つための法則。

最近またパチンコがすごいことになっている。私の趣味のひとつであるパチンコが最近また新基準が設けられたらしく大当たり確率が低くなっているものの、確変継続率が上がり、大連ちゃんしているのだ。
その代表的の大ヤマトという機種は、先日上野で21連ちゃんしており、１０連ちゃん等珍しくなく、多ければ3万から4万発は行くようだ。その分はまるとなると１０００回転はざらで、見か
けたのでは、１４００回転まわしていた。

魅力的ではあるものの凶暴な機種だ。１０万儲けられるものの、準備金としても１０万いるのかと思いがちだが、そこは違うのだ。わが尊敬する谷村先生(知るひとぞ知るパチンコドンキホーテ)いわく、１０万持っていく考えこそ、負け組みの考えなのだと。確率が下がっても、勝つときというのはわずかな投資のときが多く、突っ込まなければ出ないならそれはもう負けなのだ。そうして負けることをはなから考えていくから負けるのだと。

実際先生は１万程度しか投資せず、だめならさっさとあきらめるのだそうな。このことは、パチンコだけにとどまらないように思う。このご時世だから、ついついだめなときを考えてしまう。準備は大事だがやる前からそれではやはり勝つのは難しいだろう。辰吉も、アントニオ猪木も、戦いに負けたら引退というときでも、決して負けることは考えず、勝つことだけを何度もイメージしたようだ。単純なことだけど、意外とこれが出来ていないね。結果は誰にもわからない。なら、いい事のみを頭に浮かべて勝負に挑むのは、きっと王道なのだと思う。今年は勝つぞ！

2005/1/3　今年は、自分を出していこう。

新年明けましておめでとうございます。本年も、当店をよろしくお願いいたします。

正月までは長いものの正月はあっという間に過ぎるもんだ。今年も、好物のいくらを食べながら、酒を飲んで常によっぱらっている正月の今日この頃ですが、往路だけとはいえ箱根駅伝で東海大学が優勝したのはちょっとうれしい。もうちょっと復路も頑張れるといいんだけど・・・。

さて、今年は5周年を迎えるとなると、一番最初の目標だった10年の折り返し地点になります。そろそろ自分を出してもいいかなと思いまして。どういう形で自分を表現できるかわかりませんが、もともと理屈っぽい自分を、いやみでない程度に出していこうと思っています。毎年仕事は楽しむもんだと思いながらも、なかなかそうはいかないですが、決して手を抜くということでなく自分のペースで励んでいきます。
どうぞ,この呟きもよろしくお願いします。また,愛すべき探偵たちをやろうかな。